烏木の使いと守護騎士の誓いを破るなんてとんでもない

時雨

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第24話

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「イレーネお迎え来たわよ」
「ありがとうございます、今行きます!」

 あっという間に夕方となり早上がりの職人が退社を始めたなとは思っていたがもうそんな時間だったとは、ヴィルヘルムを待たせては悪いと思い焦りつつエプロンを外して退社の挨拶をしながら荷物をまとめて足早に受付に向かう。
「ごめんお待たせ!」
 受付から顔を出し工房の入り口へ声をかけるとそこには見慣れた落ち着いた金髪ではなく、くすんだ黄緑に近いグリーンの髪を肩の下まで伸ばし騎士服に身を包んだ青年が笑顔で片手を上げていた。

「イレーネさん!お疲れ様ですヴィルヘルムの同期でローレンツです、今日の迎えは私です!」
 ニコリと音のしそうな眩しい笑顔で言われたが、その視線はオレではなく若干オレの隣に立つヘレナさんに向けられているのは気のせいだろうか?彼の事は詰め所で一度会っただけだがよく覚えていた、あの時真っ先に臆面なくヴィルヘルムに結婚が羨ましい!と叫んでいた気さくな同期の人だったはずだ。ただ先日はもっと砕けた態度のように思ったが。

「ヴィルヘルムと団長がどうしても手を離せないとの事で不肖このローレンツが!イレーネさんを商店とお家へお送りしますのでご安心ください」
「あ……ありがとうございます、それじゃあヘレナさんお先に失礼します」
 朝あれだけ降っていた雨もすっかり止んでいて、ローレンツさんが開けてくれた扉からは所々水溜まりが出来た道が覗いていた。
「ヘレナさん是非また!」
 扉を開けてくれたものの中々出発しようとしない彼に呆れながら振り返ると、やや呆れ顔でこちらを見たヘレナさんが手を振っていた。


「いや~来てみるもんですね!やっぱり出逢いは詰め所の外にあったんですよ!」

 家とは逆の方向にある食料品を売る商店への道を進みながら、隣を歩くローレンツさんは工房を出てからずっとこの調子で浮ついている。忙しいヴィルヘルムに代わってオレを迎えに来つつ、明日の休日にローレンツさんとあと2人がオレの作る夕食を食べに来たいという話をわざわざ伝えに来てくれたらしい。買い足すであろう食料品の荷物持ちとしても派遣されたという事らしい。らしいというのも彼の“出逢い”とか“運命”とかの言葉の合間に入った話を統合して考えると、どうやらそういう事らしいと勝手に理解しただけだが。

「あのなんなんですか先程からの、その運命とか出逢いって話……」
「よくぞ聞いてくれました!!もちろん先程のヘレナ嬢の事ですよっ!!」

 予想通りの言葉に半ば呆れつつ同時に素直過ぎる彼に感心すらした。

「えーと貴方とヘレナさんとは初対面なんですよね?」
「そうです!ですが先程運命的な出逢いが出来ました!我々を巡り合わせて下さってありがとうございますイレーネさん!!」
 くすんだ薄緑の髪を掻き回すように後ろ頭に手を当て照れたように笑う彼に、呆れて絶句していると聞いてもいないのにオレが出てくるまでヘレナさんと自分がどんな話をしていたかについて事細かく話始めた。曰く天気の話から入り、毎日律儀にオレの送り迎えをするヴィルヘルムはとんでもなく過保護だという話で意気投合したという事だった。勝手に同僚のナンパの口実にされたヴィルヘルムに同情しつつ、オレが別れ際に見たヘレナさんの引きつった表情から推測するに意気投合したと思っているのはローレンツさんだけのような気がする。
「今度から俺がヤツの代わりに貴女を迎えに来れないか交渉してみますね!そうすれば自然にヘレナさんとの仲を深められますもんね!!」

「はぁ……あ!あれが商店ですか?」
 このままではヘレナさんとの間を取り持ってくれだの面倒な事になりそうだったので、なんとか話題を逸らせてみた。
「ええ、この辺りでは1番大きめの人気のバザールですよ!」
 確かに何度か行った例の食料店が町の八百屋規模だとすると、こちらはその5倍程度の敷地の小さなスーパーマーケットのような規模だ。オレとヴィルヘルムの他に3名分の夕食という事はかなりの材料が必要になるので、隣で先程出会ったばかりのヘレナさんについて語り続けるローレンツさんには適当に相槌を打ちながら頭の中の献立に合わせて材料を選んでいく。まずは手近にあったのでサラダ用にマイモナという野菜を手に取ると、ヘレナさんの栗色の髪色について褒め称えていたローレンツさんが急に気が付いたようにオレが手に取った野菜を受け取り隣に置いてあった別の物と入れ替えた。

