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真紀とデート
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次の日がちょうど土曜日だったこともあり二人はデートをする約束をしてその日は別れた。
真紀は何を着ていこうか考えた。
いつものフリルの付いている服よりシンプルな方が萌えられないはずよね。
そう思いなるべくシンプルなワンピースを選んだ。
(それにしても本当に変な奴よね・・・)
一方その頃翔太は何を着ていくか悩んでいた。
(いつもみたいなTシャツとジーパンじゃだめだよな・・・)
でも洋服持っていないしどうしたものか・・・悩んでいると兄が帰ってきた。
兄はオタクでもロリコンでもないので兄に相談してみることにした。
「は?お前明日デートなの!?それで着ていく服がない?」
「うん。兄ちゃん、どうしよう」
「よし、俺の服貸してやるよ」
兄は気前よく貸してくれた。
「明日はこれを着ていけ」
「ありがとう。兄ちゃん」
兄にお礼を言うとそそくさと自分の部屋に帰って行った。
兄の服はまともな服だから安心して着て行ける。
兄は弟がまともになったことを心底喜んでいた。
「これであいつもロリコン卒業だな」
しかし、兄は思い違いをしている。
明日デートする相手はロリロリな女の子なのだ。
そもそもそう簡単にロリコンを卒業できるはずはない。
そういう性癖なのだから仕方がないのだ。
翌日待ち合わせの公園へ行った。
真紀は既にきており、翔太を待っていた。
彼女はシンプルな白のワンピースを着ていた。
(清楚なお嬢様風!!)
翔太は内心興奮した。
「すみません、お待たせしました」
逆に真紀は感心した。
「あら、意外とまともな恰好ね」
「これ、実は兄の服なんです。まともな服持ってなくて」
「・・・翔太は正直なのね。そんな事黙っていればいいのに」
(私だったら自分が不利になることは言わない)
それなのに翔太は馬鹿正直に白状した。
(翔太は結構いい奴なのかしら?)
真紀は翔太の嘘はつかない、見栄も張らない、自分を飾らないところには好感を抱いてしまった。
(はっ、今日は嫌われるために来たんだった)
真紀は本来の目的を思い出した。
しかし、どうやって嫌われようか・・・。
(何か我儘でも言ってみよう)
「今日は暑いわね。今すぐどこかお店に入って涼みたいわ」
「あ、じゃぁ、俺の行きつけの店に行きましょう。ここからすぐですから」
カランっと店のベルが鳴るとメイド服を着た女性たちが一斉にこう言った。
「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様」
「なっ、何この店」
「ここはメイドカフェです。以前女の子が好きだと言っていたじゃないですか」
「そうだけど・・・」
(あれ、本当は断る為の嘘なのよね・・・)
翔太はメニュー表を真紀に渡した。
「どれにしますか?」
「じゃぁ、これとこれを」
真紀のメニューが決まると翔太は慣れた手つきで呼び鈴を鳴らした。
「お呼びでしょうか、ご主人様、お嬢様」
メイド服の女性がメニューを聞きにやってきた。
「今日はこのにゃんにゃんワッフルとらぶアイスティーとアイスコーヒーを」
「かしこまりました」
そう言うとメイドさんは下がった。
「よくあんな恥ずかしいネーミングの注文を平気で言えるわね」
そう感心していると、翔太は言った。
「恥ずかしいですか?俺は特に何も思いませんが・・・」
(今日は翔太を見直しに来たようなものだ。このままではいけない。どうにかしなきゃ)
真紀は焦った。
(うーん。何か言い手はないだろうか・・・)
そう思うが思いつかなかった。
そうしているうちに時間だけが過ぎていく。
翔太といるのは意外と楽しいと思い始めてきた。
だが、このままだと付き合うことになってしまう。
翔太が嫌がりそうなところは・・・
「私、買いたいものがあるの。一緒に行ってくれる?」
「はい。喜んで」
そうしてやって来たのは下着屋さんだった。
(さすがに恥ずかしいだろうなぁ)
そう思い翔太を見ると真剣に下着を選び始めた。
「あ、真紀さんにはこういうのが似合いそうですよ」
それは淡いピンクのブラとショーツだった。
ほんのりとレースがあしらわれている上品そうなものだった。
真紀は真っ赤になり翔太を店の外へ出した。
(恥ずかしくないの!?翔太ってこういうの平気なの?)
