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ハルン

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ソフィア学園新聞部(非公式)

2、驚きの記事

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ヒラヒラと空から落ちて来る一枚の紙。

それは、周囲の視線を集めながらゆっくりとアリアナの目の前に落ちる。その紙をアリアナが両手で拾い上げる。

「まぁっ!これは…」

紙に書かれいる内容を読んだアリアナは、驚愕に目を見開き片手で口元を押さえる。しかし、その視線は一枚の紙から離れない。

「おいっ!一体それは何だ!」
「あっ!駄目です…っ!殿下!」

イライラしたレオンが、アリアナから紙を乱暴に取り上げる。呆然としていたアリアナは、慌ててレオンから紙を取り上げようとしたが既に遅かった。

「な、な、なっ…!」

内容を読んだレオンは、驚愕のあまり言葉が出ずに体を震わせる。そんなレオンの腕に、マリアが甘えた声を出しながら抱き付く。

「レオン様~?どうしたんですか?」
「っ…!触るな!」
「きゃっ…!」

そんなアリアを、レオンは乱暴に振り払う。
つい先程まで運命の相手だと言っていたマリアをまるで汚い物を見る様な目で見るレオンに、周囲の生徒達は困惑気に見つめる。

何より、当の本人のマリアが一番困惑していた。

「えっ、えっ?レ、レオン様…?一体、どうしたんですか…?」
「黙れ!この売女が!よくも俺を騙したなっ!」
「な、何のことですか?」
「しらばっくれるな!これを見ろ!此処に全て書かれているぞ!」

レオンがそう言ってマリアに紙を見せた瞬間、空から先程の紙と同じ物が大量に降って来た。落ちて来た手紙を拾った生徒達は、内容を見て驚愕の声を上げる。

「うわっ!」
「マジか」
「なんて破廉恥なのかしら」
「信じられ無い」
「こんな人がこの学園に居るなんて…」

紙には、こう書かれていた。

『衝撃っ!レオン・ログワーナ殿下の運命の相手、マリア・ドナ男爵令嬢の裏の顔!殿下の運命の相手には、複数の相手?殿下の運命は如何にっ!』

そんな大々的な見出しと共に、一枚の写真が写っていた。それは、派手な衣装に身を包んだマリアが数人のガラの悪そうな青年達と楽しそうに身を寄せ合う写真があった。

一人の青年の膝に乗り、他の青年とキスをしそうな程に近い顔。友人というには無理のある恋人の様に親密な接触をしているマリア達の写真。

「なっ、どうして!?誰にもバレる筈が無いのに…!」

そう叫んだマリアだが、次の瞬間にはハッとして口をつぐむ。しかし、既に遅かった。

「やはり、この内容は本当なんだなっ!よくも俺を騙したなぁ!」
「ち、違うんです!こ、これには訳が…」
「一体、何が違うんだ!この売女がっ!二度と俺に近付くな!」

そう叫んだレオンは、呆然とするマリアを無視してアリアナに近付く。

「アリアナ、君があの女を虐めたなんて信じていなかったよ。さっき言った事は、あの女が君を貶めるのを防ぐ為に仕方無く言った事だ。君なら、俺の事を信じてくれるだろ?」

まさかのレオンの言葉に、周囲の生徒達は彼に対して残念な目を向ける。

(まさか、殿下はあんな言い訳で乗り切るつもりなのか?)
(いや、流石にそれは…)
(男として最低ですわね)
(未だ王太子が決定していないのが救いですわね)
(だな。もし殿下が王太子だったら、俺は国を出る事を考えるよ)

「さぁ、アリアナ!二人でこの女を直ぐに学園から追い出して、将来の事について話し合おう!」

生徒達のヒソヒソとした声は、レオンには届かなかった様だ。レオンにそう言われたアリアナは、美しい笑みを浮かべて答えた。



「殿下は、頭がおかしいんでは無いですか?」

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