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炭の正体
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「これよく燃えるね。これ何入れたの?」
知らない男が僕に声をかけて来たのは、僕が色々な物をぶちこんで焚き火をしていた時の事です。
「あーーこれはですね。これはそうだね。色々ですよ。色々と。本来は燃やしちゃいけない物なんですけどね。何分これが良く燃えるもんだから、ついね。ついです」
「ちょっと当たってもいいかい?」
「ご自由にどうぞ」
「こりゃあ。ありがてぇ。ちょうど道に迷っちまってね」
始めはそんな感じで焚き火で暖を取り始めたって訳。
「兄ちゃんはあれかい?ここら辺の人かい?」
「ここら辺?」
「とぼけたってそりゃあ兄ちゃん、道理が通らねぇってもんだい」
僕は頭を掻きながら、恥ずかしい思いに掻き立てられ、一拍置いて白状したのです。
「そうですが何か?」
男は大声で笑い出したってんだから気分が悪い。
「ワハハハハハハ……こりゃあ面白い。腹が痛い。ワハハハハハハ」
一通り笑い終えて気が済んだのか。男は真面目な顔で口を開いたって。
一方、僕はと言うと、笑われて腹が立ち黙って燃え上がる炎を見上げてたんです。
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「…………………………」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
口篭る僕に男は再度尋ねてくる。
しつこい……
繰り返し繰り返し尋ねて来る訳です。
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「……わかったよ…言うよ……戦争とかで…」
「あーーー?声が小さくて聞こえねぇな!!」
男は少し喧嘩腰で問いてくる。
僕は観念したが、平謝りという訳にはいかない。それはそれは人のサガという物。開き直り逆ギレです。
「そうだよ!!これは戦争とかそう言う醜い争いで起こした残骸だよ!!妬み恨みそういう感情が1番燃えるんだよ!!なんか悪いのかよ!!皆やってる事なんだよ!!皆やってるからいいんだよ。皆やってるから……なんとか言えよ!!クソっ………」
急に逆ギレされて男はビックリしたが、少し経って落ち着いて。静かに炎の行方を見つめている。
炎の燃え立つ先には
青く綺麗な星があった。
ここは地球の外。宇宙空間のど真ん中。
僕は地球人。
男は宇宙人。
知らない男が僕に声をかけて来たのは、僕が色々な物をぶちこんで焚き火をしていた時の事です。
「あーーこれはですね。これはそうだね。色々ですよ。色々と。本来は燃やしちゃいけない物なんですけどね。何分これが良く燃えるもんだから、ついね。ついです」
「ちょっと当たってもいいかい?」
「ご自由にどうぞ」
「こりゃあ。ありがてぇ。ちょうど道に迷っちまってね」
始めはそんな感じで焚き火で暖を取り始めたって訳。
「兄ちゃんはあれかい?ここら辺の人かい?」
「ここら辺?」
「とぼけたってそりゃあ兄ちゃん、道理が通らねぇってもんだい」
僕は頭を掻きながら、恥ずかしい思いに掻き立てられ、一拍置いて白状したのです。
「そうですが何か?」
男は大声で笑い出したってんだから気分が悪い。
「ワハハハハハハ……こりゃあ面白い。腹が痛い。ワハハハハハハ」
一通り笑い終えて気が済んだのか。男は真面目な顔で口を開いたって。
一方、僕はと言うと、笑われて腹が立ち黙って燃え上がる炎を見上げてたんです。
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「…………………………」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
口篭る僕に男は再度尋ねてくる。
しつこい……
繰り返し繰り返し尋ねて来る訳です。
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「で兄ちゃん、その炎…何を燃やしてんだい?」
「……わかったよ…言うよ……戦争とかで…」
「あーーー?声が小さくて聞こえねぇな!!」
男は少し喧嘩腰で問いてくる。
僕は観念したが、平謝りという訳にはいかない。それはそれは人のサガという物。開き直り逆ギレです。
「そうだよ!!これは戦争とかそう言う醜い争いで起こした残骸だよ!!妬み恨みそういう感情が1番燃えるんだよ!!なんか悪いのかよ!!皆やってる事なんだよ!!皆やってるからいいんだよ。皆やってるから……なんとか言えよ!!クソっ………」
急に逆ギレされて男はビックリしたが、少し経って落ち着いて。静かに炎の行方を見つめている。
炎の燃え立つ先には
青く綺麗な星があった。
ここは地球の外。宇宙空間のど真ん中。
僕は地球人。
男は宇宙人。
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