レズビアンの逆襲

一宮 沙耶

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9話 永遠の闘い

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ウィルスで異星人が全て地球人に変わったと考えていたのは間違っていた。
異星人側でも、ワクチンを作り、一定数は生き残っている。
そこで、日本でも、異星人と地球人との死闘が繰り広げられる。

私を殺害した異星人探しが始まり、至る所で異星人達の殺害が続いていく。
女性達は、逃げ惑う異星人を捕まえ、処刑台に連れていく。
最初に私たちに苦痛を味合わせたのは異星人からなので罪悪感もない。

いえ、人間でもないのだから殺害するのは当たり前と誰もが思っていた。
煽られた女性達は、ますます過激になる。
処刑台は、かつて下層市民が一般市民を傷つけた時に死刑にする装置。

女性達は、誰もが、それを過去の恨みとして憎しみの眼差しで見ていた。
異星人達は、次々と、このギロチンで首を切り落とされていく。
処刑されるたびに女性達は歓声の声を上げた。

頭だけになった異星人がボールのように、いくつも無惨に転がっている。
地面は真っ赤に染まった。

豪華な服を纏う高齢の男性は、ゆっくりと処刑台に上がる。
手を天空に上げ、荘厳な様子。
でも、切り落とされた頭はだれよりも小さく、みすぼらしかった。

でも、全ての異星人を排除することはできなかった。
追い詰められた異星人は、核を手配し、日本の各地で爆発させる。
日本でも、多くのキノコ雲が立ち昇っていた。
 
その後も、ミサイルでほとんどのビルは崩壊する。
それでも逃げ惑う人々にはドローンが銃弾を浴びせる。
殺人ロボットが地下まで人々を追い詰めた。

これに対し、地球人は、異星人に反撃し、お互いに殺戮を続ける。
ロボットが、誰もいない街で人間を探し回る。
そんな状態が数年にもわたって続き、異星人も地球人も誰もいなくなった。
世界各国で人間がいなくなることで平和が訪れる。

夏には蝉が鳴き、秋には紅葉が一面を彩り、冬には雪が一面を覆う。
どこにも不平等がない平和な世界が広がっている。
道に散乱していた死体はもう、白骨化して自然に溶け込んでいる。

動いているのは、ロボットとドローンだけ。
でも、人間がいないので、大部分はひっそりと陰で休止状態。

崩れたビルには植物が巻き付き、壁は緑色に染まる。
昔と比べるとはるかに気温は落ち着いている。
車も通らないので空気も爽やか。

桜が満開となる川沿いの道。
5㎞に渡り、延々と桜が咲き誇る。
川には気持ちのいいせせらぎの音が静かに流れる。

そこにはメダカとか、新たな生命が満ち溢れていた。
これから新緑で日本は覆われる。
雲ひとつない青空が広がる。

そよ風で、少し散った桜の花びらが空を舞う。
空から見ると、桜に覆われた川は山の方にずっと延びている。
里山の奥には、雄大な富士山も顔を見せている。
暖かい春の時間は、静かにゆっくりと過ぎていく。

私は、突然、目を覚ました。ここは、どこだろう。
いきなり、火の海に投げ込まれ、苦しい。
熱くても、死ねずに、苦痛だけが永遠と続く。

横に、柚月がいて、ここは地獄だと話す。
愛し続けた柚月と再会でき、語り合いたいけど、そんな余裕はない。
私は死んでも解放されないのだと思う。銃撃戦が続く。

殺される恐怖、痛みがありながら死ねない世界。
場所を変え、異星人と地球人との戦いは地獄で続いていた。
私は体が焼き尽くされても終わらない火の海の中でもがき苦しむ。

どこにも夢がない世界。
肺が焼き尽くされても、死ねずに苦痛が続く。
考える余裕もなく、ただ、痛みと恐怖に包まれる世界。

周りには何千人もの人が苦しんでいた。
こんな苦痛がいつまで続くのかしら。
でも、逃れるすべは見当たらない。ただ、戦い、苦痛の時間が続く。
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