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自宅
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家に着くと、自然と目に付くのは、自分の家の前に建っている貴子の家。
窓から明かりは漏れていない。
留守なのだろう。
貴子は死んでいると、理人は言っていた。
だったら、貴子のお母さんは、嘘を言っていたことになる。
貴子が家にいるって言ったもの。
いるはずないのだ。
理人が本当のことを言ってたとすれば、貴子のお母さんも嘘を言っていることになる。
……実の娘が家にいないのに、嘘をつくだろうか?
私は、灯りの付いていない貴子の部屋の窓を見上げる。
「あんなに仲良しだったのに?」
貴子と貴子のお母さんは、いつもずっと一緒だった。
仕事の時は、マネージャーとして、現場にずっと付き添っていたと貴子が言っていた。
貴子が生きているのとしたら、今もだろう。
「そっか、いないはずだよね。だって、東京の学校に行くのだもの」
今日は四月一日。東京の学校もまだ春休み中のはずだ。
だが、手続きや引っ越しの準備で、東京にいなければならない時間も多いだろう。
むしろ、ここにいる必要がないかもしれない。
だったら、貴子の家が留守なのも分かる。
母子家庭だった貴子は、貴子が芸能人になることで生活を支えていた。
貴子に寄り添い、貴子を助けるようで、貴子のお母さんは、貴子に頼りっきりだった。
貴子が東京に行くならば、貴子のお母さんが、ここに居続ける理由はないだろう。
この家は、もう人手に渡るのかも。
そっか。
生きていても、死んでいても、貴子はいなくなるんだ。
本当に遠い存在になっちゃうんだ。
私は、家に入る。
家に入ると、仕事から帰ったお母さんが、テレビを見ていた。
テレビは、クイズ番組を放映していたが、ゲストを見て、私はぎょっとする。
見覚えのある黒髪の美少女が、凛とした横顔で、クイズに答えている。
途中で何問かが早送りで場面を飛ばされているところをみると、これも録画なのだろう。
「貴子だ」
「そうよ、すごいわよね。大人でも難しい問題を、次々と正解するんだから」
お母さんが、ミライとは大違いと、軽口を叩く。
「うっさいわね。私には私で良い所もあるの」
「え、まじ? どこ?」
腹立つ。いつもの冗談だって分かっているけれども、今日は、ちょっと受け流せない。
「紗栄が学校で自殺した」
「は? え? 紗栄ちゃんって、後輩の子の?」
驚いている母を置いて、私は、自分の部屋へ引きこもる。
「ちょっと、ミライ! 説明してよ」
部屋の扉をお母さんが叩くが、知るもんか。
せいぜい、気になってもやもやすればいい。
私は、部屋の鍵を掛けて、ベッドに横たわる。
スマホには、メールがたくさん入っている。
慎也からの「今、話せないか」も、理人からの「信じて下さい」も、私は返信する元気がない。
だが、奈美からの「紗栄と連絡が取れない」には、私は応えざるをえない。
私は、奈美に電話を掛けた。
奈美は、すぐに電話に出た。
「奈美、今、電話で話していい?」
私の言葉に、「うん、大丈夫」と、奈美は応えた。
窓から明かりは漏れていない。
留守なのだろう。
貴子は死んでいると、理人は言っていた。
だったら、貴子のお母さんは、嘘を言っていたことになる。
貴子が家にいるって言ったもの。
いるはずないのだ。
理人が本当のことを言ってたとすれば、貴子のお母さんも嘘を言っていることになる。
……実の娘が家にいないのに、嘘をつくだろうか?
私は、灯りの付いていない貴子の部屋の窓を見上げる。
「あんなに仲良しだったのに?」
貴子と貴子のお母さんは、いつもずっと一緒だった。
仕事の時は、マネージャーとして、現場にずっと付き添っていたと貴子が言っていた。
貴子が生きているのとしたら、今もだろう。
「そっか、いないはずだよね。だって、東京の学校に行くのだもの」
今日は四月一日。東京の学校もまだ春休み中のはずだ。
だが、手続きや引っ越しの準備で、東京にいなければならない時間も多いだろう。
むしろ、ここにいる必要がないかもしれない。
だったら、貴子の家が留守なのも分かる。
母子家庭だった貴子は、貴子が芸能人になることで生活を支えていた。
貴子に寄り添い、貴子を助けるようで、貴子のお母さんは、貴子に頼りっきりだった。
貴子が東京に行くならば、貴子のお母さんが、ここに居続ける理由はないだろう。
この家は、もう人手に渡るのかも。
そっか。
生きていても、死んでいても、貴子はいなくなるんだ。
本当に遠い存在になっちゃうんだ。
私は、家に入る。
家に入ると、仕事から帰ったお母さんが、テレビを見ていた。
テレビは、クイズ番組を放映していたが、ゲストを見て、私はぎょっとする。
見覚えのある黒髪の美少女が、凛とした横顔で、クイズに答えている。
途中で何問かが早送りで場面を飛ばされているところをみると、これも録画なのだろう。
「貴子だ」
「そうよ、すごいわよね。大人でも難しい問題を、次々と正解するんだから」
お母さんが、ミライとは大違いと、軽口を叩く。
「うっさいわね。私には私で良い所もあるの」
「え、まじ? どこ?」
腹立つ。いつもの冗談だって分かっているけれども、今日は、ちょっと受け流せない。
「紗栄が学校で自殺した」
「は? え? 紗栄ちゃんって、後輩の子の?」
驚いている母を置いて、私は、自分の部屋へ引きこもる。
「ちょっと、ミライ! 説明してよ」
部屋の扉をお母さんが叩くが、知るもんか。
せいぜい、気になってもやもやすればいい。
私は、部屋の鍵を掛けて、ベッドに横たわる。
スマホには、メールがたくさん入っている。
慎也からの「今、話せないか」も、理人からの「信じて下さい」も、私は返信する元気がない。
だが、奈美からの「紗栄と連絡が取れない」には、私は応えざるをえない。
私は、奈美に電話を掛けた。
奈美は、すぐに電話に出た。
「奈美、今、電話で話していい?」
私の言葉に、「うん、大丈夫」と、奈美は応えた。
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