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そんな訳ないと思うけれども
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「まず、紗栄が、貴子を殺したんだ」
「え、紗栄が? どうして?」
「そんなの俺が知るかよ」
やだ、無責任。
なんか、信用おけないな。だが、まあ、一度聞いてみないと。
「で、理人がランタンで照らした遺体を見て、誰かが自分の犯行を知っているのではないかと思って、観測会の時には、あんなに怯えていたんだ」
「はあ……。まあ、確かに、紗栄はすごく怯えていたのは、認める」
「そして、理人が遺体を隠して、中庭の血濡れたタイルを隠す」
「貴子の遺体がどこにあるかは?」
「それも、分からん」
「おいおい……」
ちょっと、穴だらけな推理な気がする。
まだ、犯人のはずの貴子のお母さんが登場しないのが、かなり気になる。
「で、翌朝に紗栄が犯人だと知ったのが、貴子のお母さん」
「お、急に出て来たな。どうやって知ったの?」
「そりゃ、貴子の部屋を漁ってて、何か紗栄が犯人と分かる証拠を見つけたんだろ」
「ええ、そうなの?」
どこの貴子が行ったのかも知らないだろう人が、どうやって犯人の証拠を見つけたというのか。
貴子の部屋を漁ったって、貴子が死ぬ前のことしか分からないはずだ。
貴子だって、自分が殺されると思って学校には行かなかったはずだ。
「えっと、理人とか奈美が、貴子のお母さんに教えたとか?」
そっちの方が、貴子のお母さんが、貴子殺害を知る方法として、自然じゃない。
「それもある」
慎也が、私の思い付きをすぐ採用する。
いやいや、なんだよ。
それ、どうよ。
何の根拠もないんだけれど。
「ともかく、貴子を殺害した犯人である紗栄を殺した。警察にも頑なに貴子が生きているって言っているのは、きっと自分が犯人だからだよ」
「ええ、かなり無理矢理じゃない?」
「だけれども、何か理由がなければ、警察にまで貴子が行方不明なのを隠す理由はなくね?」
「そうだけれども……」
確かに、理由はあると思う。
でも、その理由が紗栄を殺したからというのは、さすがに論理の飛躍ってヤツじゃない?
貴子のお母さんが紗栄を殺した説は、分からない所だらけで、こじ付けが酷い。
「何か理由はあるんだろうけれども、それが、紗栄を殺害したからっているのは、やっぱり何か変だよ」
「どうして?」
「どうしてって……だって、じゃあ、紗栄を殺害して、体育倉庫に吊るしたの? 貴子のお母さんが? 何のために?」
「そりゃ、自殺に見せかけるためだよ」
「ううん……そうか……」
え、この説、アリなの?
「でも、私を睨んでいたのよ……」
そうだ。昨日の夜、すごい目で私の部屋を睨んでた貴子のお母さんを見たの。
紗栄が犯人だと知っていたとしたら、私を睨む理由はなくない?
