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No.2 護衛A

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Q、 それではよろしくお願いします。貴方はR氏とはどの様な関係で?

「殿下をR氏などと…!!」

Q、 プライバシー保護の為、本名は伏せているのです。R氏も了承しています。A氏もご協力お願いします。

「殿下…R様が了承したならば。…私はR様が幼少の頃より護衛として側にいる」

Q、………と言う事は、A氏もS令嬢を幼少の頃から知っていると言う事ですね?

「あぁ」

Q、 A氏から見てS令嬢はどんな方でしたか?

「彼女…S令嬢は、幼少の頃より聡明な方だった。その一方で、とても活発で悪戯好きな明るい子供だった」

Q、 活発で悪戯好きですか…。例えばどの様な?

「R様と庭で遊んでいると必ずと言っていい程、虫などを捕まえてR様を驚かしていた。またある時は、庭にある大きな木に登りR様やメイド達を心配させたりしていた」

Q、 それはそれは。とても活発でいらっしゃったのですね!しかし、噂ではS令嬢は聡明で品のある令嬢だと聞いたのですが

「R様と婚約し王妃教育を受けて徐々に立派な淑女へとなっていった。だが、中身は悪戯好きなままだ。偶に、R様や周りの人間を驚かせて楽しんでいたしな」

Q、…それではN令嬢の事はどう思っていますか?

「ナ…N令嬢は見ている者に庇護欲を抱かせる感じの令嬢だと思う。少し抜けていてよく転ぶので目が離せない…そんな感じの令嬢だ」

Q、 確かにそれは庇護欲が掻き立てられますね。女性としては良いですが王妃としてはどう思われますか?

「………」

Q、 あぁ、言いたくないなら無理に言わなくても大丈夫です。ですが、嘘だけは付かないようお願いします。

「………王妃としてならS令嬢が相応しいと思う。だが、私としてはR様にはN令嬢が相応しいと思う。N令嬢といる時のR様は、とても幸せそうに笑うからな」

Q、 そうですか。A氏にとって言いづらい質問をしてしまい申し訳ありません。

「いい。それが仕事だろ?」

Q、 そう言ってもらえると助かります。…あぁ、お時間を取ってしまいすみません。本日の取材は、一旦これで終わりとなります。

「わかった。外まで送ろう」

Q、有難うございます。
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