翔太はフィギュアをたくさん持っていいる為今更下着くらいでは動じない。
それを知らずに下着屋を選択した真紀の計画は失敗に終わった。
そんな事をしているともう夕方になっていた。
「あと、俺行きたいところが一つあるんですけどいいですか?」
「どこ?」
「ゲーセン」
二人は駅前のゲームセンターへやってきた。
真紀さんどれか欲しいのありますか?
真紀はわざと取りにくそうなクマのぬいぐるみを指さした。
「あれが欲しいな」
「分かりました」
そう言うと翔太は小銭を入れ、ゲーム開始から1分かからずにそのぬいぐるみをとった。
そして真紀に渡した。
「・・・ありがとう」
真紀は呆気にとられつつ素直にお礼を言った。
「どういたしまして」
そう言い翔太は真紀に微笑んだ。
その笑みがあまりにも嬉しそうだったので真紀まで嬉しくなった。
一瞬ときめいてしまった。
真紀は今日は意外と楽しんでいた自分に気がついた。
(・・・私の負けか・・・)
真紀は潔く自分がまけたことを認めた。
(翔太と付き合うのは悪くないかもしれない・・・)
そう思いだしていた。
別れ際に翔太に言おう。
屋敷の前に着くと翔太は今日の感想を聞いてきた。
「今日はどうでした?やっぱり付き合ってもらえませんか?」
「・・・今日は楽しかった・・・付き合ってもいいわ」
そう言うと彼は顔を赤らめながら喜んだ。
真紀は何を着ていこうか考えた。
いつものフリルの付いている服よりシンプルな方が萌えられないはずよね。
そう思いなるべくシンプルなワンピースを選んだ。
(それにしても本当に変な奴よね・・・)
一方その頃翔太は何を着ていくか悩んでいた。
(いつもみたいなTシャツとジーパンじゃだめだよな・・・)
でも洋服持っていないしどうしたものか・・・悩んでいると兄が帰ってきた。
兄はオタクでもロリコンでもないので兄に相談してみることにした。
「は?お前明日デートなの!?それで着ていく服がない?」
「うん。兄ちゃん、どうしよう」
「よし、俺の服貸してやるよ」
兄は気前よく貸してくれた。
「明日はこれを着ていけ」
「ありがとう。兄ちゃん」
兄にお礼を言うとそそくさと自分の部屋に帰って行った。
兄の服はまともな服だから安心して着て行ける。
兄は弟がまともになったことを心底喜んでいた。
「これであいつもロリコン卒業だな」
しかし、兄は思い違いをしている。
明日デートする相手はロリロリな女の子なのだ。
そもそもそう簡単にロリコンを卒業できるはずはない。
そういう性癖なのだから仕方がないのだ。
翌日待ち合わせの公園へ行った。
真紀は既にきており、翔太を待っていた。
彼女はシンプルな白のワンピースを着ていた。
(清楚なお嬢様風!!)
翔太は内心興奮した。
「すみません、お待たせしました」
逆に真紀は感心した。
「あら、意外とまともな恰好ね」
「これ、実は兄の服なんです。まともな服持ってなくて」
「・・・翔太は正直なのね。そんな事黙っていればいいのに」
(私だったら自分が不利になることは言わない)
それなのに翔太は馬鹿正直に白状した。
(翔太は結構いい奴なのかしら?)
