極妻、乙女ゲームの世界に悪役令嬢として転生しちゃいました!

ハルン

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燦々とした降り注ぐ太陽の光の下で、色とりどりの美しい花や緑が咲き誇り見る者の目を楽しませる。中央には噴水があり、女性の持つ壺から水が湧き出ている。

ーーしかし、それらよりもサーシャの目を引くのは、思い思いのままに美しく着飾った子供達だった。

(子供よ、子供!同い年くらいの可愛い子供達があんなに沢山!)

この台詞だけ聞けば、変態の発言に聞こえてしまうだろう。だが、そんな事が気にならない位にサーシャは興奮していた。

この世に生まれて、早5年。
見目麗しい家族や優しい使用人達に溺愛され、外に出ると言えば庭に出る事を指す様な生活だった。その為、友達と言える存在が居ない…所謂ボッチとして生きて来たサーシャ。そんな彼女の目の前に、長年の夢だった"お友達"になり得る子供達エモノが目の前に沢山いるのだ。興奮するなと言うのが無理な相談だ。

目の前で「キャッキャ!ウフフ」と可愛らしく笑う子供達からサーシャは目が離せない。喘ぐ様な声で、何とか父に話しかける。

「お、お父様….。こ、こ、子供があんなに沢山…!」
「サーシャ、落ち着いて。サーシャの可愛らしい瞳が溢れ落ちそうだよ?ほら、深呼吸して」

父の声に促されるまま深呼吸をして、何とか落ち着いた。そんなサーシャをダリルは、「うちの子マジ天使!」と思ってガン見していた。

「落ち着いたかい?」
「はい。………すみません」
「大丈夫だよ。それよりも、サーシャはそんなにお友達が欲しいのかい?」

その言葉に、サーシャは「首が取れるのでは?」と言う程に激しく首を縦に振る。

「勿論です!私、絶対に今日のお茶会でお友達を最低でも二人はゲットしてみせます!」
「大丈夫。サーシャは可愛いから直ぐにお友達が出来るよ。………ただ、男の子のお友達はまだ早いからね?」

黒い笑顔でそう言ったダリルは、知り合いの貴族に呼ばれてその場を離れた。サーシャは、気合を入れて子供達の集まる場所に向かって歩き出した。


***


???side

その時、その場にいた私を含めた子供達はこのお茶会の場に天使が舞い降りたのかと本気で思った。

(凄く綺麗…)

艶のある黒髪は、高い位置で結ばれ背中で揺れている。宝石の様に煌く青い瞳に雪の様に白い肌。頬と唇はほんのりと色付き可愛らしい。青いドレスを着たその女の子は、まるで教会に描かれている天使の様に可愛らしく、そして綺麗な子だった。

この場に居るのは、一定の位を持つ貴族の子息達ばかり。男の子は剣の話をし、女の子は、自分が如何に可愛いか、どれ程高級なドレスかなどで争っている。そんな場に現れたこの場に居る誰よりも綺麗な天使。

美しい笑みを浮かべて此方にやってくる天使に、この場にいた誰もが見惚れて動く事は出来なかった。

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