「マイモナは外側の葉は美味いんですが中央の芯の部分を見て、黄色くなっていれば中の葉まで軟らかくなっているのでこちらの方が美味いですよ!」
 彼が新しく持っているマイモナを見ると確かに先程オレが選んだ物よりも綺麗に芯の部分が変色していた。
「ローレンツさんは料理をするんですか?」
 今のところ彼に対してはやや軽薄なイメージがあった為、野菜を選んだ真剣な眼差しに若干の違和感を覚えてしまった。
「俺、実家が野菜農家なんです!今でも田舎帰ると手伝ってますから!」
「あっそれで……」
 納得し他の野菜も鮮度を見分けるポイントを聞きながら選んでいった、肉や魚についてもオレよりは買い物に慣れているようで手早く目当ての物を見付けてくれた。

「料理も嫌いじゃないのでヘレナさんにはその辺も売り込みお願いしますねっ!!」
 会計をしてくれながらさり気なくオレにそう頼み荷物を抱える姿に毒気を抜かれつつ、彼はそこまで軽い人間でもないのかもしれないなと思い直した。家に向かいましょうと言う彼に従って歩き出そうとしたが、バザールというだけあって食料品店の周りにはいくつもカラフルなパラソルの下で雑貨や生活用品を売る出店があり、その内の1軒が目に留まった。

 シンプルなデザインの様々なブローチが並べられている、先日他の店の店頭で見掛けたような煌びやかな如何にも女性用の物ではなく恐らく男性用だ。元の世界にいた時も時計のデザインは勿論だが服飾全般のデザインについて興味があった為、時間があれば街のショップを冷やかしたり専門誌を見るのが趣味のような物だった。

「いらっしゃい、ゆっくり見てってくださいネ」
 細々とした品々に夢中になっていたので前方から声を掛けられ初めて顔を上げると、そこには今までこの町では見かけなかったタイプの男性が座っていた。
 歳はオレと同じ位か少し若いかもしれない中東の美形とでも言うのだろうか、健康的なこんがりと焼けた小麦色の肌に印象的な宝石の様なエメラルドの瞳と癖のついたクリーム色の髪は全て後ろに流していて精悍な顔がよく見えた。彫りが深く額と目元の高低差が大きい、商人であるはずだが布の量の多いゆったりとした服の上からでもオレの隣に立つローレンツさんと変わらない位の体付きである事が分かる。威圧感というかそこにいるだけで不思議なオーラがある店主だった。

「贈り物ですか?」
「いえそういう訳ではないのですが、すみません見ていただけで……」
 優しい声色の低い声で問い掛けられてやや気後れしてしまったが、確かに自分用というよりはヴィルヘルムのマントを飾るのに良さそうな物が幾つか目に留まった。シンプルなマントの留め具に王立騎士団のブローチではなんとなくバランスが悪いような気がしていたのでやや横長のデザインの物を間に飾るのはどうだろうかと真剣に見てみる事にした。
「そうですね貴方にはもっと華やかなデザインが相応しいですネ」
 商売人としてのサービスの笑顔と分かっていても人好きのしそうな笑顔を向けられると、不意にドキリとしそうになる。大変余計な世話かもしれないがこの人は男性用の装飾品ではなく女性向けのアクセサリー販売に転向すれば、すぐに立派な店を持てる位儲かりそうに思う。彼がお似合いですよと見立てればいくらでも女性客に人気が出そうだが……。
「イレーネさん!流石に俺も詰め所に戻る時間なのでそろそろ戻りましょう!」
 既に先に歩き出し振り返ってオレを待つローレンツさんを追い掛ける為に、店頭を見せてもらったお礼を言って彼を追い掛けた。


 家の前でローレンツさんにお礼を言って別れ、洗濯物を取り込み今夜の食事の用意をしてヴィルヘルムの帰りを待つ。オレの迎えにも来れなかったという事は相当立て込んでいたのだろう、迎えもわざわざ同僚にまで頼んでくれなくても1人で帰宅するぐらい問題ないと思うのだが……今日は大量の買い物もあったので助かったのは事実だ。

