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番外編3 日常に還る
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朝起きたら「おはよう」、夜眠るときは「おやすみ」、食前には「いただきます」、そして食後には「ごちそうさま」を。
近頃、自身のことを『シュテルンの恋人』だとメランガ中に言いふらしている女は、そんなあいさつにうるさかった。
『シュテルンの猫』を『シュテルンの恋人』に変えたところで、一体何が違うというのか。シュテルンには理解し難いが、「気分の問題よ!」とこぶしを高々と天に突き上げて言い張る女——ナギの好きなようにさせておいた。
要するに、シュテルンは何もしなかっただけだ。
「おはようー」
「ああ」
「ああ、じゃないでしょーが。おはよう」
憮然とした顔で黙っていれば、誰しも諦めるものだ。いや、諦める前にシュテルンの顔に脅える奴がほとんどだった。
ベッドに腰掛けたシュテルンの両頬を、ぐいっと横に引っ張りながら「お、は、よ、うー」と凄む女は、ナギくらいしかいない。
「お」というシュテルンの第一声に喜びそうになったところで、続く第二声の「お」にがっくりと肩を落とす。
「おお、じゃないっ!」
「まったくもう」と、頬から離した右手でシュテルンの頭頂をチョップして、ナギはシュテルンに背を向けた。
シュテルンが思わず片手で自身の口を覆い、肩を震わせて笑っている姿は、きっとナギには見えていないだろう。
——本当に、面白い女だ。
「はい、ご飯出来たから運んで」
トレイに載った朝食は、白飯と野菜どっさりの味噌汁、大根おろしを添えた焼き鮭、きんぴらごぼうにフルーツヨーグルト。シンプルだが朝食としてはまあまあ栄養バランスがよいのだと、何も言わないシュテルンにナギがそう説明した。
栄養バランスは1日単位で考えた方がいいから、この朝食だけでどうこうってわけじゃないとか何とか続けるナギに、シュテルンは特に感想はない。シュテルンは、用意されたものを食べるだけだ。
「いただきます」
両手を胸の前で揃えてそう言ったナギが、チラリとシュテルンを見た。
それを真似て、胸の前で手を合わせたまではいい。続く言葉を口にしてみようとしたシュテルンだったが、うまく声は出なかった。
「さ、食べよ食べよ。あったかいうちにね」
口うるさいが、諦めはいい。何か察しているのか、それともシュテルンが手を合わせただけで喜んでいるのか、きっと後者なのだろうとシュテルンは思う。また次に食卓を共に囲むときには、同じようにあいさつを求めるのだろうが、シュテルンはそれが嫌ではなかった。
シュテルンの部屋で料理をするようになったナギのせいで、キッチン周りには急激に物が増えている。
何もないすっきりした部屋こそ、シュテルンがこだわるべきものだと言ったのはトシェだ。男の浪漫だ何だと、シュテルンにそんなこだわりなどないことを、トシェは分かっているに違いないのに、わざわざそんなことを声高に言うのは、おそらくナギにそう思い込ませようとしているのだろう。
トシェが小賢しくシュテルンからナギを引き離そうとしているのは、暇つぶしのつもりなのか、それとも他に企みでもあるのか。何にせよ、シュテルンからすれば目障りだ。
「殺るか……」
「え?」
「いや? 何でもない」
無意識に声に出ていたらしい、トシェに向けた言葉を、シュテルンは無かったことにした。放っておいても大した害にはならないだろうし、何よりトシェに関わるのは面倒くさい。シュテルンはそう判断した。
「ね、今日の予定は?」
「あん?」
シュテルン率いるメランガ軍の本日の任務は、ラオン国の北に位置するガビン山での害獣駆除だ。
メランガ軍が、ラオン国に気付かれないようにこっそり切り拓いたその交易路は、今ではラオン国民を含め、通行料さえ払えば誰でも通れる立派な道となっている。
その道の問題点の一つが、いつまで経っても害獣が多く出てくることだった。
「夕方までには戻る」
「ふーん。あ、私は夜まで食堂にいるから、夜は食堂に来れば?」
