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ドッキリ好きの彼女
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僕に最近彼女が出来ましてね。
彼女は根っからのドッキリ好きだったんですよね。
彼女の家に遊びに行くと、僕が忘れた頃にドッキリを仕掛けて来るって訳です。
ドッキリといっても手の込んでいる物から、簡易的な物もありますが、一例を上げるとですね。
彼女の家に泊まった時の事です。アパートの呼び鈴が鳴って、彼女がその対応をしたって訳ですが、
「キャーーーー」
と悲鳴が。
僕は慌てて「どうしたの?」と、玄関に向かいましたが、もう既に玄関には彼女の姿は無くてね。
次の瞬間、何かを被せられて目の前が真っ暗になったんですよ。
ヤバい…やられる…っと思いましたね。
すぐさま被せられた何かを取ると。目の前にはバケツを被った彼女。僕の手にもバケツ。
徐に彼女もバケツを取り、え?何?と言う表情。
僕は「何処だーー!!?何処に居る??」
と、居もしない不法侵入者を部屋中探し回った訳ですが……
慌てる僕を見て、彼女はクスクスと笑っていたと思いますね。だって…僕にバケツを被したのは隠れていた彼女だったのですから…被したあと自分もバケツを被り被害者顔するっていう。ドッキリです。見事ひっかかりました。
そんな彼女ですが、最近妙な事を言い始めたんですよ。
鏡の中の女が私を見てくるって言うんです。
すぐにピンっと来たね。また始まったかって。
でもここで「それはドッキリかい?」
なんて聞くのは男として器が小さいじゃないですか。
だから僕は騙されるふりをして、親身になって話を聞いてあげたって訳です。
彼女曰く。
1 その女はふとした瞬間に鏡の中に居るという。
2 その女はいつも椅子の上に座って居るという。
3 その女は見る度に身体の一部分を失くしていくという。
4 この前現れた女は、遂には椅子の上で生首1つになっていて、彼女に問いかけてきたそうな。
「私の身体知らない?」
て
なるほど……そう言う事か……次はそう来るのかって思いましたよ。
何故かって?そりゃあ…先日二人で生首のトリックアートを撮ったぶんなのですから。
夜中。携帯電話が突如鳴り始め、僕は何事だと思い電話に出た。
「はい……」
「どうしよう……助けて……あいつが……あの女が……」
そう言って電話はプツリと切れた。電話の主は勿論彼女だ。
「まじかよ……何時だと思ってんだよ」
そう思い、時計を見ると丁度深夜2時を過ぎた頃だ。僕は呆れて、行こうか行かまいか迷ったが、明日も仕事だった為その日はそのまま眠りについた。
今度引っかかってあげるから……今日はごめんね……。
その日を境に、次の日も、そのまた次の日も彼女とは連絡がつかなくなった。
(相当怒ってるんだろうな……今回は手が込んでたみたいだし……)
そう思い携帯電話と睨めっこの日々を送っていると、無登録の番号から電話がかかってきた。
「はい。もしもし」
電話の向こうで知らない男は言う。
彼女が亡くなった。と、
(は?どう言う事?意味がわからない)
(いや……待て……)
(待てよ……)
(もしかしたら……)
(これもドッキリじゃ無いのか?)
(僕が助けに行かなかった腹いせに、壮大なドッキリをもう一度計画したって事じゃ無いのか?)