「そりゃ……たぶん、最初にミライを疑っていたけれども、その後で紗栄だと気づいて……」
「待って、睨んでいたのは、紗栄が死んだ夜のことだから、それはおかしいって」
どうして犯人の紗栄を殺した後で、私が睨まれなきゃならないのか。
やっぱり変だ。
「うーん。共犯だと思われたとか?」
「そんなの変でしょ。貴子が、『紗栄とミライが私を殺します』と、残しているとか考えにくいし、奈美だって理人だって、私が犯人だと言うのは、おかしいでしょ」
理人にいたっては、貴子殺害の犯人から私を除外している節があった。
だったら、そんなの変だ。
奈美だって、昨日の夜に電話したけれども、私を犯人だと疑っている感じはなかった。
「じゃあ……違うのかな……」
慎也が「うーん」と唸って、考え込んでしまう。
「ともかく、分かっていることから、コツコツ考えなきゃ。無理よ」
私は、食べ終わったサンドイッチの皿を脇に寄せて、写真入った封筒を取り出した。
「え、紗栄が? どうして?」
「そんなの俺が知るかよ」
やだ、無責任。
なんか、信用おけないな。だが、まあ、一度聞いてみないと。
「で、理人がランタンで照らした遺体を見て、誰かが自分の犯行を知っているのではないかと思って、観測会の時には、あんなに怯えていたんだ」
「はあ……。まあ、確かに、紗栄はすごく怯えていたのは、認める」
「そして、理人が遺体を隠して、中庭の血濡れたタイルを隠す」
「貴子の遺体がどこにあるかは?」
「それも、分からん」
「おいおい……」
ちょっと、穴だらけな推理な気がする。
まだ、犯人のはずの貴子のお母さんが登場しないのが、かなり気になる。
「で、翌朝に紗栄が犯人だと知ったのが、貴子のお母さん」
「お、急に出て来たな。どうやって知ったの?」
「そりゃ、貴子の部屋を漁ってて、何か紗栄が犯人と分かる証拠を見つけたんだろ」
「ええ、そうなの?」
どこの貴子が行ったのかも知らないだろう人が、どうやって犯人の証拠を見つけたというのか。
貴子の部屋を漁ったって、貴子が死ぬ前のことしか分からないはずだ。
貴子だって、自分が殺されると思って学校には行かなかったはずだ。
「えっと、理人とか奈美が、貴子のお母さんに教えたとか?」
そっちの方が、貴子のお母さんが、貴子殺害を知る方法として、自然じゃない。
「それもある」
慎也が、私の思い付きをすぐ採用する。
いやいや、なんだよ。
それ、どうよ。
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「ともかく、貴子を殺害した犯人である紗栄を殺した。警察にも頑なに貴子が生きているって言っているのは、きっと自分が犯人だからだよ」
「ええ、かなり無理矢理じゃない?」
「だけれども、何か理由がなければ、警察にまで貴子が行方不明なのを隠す理由はなくね?」
「そうだけれども……」
確かに、理由はあると思う。
でも、その理由が紗栄を殺したからというのは、さすがに論理の飛躍ってヤツじゃない?
貴子のお母さんが紗栄を殺した説は、分からない所だらけで、こじ付けが酷い。
「何か理由はあるんだろうけれども、それが、紗栄を殺害したからっているのは、やっぱり何か変だよ」
「どうして?」
「どうしてって……だって、じゃあ、紗栄を殺害して、体育倉庫に吊るしたの? 貴子のお母さんが? 何のために?」
「そりゃ、自殺に見せかけるためだよ」
「ううん……そうか……」
え、この説、アリなの?
「でも、私を睨んでいたのよ……」
そうだ。昨日の夜、すごい目で私の部屋を睨んでた貴子のお母さんを見たの。
紗栄が犯人だと知っていたとしたら、私を睨む理由はなくない?
「そりゃ……たぶん、最初にミライを疑っていたけれども、その後で紗栄だと気づいて……」
「待って、睨んでいたのは、紗栄が死んだ夜のことだから、それはおかしいって」
どうして犯人の紗栄を殺した後で、私が睨まれなきゃならないのか。
やっぱり変だ。
「うーん。共犯だと思われたとか?」
「そんなの変でしょ。貴子が、『紗栄とミライが私を殺します』と、残しているとか考えにくいし、奈美だって理人だって、私が犯人だと言うのは、おかしいでしょ」
理人にいたっては、貴子殺害の犯人から私を除外している節があった。
だったら、そんなの変だ。
奈美だって、昨日の夜に電話したけれども、私を犯人だと疑っている感じはなかった。
「じゃあ……違うのかな……」
慎也が「うーん」と唸って、考え込んでしまう。
「ともかく、分かっていることから、コツコツ考えなきゃ。無理よ」
私は、食べ終わったサンドイッチの皿を脇に寄せて、写真入った封筒を取り出した。
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