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9話 壊れる
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プロポーズを受けて銀座のお店は辞めた。
結婚式を3ヶ月先に控え、忙しい日々を過ごしていた。
ただ、ある日、私は凍りつく。
バストが崩れてきている。
何かの間違いかと思ったら、日に日に垂れてきた。
これじゃあ、お婆さんじゃない。
すぐに手術した整形外科に駆けつける。
「これって、どういうこと。」
「前から言ってあったでしょう。金額を安くした分、保証はできないって。」
「文句は言わないから、直してよ。お金は出すから。」
「数日でこの状態なのか。これは治すのは難しいな。」
「今のバストを切っちゃって、新たに作るなんてことはできないの?」
「前回の手術の時に筋切って、1点を支柱に吊り下げているような手術だから、それは難しいな。まあ、諦めてよ。でも、支柱が壊れたってことは全体が崩れちゃうかもな。そういえば、目が垂れてきているように見えるな。鼻も曲がってきたんじゃないか。顔も同じ手法で手術したんだけど。」
「え、鏡を貸して。本当だ。これって、どんどん崩れちゃうの?」
「なんともいえないけど、その可能性はある。」
「これは治せるんでしょう?」
「残念だけど、諦めて。そういう約束だったでしょう。普通じゃ認めっれていない手術だったから、崩れちゃうともう治しようがないんだよ。」
「そんな・・・。」
結婚式を早めないと。
まずは結婚だけでもしないと。
でも、次の日には鼻が取れそうになっていった。
「凛、どうしたんだい。顔面神経痛か? 病院に行った方がいい。結婚式は延期しよう。直ってからでも遅くないし。」
「そんなの嫌。早く結婚しよう。」
「親とも相談してみるけど、美しい凛をみんなに見せたいし。」
翌日、健一が暗い顔でやってきた。
「親に相談したんだけど、鼻が取れそうなのは梅毒じゃないかって。そんな女性とは結婚を認められないと言い出してさ。まずは、病気を治そうよ。ストレスを溜めすぎなんだと思う。」
「病気じゃないって言ってるじゃない。」
「誰がみても、普通じゃないよ。落ち着いて。」
「落ち着けるわけないじゃない。」
その時だった。
顔から鼻が落ちてしまった。
鼻が顔についていた部分は乾いていて、もうくっつく感じじゃない。
「ひー、凛は病気だって。早く病院に行った方がいいよ。ごめん。もう僕はダメだ。結婚はなかったことにして。本当にごめん。じゃあ。」
「見捨てないで。」
その時、右目が見えなくなった。
下を見てみると、目の玉が落ちている。
もうダメだ。止まらない。
美人になって苦労のない生活を送ろうとした。
でも、それは悪いことじゃない。
誰もが幸せになりたいと思う。
だから、誰もが背伸びをする。
背伸びをすることはダメなことじゃない。
男の時は、そんな気持ちを理解していなかった。
バカな女たちと見下していたけど、それは間違っていた。
理解が足りずに、多くの女たちを不幸にしてきたかもしれない。
私は、もうダメ。
これまでの行いの報いかもしれない。
こんな姿、誰にも見せたくない。
そんな時、スマホにネットニュースが流れる。
健一が逮捕されたと。ここを出てすぐに逮捕されたようだった。
警官に抑えられ、車に乗せられた、ふてぶてしい男がそこにいた。
健一は結婚詐欺だと報道され、現在は無職だという。
警察は綿密な捜査を続け、さっき、逮捕に至ったらしい。
家には、ほとんど金目の物がなかったとも言う。
なんだったの。
私は健一と一緒になることで本物になれると思っていたのに。
健一も私と同じ偽物だったなんて。
最初から、本物になることなんてできなかったんだ。
もう、どこにも生きる望みはない。
疲れてしまった。
風が吹き荒れる、このビルの屋上に行く。
ここから落ちれば、そもそも体全体がボロボロになる。
こんな顔、体になっちゃったこと、気づかれないですむかも。
私は、柵を乗り越え、空に舞った。
ごめん、江本さん。
僕は、あなたの体を幸せにできなかった。
「ママ、パパが起きたよ。」
ここはどこだろう。目の前には女の子がいる。
どうも、娘のようだ。
なんか江本だった頃の顔に似ているような。
まあ、気のせいだろう。
パパというのだから、男になったのだろう。
2度目だし、もう驚かない。
鏡に映った僕は、どこにでもいそうな普通の男の顔だった。
この娘と妻を大切にするチャンスをもらえたんだ。
女の気持ちも分かるようになったから大丈夫。
これからは女を幸せにできる自信がある。
「あら、聡、起きたのね。じゃあ、朝ごはんにしよう。」
妻の方に目をやった時に、体が凍りついた。
