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ガダルの自己紹介が終わると、ガダルは直ぐにサーシャ達(厳密にはティミア)の元へとやって来ようとした。
しかしーー。
「初めまして!私、ララといいます!」
「ちょっと、どいてよ!ガダル様!私はアナベルっていいます!」
「私はーー」
「私はーー!」
子供とは言え、歴とした女である貴族の令嬢達があっという間にガダルを取り囲む。そうして、我先にと見目の良い第二王子にアピールを始めた。
「えっ、あ、その…」
いくら俺様なガダルでも、大勢の小さな肉食獣達には敵わなかった。気に入られ様と、我先にと喋る令嬢達の包囲網から逃れられずに慌てている。
「うわぁ~。やっぱり、王子様ってモテるんだね」
ティミアは、そんなガダルを見ながらそんな事を口にする。
「ティミアは、ガダル王子が気になる?」
「気になるかって言われれば、気になるよ。だって、前世では王子様なんて居なかったもん!王子様って、本当にカッコいいんだね」
その言葉に、サーシャはクスッと笑う。
「何言ってるの?ティミアも、すっごく可愛いわよ?」
その言葉に、ティミアは頬を赤く染めながらも嬉しそうに笑う。
「そ、そう?あ、ありがとう…。でも、私よりサーシャの方がずっと可愛くて綺麗だよ。初めて見た時、天使が居るって思ったもん」
その言葉に、サーシャが応えるよりも早く反応した者がいた。
「ティミア嬢は、とてもよく分かっているね。そうとも、私の娘は地上に舞い降りた天使なんだよ!」
それは、親バカのダリルである。
ダリルは、娘が褒められた事に気を良くして自慢げに話をする。
「生まれたばかりのサーシャは、とても神々しい光を放つ、それはそれは可愛らしい赤ん坊でーー」
「そうだったんですね!」
父の話を、ティミアは興奮しながら聞いていた。
(いや、あり得ないでしょう…)
自分は、歴とした唯の人間だ。
確かに、生まれた時は可愛らしかったかもしれないが、神々しい光は放っていないだろう。万が一にもそれが本当なら、それは既に人間の赤子では無い。
「お父様!恥ずかしいから、もうやめて下さい!」
未だ止まらない娘の自慢話を、サーシャはやめる様にと怒る。それに対して、ダリルはまだ言い足りない様に不満顔をする。
「せっかく、此処からが良い所なのに…」
「私の友達に、恥ずかしい事言わないで下さい」
「私のサーシャに、恥ずかしい事など何一つ無い!」
そう言って、自慢げに胸を張るダリル。
そう言う所が恥ずかしいのだと、娘に思われている事に彼は気付かない。
「そうです!サーシャは、完璧な女の子です!」
それに同意するかの様に、ティミアも力強く頷く。
「おぉっ!やっぱり、ティミア嬢は見る目のあるレディーだね。これからも、サーシャをよろしく頼むよ」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
ダリルと意気投合する、何時になく生き生きとした娘をジルロは微笑ましげに見つめていた。
そうして、この日また一人サーシャ大好き人間が増えたのだった。
しかしーー。
「初めまして!私、ララといいます!」
「ちょっと、どいてよ!ガダル様!私はアナベルっていいます!」
「私はーー」
「私はーー!」
子供とは言え、歴とした女である貴族の令嬢達があっという間にガダルを取り囲む。そうして、我先にと見目の良い第二王子にアピールを始めた。
「えっ、あ、その…」
いくら俺様なガダルでも、大勢の小さな肉食獣達には敵わなかった。気に入られ様と、我先にと喋る令嬢達の包囲網から逃れられずに慌てている。
「うわぁ~。やっぱり、王子様ってモテるんだね」
ティミアは、そんなガダルを見ながらそんな事を口にする。
「ティミアは、ガダル王子が気になる?」
「気になるかって言われれば、気になるよ。だって、前世では王子様なんて居なかったもん!王子様って、本当にカッコいいんだね」
その言葉に、サーシャはクスッと笑う。
「何言ってるの?ティミアも、すっごく可愛いわよ?」
その言葉に、ティミアは頬を赤く染めながらも嬉しそうに笑う。
「そ、そう?あ、ありがとう…。でも、私よりサーシャの方がずっと可愛くて綺麗だよ。初めて見た時、天使が居るって思ったもん」
その言葉に、サーシャが応えるよりも早く反応した者がいた。
「ティミア嬢は、とてもよく分かっているね。そうとも、私の娘は地上に舞い降りた天使なんだよ!」
それは、親バカのダリルである。
ダリルは、娘が褒められた事に気を良くして自慢げに話をする。
「生まれたばかりのサーシャは、とても神々しい光を放つ、それはそれは可愛らしい赤ん坊でーー」
「そうだったんですね!」
父の話を、ティミアは興奮しながら聞いていた。
(いや、あり得ないでしょう…)
自分は、歴とした唯の人間だ。
確かに、生まれた時は可愛らしかったかもしれないが、神々しい光は放っていないだろう。万が一にもそれが本当なら、それは既に人間の赤子では無い。
「お父様!恥ずかしいから、もうやめて下さい!」
未だ止まらない娘の自慢話を、サーシャはやめる様にと怒る。それに対して、ダリルはまだ言い足りない様に不満顔をする。
「せっかく、此処からが良い所なのに…」
「私の友達に、恥ずかしい事言わないで下さい」
「私のサーシャに、恥ずかしい事など何一つ無い!」
そう言って、自慢げに胸を張るダリル。
そう言う所が恥ずかしいのだと、娘に思われている事に彼は気付かない。
「そうです!サーシャは、完璧な女の子です!」
それに同意するかの様に、ティミアも力強く頷く。
「おぉっ!やっぱり、ティミア嬢は見る目のあるレディーだね。これからも、サーシャをよろしく頼むよ」
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
ダリルと意気投合する、何時になく生き生きとした娘をジルロは微笑ましげに見つめていた。
そうして、この日また一人サーシャ大好き人間が増えたのだった。
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