「まあ、適当にな」
「あー、はいはい」
ナギの返答も適当だったが、それはシュテルンの返答で、今夜は食堂に来ないことが分かったということだ。
血まみれになるのが分かりきった任務のあと、食堂でナギに会うのは得策ではない。ナギもそれは嫌がるだろう。
だがわざわざシャワーを浴びてから食堂に戻るのは、シュテルンが面倒くさい。そしてナギは、シュテルンが「面倒くさい」と思っていることに、きっと気がついているのだ。
先ほどの雑なやりとりで、シュテルンの夕食は部屋に用意されることになる。
以前、「そんなに手を掛けずとも、自身で飯ぐらい食える」と言ったら、「せっかく食堂で働いてるんだから、シュテルンのご飯を用意するくらいの特権はあって当然」だと返された。
特権の使い方を間違えている気はするが、シュテルンは結局ここでも、ナギのやりたいようにさせている。
——岩盤浴でもしながら、待つか。
すっかり使わなくなった風呂を改装して、岩盤浴なんてものにしたのは、つい最近のことだ。
「もったいない」とナギは怒ったが、「そのうち使えるようになるかもしれないのに」と言われても、今使えるもののほうがいいに決まっている。
怒りながらも、嬉しそうだったナギを思い出して、シュテルンの頬が無意識に緩んだ。
「あれ? 鮭、そんなに好きだったっけ」
ナギの頬が紅いのはなぜか。焼き鮭にかじりつきながら考えたが、シュテルンには分からなかった。
ただ赤面したナギは、シュテルンの胸をざわざわさせる。ふとナギの口元についたご飯つぶに気がついて、無言でそれを取って食べると、ナギが耳まで赤くなった。
「何だ、その顔は。朝から誘惑するな」
「ゆっ、誘惑なんかしてないっ!」
もうシュテルンの方を見ないことにしたらしく、味噌汁を啜っているナギをしばらく眺めていたシュテルンは、衝動のままにナギの頬に手を伸ばした。その頬の柔らかさを、シュテルンは知っている。その黒い瞳に自身が映ったときの密やかな高揚感も、シュテルンは知っているのだ。
「ご飯食べてるときに遊ばないの」
シュテルンの手をぺちっと払ったナギに、シュテルンは目を丸くした。「もー、子供じゃないんだから」と言われて、シュテルンは自身の口を片手で押さえた。
——ああ、本当に、今日も面白い女だ。
シュテルンを子供扱いする女など、ナギの他にあろうはずもない。払われた手で箸を持ち直して、シュテルンは穏やかに微笑った。
『シュテルンの猫』、『シュテルンの彼女』。今は大多数のそんな呼び名が、いつかそう遠くない未来に『ナギの猛獣』、『ナギの恋人』にとって代わる日が来るかもしれない。それがシュテルンには、ひどく楽しみなことに思える。
シュテルンの記憶にないほど昔、シュテルンに箸の持ち方を教えようとした母親がいた。交わした覚えのない数々の日常のあいさつが、どこか懐かしいような気がするのは、手が覚えていた正しい箸の持ち方と同様に、耳や口が覚えているからかもしれない。
「ごちそうさま」と、まだ声に出すことは出来なくても、両手を合わせたシュテルンに、ナギが満足そうな笑顔を向けた。
「ごちそうさまでした」
そう言って手を合わせたナギが、早々に片付けを始めるのを見守っていると、「ほら、自分の分は自分で運んで」とナギに怒られた。
ついにくつくつと声を上げて笑ってしまったシュテルンを、ナギが不思議そうな顔で振り返る。
「何笑ってるの? ほら、早く片付けるよ。今日もお互い忙しいんだからね」
シュテルンは、自身が笑い上戸だと思ったことは無かった。だがナギの側にいると、笑わずにはいられないといった状態に陥ってしまうことがある。
今も「ああ」と答えながらも、食器の載ったトレイを持つシュテルンの手は、笑いのために震えが止まらない。
日々のあいさつも健康的な食生活も、シュテルンには縁遠いものだった。物心つく前に失い、懐かしむこともなかったもの。
ナギと共にやってきた新しい生活に、シュテルンは大した抵抗もないまま、すっかり馴染んでしまった。
——こんな日が続くなら、百まで生きてみるのも悪くないかもな。