目の前にいる女性は美しい凛だった。
結婚式を3ヶ月先に控え、忙しい日々を過ごしていた。
ただ、ある日、私は凍りつく。
バストが崩れてきている。
何かの間違いかと思ったら、日に日に垂れてきた。
これじゃあ、お婆さんじゃない。
すぐに手術した整形外科に駆けつける。
「これって、どういうこと。」
「前から言ってあったでしょう。金額を安くした分、保証はできないって。」
「文句は言わないから、直してよ。お金は出すから。」
「数日でこの状態なのか。これは治すのは難しいな。」
「今のバストを切っちゃって、新たに作るなんてことはできないの?」
「前回の手術の時に筋切って、1点を支柱に吊り下げているような手術だから、それは難しいな。まあ、諦めてよ。でも、支柱が壊れたってことは全体が崩れちゃうかもな。そういえば、目が垂れてきているように見えるな。鼻も曲がってきたんじゃないか。顔も同じ手法で手術したんだけど。」
「え、鏡を貸して。本当だ。これって、どんどん崩れちゃうの?」
「なんともいえないけど、その可能性はある。」
「これは治せるんでしょう?」
「残念だけど、諦めて。そういう約束だったでしょう。普通じゃ認めっれていない手術だったから、崩れちゃうともう治しようがないんだよ。」
「そんな・・・。」
結婚式を早めないと。
まずは結婚だけでもしないと。
でも、次の日には鼻が取れそうになっていった。
「凛、どうしたんだい。顔面神経痛か? 病院に行った方がいい。結婚式は延期しよう。直ってからでも遅くないし。」
「そんなの嫌。早く結婚しよう。」
「親とも相談してみるけど、美しい凛をみんなに見せたいし。」
翌日、健一が暗い顔でやってきた。
「親に相談したんだけど、鼻が取れそうなのは梅毒じゃないかって。そんな女性とは結婚を認められないと言い出してさ。まずは、病気を治そうよ。ストレスを溜めすぎなんだと思う。」
「病気じゃないって言ってるじゃない。」
「誰がみても、普通じゃないよ。落ち着いて。」
「落ち着けるわけないじゃない。」
その時だった。
顔から鼻が落ちてしまった。
鼻が顔についていた部分は乾いていて、もうくっつく感じじゃない。
「ひー、凛は病気だって。早く病院に行った方がいいよ。ごめん。もう僕はダメだ。結婚はなかったことにして。本当にごめん。じゃあ。」
「見捨てないで。」
その時、右目が見えなくなった。
下を見てみると、目の玉が落ちている。
もうダメだ。止まらない。
美人になって苦労のない生活を送ろうとした。
でも、それは悪いことじゃない。
誰もが幸せになりたいと思う。
だから、誰もが背伸びをする。
背伸びをすることはダメなことじゃない。
男の時は、そんな気持ちを理解していなかった。
バカな女たちと見下していたけど、それは間違っていた。
理解が足りずに、多くの女たちを不幸にしてきたかもしれない。
私は、もうダメ。
これまでの行いの報いかもしれない。
こんな姿、誰にも見せたくない。
そんな時、スマホにネットニュースが流れる。
健一が逮捕されたと。ここを出てすぐに逮捕されたようだった。
警官に抑えられ、車に乗せられた、ふてぶてしい男がそこにいた。
健一は結婚詐欺だと報道され、現在は無職だという。
警察は綿密な捜査を続け、さっき、逮捕に至ったらしい。
家には、ほとんど金目の物がなかったとも言う。
なんだったの。
私は健一と一緒になることで本物になれると思っていたのに。
健一も私と同じ偽物だったなんて。
最初から、本物になることなんてできなかったんだ。
もう、どこにも生きる望みはない。
疲れてしまった。
風が吹き荒れる、このビルの屋上に行く。
ここから落ちれば、そもそも体全体がボロボロになる。
こんな顔、体になっちゃったこと、気づかれないですむかも。
私は、柵を乗り越え、空に舞った。
ごめん、江本さん。
僕は、あなたの体を幸せにできなかった。
「ママ、パパが起きたよ。」
ここはどこだろう。目の前には女の子がいる。
どうも、娘のようだ。
なんか江本だった頃の顔に似ているような。
まあ、気のせいだろう。
パパというのだから、男になったのだろう。
2度目だし、もう驚かない。
鏡に映った僕は、どこにでもいそうな普通の男の顔だった。
この娘と妻を大切にするチャンスをもらえたんだ。
女の気持ちも分かるようになったから大丈夫。
これからは女を幸せにできる自信がある。
「あら、聡、起きたのね。じゃあ、朝ごはんにしよう。」
妻の方に目をやった時に、体が凍りついた。
目の前にいる女性は美しい凛だった。
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沙耶へ
今回は結構、シリアスなんだね
がんばって✨