美少年はエッチがしたい……『笑って死ね』神との約束は一度きり、最高の腹上死を目指す

狼少年

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 ティムは、トイレへと駆け込んだ。別に、おしっこや、うんこがしたかったわけじゃない。エッダという女から、一旦、距離を取りたかった。
 よくわからない。美魔女と言えば美魔女だし。あれほど美人な女性が、吐息を漏らし、クスっと笑う。わからない。何故?なんで僕なんかに?トイレに行けば鏡があるはずだ。鏡が見たい。
 ティムは、トイレへと駆け込んだ。
 ただ、トイレと言っても、パッと想像するようなトイレでは無い。所謂、ボットン便所。肥溜めだ。木の板で囲われてはいるが、造りは至って簡易的(シンプルで)。暴風でも吹いた日には倒れてしまいそうだ。水洗便所を想像していたティムは、臭いと思った。
 まぁ。でも、考えてみれば確かにそうだ。エッダの店には、電気なんてものは通っておらず、店内はランプの光だけだった。現代社会において、電気・ガス・水道。ライフラインとも呼べるその全てが整備されておらず、文明レベルはお世辞にも高いとは言えない。
 皆が憧れを持つ、中世ヨーロッパにおけるトイレ事情っなんてものは、それは酷いもので、汚物を窓から投げ捨てる。道には糞尿が溜まり、日傘やピンヒールはその為に発明された。貴族の女性が身に付けている大きな傘状のスカートも、そのまま用を足してもいいように、発明された。それに比べれば、まだトイレがあるだけましか。だが臭い……。人の糞尿というものは、動物性タンパク質を多く含んでいる。だから、尚のこと。臭い。
 鼻を摘み、ニオイはとりあえずよしとして、鏡だ。鏡はと、ティムはトイレの中を探す。すると、小さな手鏡程の鏡が、壁に掛かっているのを発見。ティムは、おずおずと手鏡を手に取り覗き込んでみた。

 !?!?こ!?

 

 ◆ん◆



「ちっ!」

 ザザ・ミュースカイ・セビラハートは、軽く舌打ちをした。目の前の相手(エミリオ・ルーフ)は、一筋縄で倒せる相手では無い。それはザザも承知の事である。
 エミリオ・ルーフは元ハンターでもある。【黒の悪夢】と呼ばれる、大きな狼の魔獣に、その右足を食い千切られてハンター業から足を洗ったが、彼女のハンターランクは元特級。勳章名は、"スターブライト"
 "エミリオ・ルーフ・スターブライト"それが、ハンターをやっていた頃の彼女の名だ。

「お前とやり合う気は無い。出直す」

 ザザは、ルーフから視線を外し、踵を返した。そのまま扉の方へ向かうと、エリミオ商店から出て行った。「ふーー」っと一息吐いたのはルーフ。とりあえずは、良かった。台風みたいな暴風だ。あいつは昔からそうだ。気に入らないことがあると、無闇矢鱈に当たり散らして、周囲は迷惑を被る。やれやれ……困った奴だ。それでも、元々は気のいい奴で、どこか憎めないのがザザという女だ。短気じゃ無ければなぁ……ただ、猪突猛進で、負けず嫌いじゃ無かったら、女でありながらハンター協会の頂までは、登り詰めれなかっただろう。それは、この私が身をもって1番知っている。とりあえず今日のところはだな。
 ルーフはザザの背中を見送って、店内に一声かける。

「さぁさぁ。見せ物は終わりだよ!皆んな仕事に戻ってくれ!」

 店内にいた者達は、ルーフの声で仕事に戻る。人の欲というものは、これきり腐っていて、喧嘩や争い事を見るのがとても好きだ。面白いもんが見れるかもしれない。そう思っていた者達は、どこか肩透かしでもくらったような顔をして仕事に戻っていった。


 ◆◆◆


 こ!これが……僕!?

 ティムは、鏡に映り込む自分の顔を見て驚く。嘘でしょ!?自分の顔をベタベタと触り、その輪郭を確認する。
 間違いない。間違い無くこれは僕だ。
 鏡の中に映っているのは、まさに絶世の美男子と言えるほどの、美少年の中の美男子。美の中の美。これだけ美しい顔ならば、誰もが振り向く。そうか。やっぱりそうだったか……ティムは、この村に来た時に感じた、ジロジロとした視線を思い出していた。それに、お姉ちゃん。エッダさん。彼女達の熱い視線も思い出していた。
 きっと2人共、僕の事をカッコいい。メチャクチャイケメンの王子様みたいだ。と、思っていたのだろう。肩まである金髪の髪は、絹のように艶やかで、碧い瞳は濁りも無く透き通っている。しっかも、パッチリとした二重。夢にまでみたパッチリ二重だ。野崎研の目は、そりゃあもう重たくて、腫れぼったい一重だった。鼻は低くて団子鼻。それがどうだ?鼻筋はスーーっと通っていて、小鼻。唇は薄くて、まさに王子様。自分で自分に見惚れてしまう感覚に襲われた。

「おい!」
「どうしたの?ケン」
「自分の顔に見惚れてんじゃねぇよ!」
「う、うん……でも、すごいイケメンだね」
「そりゃ。そうだ!神が、美しさを詰め込んだ身体だ。イケメンじゃ無かったら何をイケメンって言うんだ?」
「そうだね。そうだよね」
「おい!自分の顔を確認して何か思い出したろ?」
「え?何を?」
「はぁ……全くお前ってヤローは……」
「うん。教えて」
「ったく……スキルだよ!」
「スキル?スキルって、ゲームとかでよくいう、魔法とかさ。剣とかでズバってやる時に使う奴だよね?」
「まぁ。その考え方はあながち間違ってないが、お前が、いや。俺達が神から与えられたスキルは、【スカウター】だ」
「【スカウター】?」
「そうだ」
「相手の強さがわかるってこと?」
「強さだけじゃない。名前。性格。身長。体重。スリーサイズ。好きな者。嫌いな者。経験人数。その他、諸々の情報がわかる」
「それは、すごい!!」
「ただし、発動には条件がある」
「条件?」
「あぁ。スキル【スカウター】を発動できる対象は、女性だけだ」
「女性だけ?他の人には?例えば、魔獣や魔物には?」
「使えない」
「そんなぁぁ」
「使ってみればわかることだ」

 ティムは、トイレから出た。
 トイレから出ると、ちょうど飯所【エッダ】の前で、ウロウロしているザザを発見。

「お姉ちゃん!」

 ティムは、ザザに声をかけた。



 


 

 



 



 
 
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