(なんだ……なるほど……そうか……驚かせてくれるな…… )
と、
自分に言い聞かせて、いや信じて、
神妙な声で黙々と話す男に思わず「ドッキリですか?」と聞いてしまう。
「はい?」
「いやだから……あなたもグルなんでしょ?」
「はい?」
「え?いや…だから……騙されませんよ……どうせあれでしょ?椅子の上に生首があったんでしょ?」
暫くの沈黙…………。
「何で君……そんな事知ってるの?」
そして僕は容疑者になり、捕まった。
電話の相手の男は刑事だったのだ。
逮捕の理由は、現場が密室だったという事。僕が合鍵を持っていたという事。彼女の部屋から僕以外の痕跡が何も出てこなかった事。そして最後の決め手は、僕が彼女の最後を知っていた事だった。
今でも思う……あの時……彼女から電話がかかって来た時、すぐに助けに行きさえすればと……
暗い取り調べ室の一室で、目の前の刑事が僕に尋問する。
「おい!!そろそろ吐いたらどうだ?えーー何処にやったんだよ!!彼女の身体を何処にやったんだ?」
そう……
彼女の身体はまだ見つかっていない。
彼女は根っからのドッキリ好きだったんですよね。
彼女の家に遊びに行くと、僕が忘れた頃にドッキリを仕掛けて来るって訳です。
ドッキリといっても手の込んでいる物から、簡易的な物もありますが、一例を上げるとですね。
彼女の家に泊まった時の事です。アパートの呼び鈴が鳴って、彼女がその対応をしたって訳ですが、
「キャーーーー」
と悲鳴が。
僕は慌てて「どうしたの?」と、玄関に向かいましたが、もう既に玄関には彼女の姿は無くてね。
次の瞬間、何かを被せられて目の前が真っ暗になったんですよ。
ヤバい…やられる…っと思いましたね。
すぐさま被せられた何かを取ると。目の前にはバケツを被った彼女。僕の手にもバケツ。
徐に彼女もバケツを取り、え?何?と言う表情。
僕は「何処だーー!!?何処に居る??」
と、居もしない不法侵入者を部屋中探し回った訳ですが……
慌てる僕を見て、彼女はクスクスと笑っていたと思いますね。だって…僕にバケツを被したのは隠れていた彼女だったのですから…被したあと自分もバケツを被り被害者顔するっていう。ドッキリです。見事ひっかかりました。
そんな彼女ですが、最近妙な事を言い始めたんですよ。
鏡の中の女が私を見てくるって言うんです。
すぐにピンっと来たね。また始まったかって。
でもここで「それはドッキリかい?」
なんて聞くのは男として器が小さいじゃないですか。
だから僕は騙されるふりをして、親身になって話を聞いてあげたって訳です。
彼女曰く。
1 その女はふとした瞬間に鏡の中に居るという。
2 その女はいつも椅子の上に座って居るという。
3 その女は見る度に身体の一部分を失くしていくという。
4 この前現れた女は、遂には椅子の上で生首1つになっていて、彼女に問いかけてきたそうな。
「私の身体知らない?」
て
なるほど……そう言う事か……次はそう来るのかって思いましたよ。
何故かって?そりゃあ…先日二人で生首のトリックアートを撮ったぶんなのですから。
夜中。携帯電話が突如鳴り始め、僕は何事だと思い電話に出た。
「はい……」
「どうしよう……助けて……あいつが……あの女が……」
そう言って電話はプツリと切れた。電話の主は勿論彼女だ。
「まじかよ……何時だと思ってんだよ」
そう思い、時計を見ると丁度深夜2時を過ぎた頃だ。僕は呆れて、行こうか行かまいか迷ったが、明日も仕事だった為その日はそのまま眠りについた。
今度引っかかってあげるから……今日はごめんね……。
その日を境に、次の日も、そのまた次の日も彼女とは連絡がつかなくなった。
(相当怒ってるんだろうな……今回は手が込んでたみたいだし……)
そう思い携帯電話と睨めっこの日々を送っていると、無登録の番号から電話がかかってきた。
「はい。もしもし」
電話の向こうで知らない男は言う。
彼女が亡くなった。と、
(は?どう言う事?意味がわからない)
(いや……待て……)
(待てよ……)
(もしかしたら……)
(これもドッキリじゃ無いのか?)
(僕が助けに行かなかった腹いせに、壮大なドッキリをもう一度計画したって事じゃ無いのか?)
(なんだ……なるほど……そうか……驚かせてくれるな…… )
と、
自分に言い聞かせて、いや信じて、
神妙な声で黙々と話す男に思わず「ドッキリですか?」と聞いてしまう。
「はい?」
「いやだから……あなたもグルなんでしょ?」
「はい?」
「え?いや…だから……騙されませんよ……どうせあれでしょ?椅子の上に生首があったんでしょ?」
暫くの沈黙…………。
「何で君……そんな事知ってるの?」
そして僕は容疑者になり、捕まった。
電話の相手の男は刑事だったのだ。
逮捕の理由は、現場が密室だったという事。僕が合鍵を持っていたという事。彼女の部屋から僕以外の痕跡が何も出てこなかった事。そして最後の決め手は、僕が彼女の最後を知っていた事だった。
今でも思う……あの時……彼女から電話がかかって来た時、すぐに助けに行きさえすればと……
暗い取り調べ室の一室で、目の前の刑事が僕に尋問する。
「おい!!そろそろ吐いたらどうだ?えーー何処にやったんだよ!!彼女の身体を何処にやったんだ?」
そう……
彼女の身体はまだ見つかっていない。
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