TS転生〜社会不適合者の俺が金髪猫耳美女に転生〜ラブラブでエチエチな異世界ライフを手に入れる迄

狼少年

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第6話

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6     姦(ヤ)られる前に殺(ヤ)る

 状況を確認しよう。

 俺は馬車の荷台に座っていて、武器らしい武器は何も持って無い。

 A男とB男はそんな俺に対し立ち上がり、腰に帯刀している剣を抜こうと構えている。

 ガタッガタッと揺れていた馬車の荷台も、悪路を通り抜けたのか、比較的揺れは少なく穏やかだ。

 立ち上がってもバランスを崩すような事はないだろう。

 ハッジと名乗った男は、顔を真っ青にして、自分の荷物だろうか?肩掛け袋の中を必死に漁っている。
 
 毒消しでも探しているのだろう。
 
 ギルド職員の御者はというと、荷台の騒ぎには気付いていないようで、呑気に鼻歌を歌って馬車を運転している。

  🎶ふんふんふんふーーん
  というリズムが耳に付いて、逆にムカつくくらいだ。
 
 今、あんた殺されそうになっているんだぞ。

 周囲の状況はだいたい把握。
 状況は一方的に不利な状況だ。


 A男「よしッ俺が女を抑えるから、御者は頼んだ…」
 
   B男「はッ?俺が女を抑えるから、お前が…」

 2人は、どちらが俺を抑えるのかを小声で言い争っている。
 
 小声で喋っていてもこっちには丸聞こえだ。
 
 流石は聴覚上昇(大)の効果と言ったところか。

 幸い俺の事は殺そうと思って無いみたいだ。

 少し考えればわかる。死姦なんぞ誰もしたいとは思わないだろう?
 
 俺は捕まえて、御者は殺す。

 だが、
 剣でも抜かれて、この狭い荷台の上で2体1になったら状況は更に悪化するだろう。

 先ずは安心させて、1体1の状況を作り出さねば。

 なら、

 「どうしたんですかぁ?
 怖い顔して立ち上がって…
 そこのおじさんが私の胸を触ろうとしてきたからつい。反射的に嫌がっただけなのにぃ~」
 
 お?!っと顔を見合わせるA男とB男。

 2人の心の声はもう聞こえない。
 
 心読の効果時間が切れたみたいだ。
 
 30秒という効果時間はやはり短い。

 それでも男達の表情からは、緊迫していた糸が少しだけ解れたように読み取れた。

 実際、抜こうとしていた剣から手を離そうとしている。

 「なんだ!?そういう事か…おい!ハッジ、何考えてんだお前!」A男

 「すまないな。嬢ちゃん。コイツは昔から手グセが悪いところがあるんだよ」B男

 2人はそう言って俺に注いでいた視線を、一瞬だけ袋を捌くっているハッジに向けた。

 俺はその一瞬を見逃さない。

 一歩踏み出して勢い良く立ち上がり、立ち上がり様にA男の顎に向けて、

 全力の賞手を繰り出す。

 見事にヒット。

 かなりの手応えだ。

 「アグッッ」

 と、A男の身体が宙に浮き上がり、そのまま走る馬車の外へと投げ出され、
『ガタンッ』『ドサッ』という音が遠くで聞こえた。
 
 随分と派手にふっ飛んだな…
 我ながらビックリしていると、

 御者が「どうした?」と、初めてコチラに振り返り様子を伺う。

 「てめーー!!」

 B男は荒くれた声をあげ、腰にぶら下げた剣を抜いた。
 
 『シュイン』という金属音と共に銀色に輝く刀身が現れる。

 初めて見る真剣は、油がよく塗られていて、不気味な光を放ち、しっかりと手入れされているのであろう。
 切先をコチラに向けてきて、とても切れそうだ…

 御者「おい!お前ら何してる!?」

 異変に気が付いた御者は馬車を急停車しようと手綱を引く。
 驚いた馬は「ヒヒンッ」と呻き泣き、後ろ脚で立ち上がった。

 B男「やりやがった!やりやがった!」

 B男は騒ぎ立てながらドタバタと剣を振りかぶった。

 ここで、俺は気付く。

 なんだか……

 遅くね?

 俺ならもっと早く動ける。

 後はもう……なんか適当に、B男に前蹴りを入れ、手放した剣を奪い。
 尻もちを付いて命乞いをするB男の胸深く。

 グサっと剣を突き立てた。

 「ガハッ!」
 逆流した血を吐き出すB男。
 
 躊躇も、罪悪感も感じない。

 人を殺すという事はこんなにも呆気ないものなのか?

 ゴボッゴボッとむせ返り、力無くその場に倒れるB男を見て、思ったより、血も飛ばないし、血飛沫や返り血などは時代劇の中の演出なのか?

 などと思いながら、剣を抜くと、ピューーと血が吹き出して、俺が着ている白いチュニックを赤く染めていく。

 そんな俺の姿を見て、ハッジは肩掛け袋を抱いてガタガタと震えていた。

 「か、勘弁してくれ!」

    「お願いだ。この通り!」

 ハッジは荷台に頭を擦り付けて土下座をして謝ってくる。

 ふーーん。
 それが本音かどうか……心読!!

 (化け物かこの女?)
 (なんの躊躇も無く殺しやがって…)
    (とりあえず謝って許して貰って…)
 (流石に土下座までしてるんだ。許してくれるよな?)
   (そしたら機を見計らって……)
 (俺の隠し針には気付いて無い筈だ)
 
    「お前バカか?気付いてるよ」

 「え?」と

    顔を上げたハッジの細い目にブスッと剣を突き刺し、剣は頭を貫通。即死だ。

 血の海と化した馬車の荷台には2つの死体が転がった。

 

 

    

 

 

 

 

 

 
 
 

 




 

 

  
  

 
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