食器を流しに置いたシュテルンは、ナギの手が塞がっているのをいいことに、その唇に触れるだけの接吻を落とす。その接吻は、味噌汁の味がした。
近頃、自身のことを『シュテルンの恋人』だとメランガ中に言いふらしている女は、そんなあいさつにうるさかった。
『シュテルンの猫』を『シュテルンの恋人』に変えたところで、一体何が違うというのか。シュテルンには理解し難いが、「気分の問題よ!」とこぶしを高々と天に突き上げて言い張る女——ナギの好きなようにさせておいた。
要するに、シュテルンは何もしなかっただけだ。
「おはようー」
「ああ」
「ああ、じゃないでしょーが。おはよう」
憮然とした顔で黙っていれば、誰しも諦めるものだ。いや、諦める前にシュテルンの顔に脅える奴がほとんどだった。
ベッドに腰掛けたシュテルンの両頬を、ぐいっと横に引っ張りながら「お、は、よ、うー」と凄む女は、ナギくらいしかいない。
「お」というシュテルンの第一声に喜びそうになったところで、続く第二声の「お」にがっくりと肩を落とす。
「おお、じゃないっ!」
「まったくもう」と、頬から離した右手でシュテルンの頭頂をチョップして、ナギはシュテルンに背を向けた。
シュテルンが思わず片手で自身の口を覆い、肩を震わせて笑っている姿は、きっとナギには見えていないだろう。
——本当に、面白い女だ。
「はい、ご飯出来たから運んで」
トレイに載った朝食は、白飯と野菜どっさりの味噌汁、大根おろしを添えた焼き鮭、きんぴらごぼうにフルーツヨーグルト。シンプルだが朝食としてはまあまあ栄養バランスがよいのだと、何も言わないシュテルンにナギがそう説明した。
栄養バランスは1日単位で考えた方がいいから、この朝食だけでどうこうってわけじゃないとか何とか続けるナギに、シュテルンは特に感想はない。シュテルンは、用意されたものを食べるだけだ。
「いただきます」
両手を胸の前で揃えてそう言ったナギが、チラリとシュテルンを見た。
それを真似て、胸の前で手を合わせたまではいい。続く言葉を口にしてみようとしたシュテルンだったが、うまく声は出なかった。
「さ、食べよ食べよ。あったかいうちにね」
口うるさいが、諦めはいい。何か察しているのか、それともシュテルンが手を合わせただけで喜んでいるのか、きっと後者なのだろうとシュテルンは思う。また次に食卓を共に囲むときには、同じようにあいさつを求めるのだろうが、シュテルンはそれが嫌ではなかった。
シュテルンの部屋で料理をするようになったナギのせいで、キッチン周りには急激に物が増えている。
何もないすっきりした部屋こそ、シュテルンがこだわるべきものだと言ったのはトシェだ。男の浪漫だ何だと、シュテルンにそんなこだわりなどないことを、トシェは分かっているに違いないのに、わざわざそんなことを声高に言うのは、おそらくナギにそう思い込ませようとしているのだろう。
トシェが小賢しくシュテルンからナギを引き離そうとしているのは、暇つぶしのつもりなのか、それとも他に企みでもあるのか。何にせよ、シュテルンからすれば目障りだ。
「殺るか……」
「え?」
「いや? 何でもない」
無意識に声に出ていたらしい、トシェに向けた言葉を、シュテルンは無かったことにした。放っておいても大した害にはならないだろうし、何よりトシェに関わるのは面倒くさい。シュテルンはそう判断した。
「ね、今日の予定は?」
「あん?」
シュテルン率いるメランガ軍の本日の任務は、ラオン国の北に位置するガビン山での害獣駆除だ。
メランガ軍が、ラオン国に気付かれないようにこっそり切り拓いたその交易路は、今ではラオン国民を含め、通行料さえ払えば誰でも通れる立派な道となっている。
その道の問題点の一つが、いつまで経っても害獣が多く出てくることだった。
「夕方までには戻る」
「ふーん。あ、私は夜まで食堂にいるから、夜は食堂に来れば?」
「まあ、適当にな」
「あー、はいはい」
ナギの返答も適当だったが、それはシュテルンの返答で、今夜は食堂に来ないことが分かったということだ。
血まみれになるのが分かりきった任務のあと、食堂でナギに会うのは得策ではない。ナギもそれは嫌がるだろう。
