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青年side
その時、青年は①
しおりを挟む古代遺跡で、冒険者として始まる物語。
そこで俺は今までの筋書きとは違う蔦に覆われ、暫く誰も来たことがないであろう部屋に入ることにした。
蔦を払いのけ内部に入ると、淀んだ空気が充満していて思わず後ずさりをしてしまったその時だ。
「……なっ、これは…!!」
カチリという音と共に罠が起動してしまい、部屋を守護するゴーレムが出現した。本来なら中盤以降に現れる筈の敵だが、これは俺がイレギュラーな行動をとった結果なんだろう。
今所持している剣でどこまで戦えるのかという不安はあるが、とにかく倒さなければここから出られない。
そう考えゴーレムに真っ直ぐ、剣を向けた時だった。
(…どこからか、視線を感じる……。)
俺でもゴーレムでもない、例えるなら空の上から覗き込むような…それでいてすぐそばにいるような、不思議な視線がこちらに向けられていることに気がついた。
優しく見守るようなその視線は決して不快なものではなく、むしろ勇気づけられるものだった。
視線をゴーレムから外した時、部屋の奥にキラリと光るものが見つかり、それが魔力の塊であることを理解した俺は咄嗟に駆け出した。
ゴーレムが攻勢に転じる前に、何とか魔力を手に入れようと必死に手を伸ばして光を放つそれに触れた。
一際強く光を放出した魔力塊は、俺の魔力に溶け込むように体内に取り込まれた。
「よし、これだけの魔力があれば…!!」
剣に魔力を纏わせ思い切りゴーレムに切り掛かる。
先程までの不安や威圧感は何だったのか、目の前に立ちはだかる岩の巨体はあっさりと切り崩されてただの石ころになってしまった。
「ふぅ、これできっとここから出られる筈…それにしても、さっきの視線は一体……。」
先程まで傍に感じていた気配はいつの間にか無くなっていた。
それでもこの旅を続ける限り、また会えるのではないかと…俺は、密やかに感じていた。
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