真紀は翔太の嘘はつかない、見栄も張らない、自分を飾らないところには好感を抱いてしまった。
(はっ、今日は嫌われるために来たんだった)
真紀は本来の目的を思い出した。
しかし、どうやって嫌われようか・・・。
(何か我儘でも言ってみよう)
「今日は暑いわね。今すぐどこかお店に入って涼みたいわ」
「あ、じゃぁ、俺の行きつけの店に行きましょう。ここからすぐですから」
カランっと店のベルが鳴るとメイド服を着た女性たちが一斉にこう言った。
「お帰りなさいませ、ご主人様、お嬢様」
「なっ、何この店」
「ここはメイドカフェです。以前女の子が好きだと言っていたじゃないですか」
「そうだけど・・・」
(あれ、本当は断る為の嘘なのよね・・・)
翔太はメニュー表を真紀に渡した。
「どれにしますか?」
「じゃぁ、これとこれを」
真紀のメニューが決まると翔太は慣れた手つきで呼び鈴を鳴らした。
「お呼びでしょうか、ご主人様、お嬢様」
メイド服の女性がメニューを聞きにやってきた。
「今日はこのにゃんにゃんワッフルとらぶアイスティーとアイスコーヒーを」
「かしこまりました」
そう言うとメイドさんは下がった。
「よくあんな恥ずかしいネーミングの注文を平気で言えるわね」
そう感心していると、翔太は言った。
「恥ずかしいですか?俺は特に何も思いませんが・・・」
(今日は翔太を見直しに来たようなものだ。このままではいけない。どうにかしなきゃ)
真紀は焦った。
(うーん。何か言い手はないだろうか・・・)
そう思うが思いつかなかった。
そうしているうちに時間だけが過ぎていく。
翔太といるのは意外と楽しいと思い始めてきた。
だが、このままだと付き合うことになってしまう。
翔太が嫌がりそうなところは・・・
「私、買いたいものがあるの。一緒に行ってくれる?」
「はい。喜んで」
そうしてやって来たのは下着屋さんだった。
(さすがに恥ずかしいだろうなぁ)
そう思い翔太を見ると真剣に下着を選び始めた。
「あ、真紀さんにはこういうのが似合いそうですよ」
それは淡いピンクのブラとショーツだった。
ほんのりとレースがあしらわれている上品そうなものだった。
真紀は真っ赤になり翔太を店の外へ出した。
(恥ずかしくないの!?翔太ってこういうの平気なの?)
翔太はフィギュアをたくさん持っていいる為今更下着くらいでは動じない。
それを知らずに下着屋を選択した真紀の計画は失敗に終わった。
そんな事をしているともう夕方になっていた。
「あと、俺行きたいところが一つあるんですけどいいですか?」
「どこ?」
「ゲーセン」
二人は駅前のゲームセンターへやってきた。
真紀さんどれか欲しいのありますか?
真紀はわざと取りにくそうなクマのぬいぐるみを指さした。
「あれが欲しいな」
「分かりました」
そう言うと翔太は小銭を入れ、ゲーム開始から1分かからずにそのぬいぐるみをとった。
そして真紀に渡した。
「・・・ありがとう」
真紀は呆気にとられつつ素直にお礼を言った。
「どういたしまして」
そう言い翔太は真紀に微笑んだ。
その笑みがあまりにも嬉しそうだったので真紀まで嬉しくなった。
一瞬ときめいてしまった。
真紀は今日は意外と楽しんでいた自分に気がついた。
(・・・私の負けか・・・)
真紀は潔く自分がまけたことを認めた。
(翔太と付き合うのは悪くないかもしれない・・・)
そう思いだしていた。
別れ際に翔太に言おう。
屋敷の前に着くと翔太は今日の感想を聞いてきた。
「今日はどうでした?やっぱり付き合ってもらえませんか?」
「・・・今日は楽しかった・・・付き合ってもいいわ」
そう言うと彼は顔を赤らめながら喜んだ。
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