だがわざわざシャワーを浴びてから食堂に戻るのは、シュテルンが面倒くさい。そしてナギは、シュテルンが「面倒くさい」と思っていることに、きっと気がついているのだ。
先ほどの雑なやりとりで、シュテルンの夕食は部屋に用意されることになる。
以前、「そんなに手を掛けずとも、自身で飯ぐらい食える」と言ったら、「せっかく食堂で働いてるんだから、シュテルンのご飯を用意するくらいの特権はあって当然」だと返された。
特権の使い方を間違えている気はするが、シュテルンは結局ここでも、ナギのやりたいようにさせている。
——岩盤浴でもしながら、待つか。
すっかり使わなくなった風呂を改装して、岩盤浴なんてものにしたのは、つい最近のことだ。
「もったいない」とナギは怒ったが、「そのうち使えるようになるかもしれないのに」と言われても、今使えるもののほうがいいに決まっている。
怒りながらも、嬉しそうだったナギを思い出して、シュテルンの頬が無意識に緩んだ。
「あれ? 鮭、そんなに好きだったっけ」
ナギの頬が紅いのはなぜか。焼き鮭にかじりつきながら考えたが、シュテルンには分からなかった。
ただ赤面したナギは、シュテルンの胸をざわざわさせる。ふとナギの口元についたご飯つぶに気がついて、無言でそれを取って食べると、ナギが耳まで赤くなった。
「何だ、その顔は。朝から誘惑するな」
「ゆっ、誘惑なんかしてないっ!」
もうシュテルンの方を見ないことにしたらしく、味噌汁を啜っているナギをしばらく眺めていたシュテルンは、衝動のままにナギの頬に手を伸ばした。その頬の柔らかさを、シュテルンは知っている。その黒い瞳に自身が映ったときの密やかな高揚感も、シュテルンは知っているのだ。
「ご飯食べてるときに遊ばないの」
シュテルンの手をぺちっと払ったナギに、シュテルンは目を丸くした。「もー、子供じゃないんだから」と言われて、シュテルンは自身の口を片手で押さえた。
——ああ、本当に、今日も面白い女だ。
シュテルンを子供扱いする女など、ナギの他にあろうはずもない。払われた手で箸を持ち直して、シュテルンは穏やかに微笑った。
『シュテルンの猫』、『シュテルンの彼女』。今は大多数のそんな呼び名が、いつかそう遠くない未来に『ナギの猛獣』、『ナギの恋人』にとって代わる日が来るかもしれない。それがシュテルンには、ひどく楽しみなことに思える。
シュテルンの記憶にないほど昔、シュテルンに箸の持ち方を教えようとした母親がいた。交わした覚えのない数々の日常のあいさつが、どこか懐かしいような気がするのは、手が覚えていた正しい箸の持ち方と同様に、耳や口が覚えているからかもしれない。
「ごちそうさま」と、まだ声に出すことは出来なくても、両手を合わせたシュテルンに、ナギが満足そうな笑顔を向けた。
「ごちそうさまでした」
そう言って手を合わせたナギが、早々に片付けを始めるのを見守っていると、「ほら、自分の分は自分で運んで」とナギに怒られた。
ついにくつくつと声を上げて笑ってしまったシュテルンを、ナギが不思議そうな顔で振り返る。
「何笑ってるの? ほら、早く片付けるよ。今日もお互い忙しいんだからね」
シュテルンは、自身が笑い上戸だと思ったことは無かった。だがナギの側にいると、笑わずにはいられないといった状態に陥ってしまうことがある。
今も「ああ」と答えながらも、食器の載ったトレイを持つシュテルンの手は、笑いのために震えが止まらない。
日々のあいさつも健康的な食生活も、シュテルンには縁遠いものだった。物心つく前に失い、懐かしむこともなかったもの。
ナギと共にやってきた新しい生活に、シュテルンは大した抵抗もないまま、すっかり馴染んでしまった。
——こんな日が続くなら、百まで生きてみるのも悪くないかもな。
食器を流しに置いたシュテルンは、ナギの手が塞がっているのをいいことに、その唇に触れるだけの接吻を落とす。その接吻は、味噌汁の味がした。
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