ちょっとハッとする話

狼少年

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チカチカと黄色いライトを

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一台のタクシーが、人里離れた山道を登っていく。煌々と光るヘッドライトの光が、木々が途切れる度に光の筋となって山間を照らしていた。

「お客さん~~本当にこっちであってますか??」

随分と山道を走ったのか、心配になったタクシー運転手が、後部座席の酔っ払ったサラリーマン風の客に再度確認している。

「はに?はに?もーーえ?2時??
  ひじ??ハハハッあっココ
 亀の瀬かぁ。。きたらどんつき右にやぁ」

サラリーマン風の男はなかなかの泥酔状態だが、時系列の単語から、土地柄の名称まで、ソレなりに話しながらも、呂律は回っていなかった。


  ウィッ……オップッ……」

「ちょっと!!ちょっと!!お客さん!!
  気持ち悪いの??え?吐くの??
    吐くの??」

タクシー運転手は慌てて車を停車し、えづく男性客を路肩へと誘導する。

「オロオロオロオロオロ~~」

あーー汚い汚いと……
タクシー運転手は車内に戻り、水を持って来ては男性客へと渡す。

「あぁありがとねぇ……」と男性客。

その時、タクシー運転手は男性客の吐瀉物をしっかりと確認しておけば良かったのだ。

「あぁ少しはぁぁ楽になったわ」と言うその男は

この先どんつきを右に行けば村に着くからと言った。

「そうですか……こんな山奥に村が……」

タクシー運転手はまたその男を乗せて村に向けて走り出す。

どんつきを右に曲がれば、

    そこは人喰い亡者達が住む村だ。



 路肩の吐瀉物に混じった目ん玉が
 タクシーの方向指示器の点滅ライトを
 ジッと見つめていた。







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感想 2

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