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1章
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閉め切った部屋に朝日が差し込む。
その部屋には大きなベッドと小さなクローゼットしか無かった。
「うぅ~ん。おきな…い…と」
そのベッドの住人は小さく呟くと、のそのそと顔を出す。まず初めに夜を閉じ込めた様な艶のある肩下ほどの長さの髪が現れる。そして出て来たのは1人の女性だった。日に焼けていない白い肌。整えられた眉。そして髪と同じ黒い瞳。20~22歳位のごく平凡な彼女。
名はアリア・ダングスマン。
沈黙の森の最深部に立つ小さな一軒家に住んでいる、一人の魔女である。
「あー、眠い。でも今日は、果物取りに行かなくちゃ…」
未だ重い瞼を擦りながらベッドから降り、クローゼットから黒い服を取り出す。着ていた白いワンピースを脱ぐと、もぞもぞと袖に腕を通す。そして、これまた黒いズボンを履くと黒い編み込みブーツをゆっくりと履く。
「まず何か食べよう」
部屋を出て階段を降りキッチンに向かう。火打ち石で火を付けその上にフライパンを乗せる。温まったらベーコンと卵を入れて暫く放置。その間に顔を洗い髪を梳かし上の方で一つに纏める。再びキッチンに戻り火の通ったベーコンと卵を薄くスライスしたパンに乗せて食べる。食べ終わり洗い物を済ませた頃には完全に目が醒める。
「よし!今日は少し遠出した先で見つけた果物を取りに行くか!」
家は周りは森に囲まれた場所にある。此処に住む時に作った畑には色々な野菜が植えられている。丹精込めて育てている野菜達に満遍なく水をあげてから出発する。
***
「おっかしいな~。今日は動物が全然いないや」
普段は所々に鳥やウサギなどの動物がいるのだが、歩いて数十分経っても一向に姿を見ない。
「魔獣が近くに居るのかな?」
もしそうだとしたら可笑しい。普段なら魔獣は此処までやって来ない。此処は私の縄張りだからだ。
「う~ん」
ーードオォーン!!
その時、少し離れた場所から大きな音が聞こえて来た。それは一回だけでは無く、立て続けに何度も聞こえる。
「…誰か戦ってる?」
この森に…こんなに深い場所まで入って来る人なんか殆どいないのだが。不思議に思いつつ、その場所に向かう。
そうして辿り着いたその場所には、一匹のクマに似た2メートル程の魔獣と1人の青年がいた。日の光に反射し輝く金の髪に深い青の瞳のイケメン。手には淡く光を纏う剣を手に持ち目の前の魔獣に対峙している。周りの木々がなぎ倒されているのを見ると此処が音の発生源だろう。
その部屋には大きなベッドと小さなクローゼットしか無かった。
「うぅ~ん。おきな…い…と」
そのベッドの住人は小さく呟くと、のそのそと顔を出す。まず初めに夜を閉じ込めた様な艶のある肩下ほどの長さの髪が現れる。そして出て来たのは1人の女性だった。日に焼けていない白い肌。整えられた眉。そして髪と同じ黒い瞳。20~22歳位のごく平凡な彼女。
名はアリア・ダングスマン。
沈黙の森の最深部に立つ小さな一軒家に住んでいる、一人の魔女である。
「あー、眠い。でも今日は、果物取りに行かなくちゃ…」
未だ重い瞼を擦りながらベッドから降り、クローゼットから黒い服を取り出す。着ていた白いワンピースを脱ぐと、もぞもぞと袖に腕を通す。そして、これまた黒いズボンを履くと黒い編み込みブーツをゆっくりと履く。
「まず何か食べよう」
部屋を出て階段を降りキッチンに向かう。火打ち石で火を付けその上にフライパンを乗せる。温まったらベーコンと卵を入れて暫く放置。その間に顔を洗い髪を梳かし上の方で一つに纏める。再びキッチンに戻り火の通ったベーコンと卵を薄くスライスしたパンに乗せて食べる。食べ終わり洗い物を済ませた頃には完全に目が醒める。
「よし!今日は少し遠出した先で見つけた果物を取りに行くか!」
家は周りは森に囲まれた場所にある。此処に住む時に作った畑には色々な野菜が植えられている。丹精込めて育てている野菜達に満遍なく水をあげてから出発する。
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「おっかしいな~。今日は動物が全然いないや」
普段は所々に鳥やウサギなどの動物がいるのだが、歩いて数十分経っても一向に姿を見ない。
「魔獣が近くに居るのかな?」
もしそうだとしたら可笑しい。普段なら魔獣は此処までやって来ない。此処は私の縄張りだからだ。
「う~ん」
ーードオォーン!!
その時、少し離れた場所から大きな音が聞こえて来た。それは一回だけでは無く、立て続けに何度も聞こえる。
「…誰か戦ってる?」
この森に…こんなに深い場所まで入って来る人なんか殆どいないのだが。不思議に思いつつ、その場所に向かう。
そうして辿り着いたその場所には、一匹のクマに似た2メートル程の魔獣と1人の青年がいた。日の光に反射し輝く金の髪に深い青の瞳のイケメン。手には淡く光を纏う剣を手に持ち目の前の魔獣に対峙している。周りの木々がなぎ倒されているのを見ると此処が音の発生源だろう。
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