 野菜炒めとスープを後は温めれば良いだけの状態にして楽な服装に着替えてからソファーに落ち着いた、今日帰りに見た露店のブローチを思い出しいくつか時計のデザインのアイディアにも共通しそうな物もあったのでヘレナさんにもあのお店を知っているか聞いてみようと思った。またヴィルヘルムになにかプレゼントしようにもまだ2日に1度貰っている工房からの手当てでは、一番シンプルなデザインの物しか買えそうになかった。いつか今まで借りたお金も彼に返したいとは思っていたが、それとは別に今自分が出来る限りの範囲で日頃の感謝を伝えられるようなプレゼントを用意出来れば良いなとは思っていた。今日の店を改めて見てみて予算が足りなければ何か自作で作るのも良いかもしれない。

「ただいまイツキ」
「あっ!おかえり」
 彼が帰宅した音にも気が付かず考え込んでいた事に気が付いて、慌ててキッチンへ向かい食事の準備を始める。いつもならすぐに着替えに寝室へ上がるヴィルヘルムが珍しくそのままキッチンに入って来たので手を止めて振り返る。

「イツキ今日は迎えに行けずすまなかった」
「いやいや良いって!というか工房まで近いんだしそんな送り迎えなんて良いからさ」
「そういう訳にはいかない、窮屈だろうが我慢してくれ」
 歩いて10分も掛からない道程を送り迎えしたがる彼が、両方の職場でなんと言われているか彼は分かっているのだろうか。

「過保護だって今日もローレンツさんが言ってたぞ」
「……余計な事を」
 珍しく悪態をつくヴィルヘルムに相当同期とは打ち解けた関係らしいと微笑ましくなった。
「そもそも今日はローレンツさえ手を抜かなければ私に残業が回って来る事もなかった、その上調子の良い事を言ってイツキの迎えにまで……」
 珍しく眉間に大きく皺の寄ったヴィルヘルムに苦笑しながら、まぁまぁと彼の肩を叩き着替えてくるように促した。相当ストレスが溜まっているようだが、確か彼は明日の半日勤務が終われば明後日は珍しく終日休みと聞いていたので後半日頑張れば休みだぞと励ましてみよう。


 食事を終えて昨日焼いたチーズケーキの残りを出すとヴィルヘルムの瞳がキラキラと輝いたので、やはり結構甘党だなと思いながらお茶を淹れ直す。食事も辛すぎる料理は余り得意ではないようだし酒は嗜む程度らしい、今まで酒を呑むところを見た事がないのでそこまで好きではないようだ。
「明日はすまない……ローレンツから聞いたと思うが3人も来ては大変だろう?」
「いいよヴィルヘルムの役に立てるなら、それにオレの料理を食べてみたいっていうのは社交辞令じゃなくて本当らしいし」
 ちょっと気合いが要りそうだが明日は朝から時間があるので普段サボっている家事を片付けつつ、早くから準備をすればなんとかなるだろう。

「それに今日はローレンツさんが食材選びまで手伝ってくれて面白かったんだ」
 どんな料理を作るか説明したら見事に最適な材料を選り分けてくれて、あんなに手際が良いならまた買い物に付き合ってもらうのも良いかもしれないと思わず笑うと、複雑な顔をしたヴィルヘルムがやれやれと首を振った。
「今後からはアイツが何と言おうと私が行こう」
 決意を固めたようなヴィルヘルムの様子を見て、ヘレナさんに会う為にオレの迎えに来たがっているローレンツさんの希望は伝えられそうになかった。

 オレは休みだが明日も早くから仕事に出るヴィルヘルムの為にも片付けを済ませて彼に入浴を勧め、自分は間もなく完成となる大きな置き時計のデザインについて今日見たばかりの露店に並べられていたブローチから得たイメージを発展させスケッチをしておく。ソファーで寝そべりながらいくつかパターン出しをして、少し実現の難しそうな物まで一応書き留めておく。露店の店主である異国風の男性が着ていた布の多い服にも今まであまり見掛けた事のない染文と刺繍がされていて、もちろん細部までは思い出せないがその雰囲気のみいつか何かに使うかもしれないと描いておく事にする。

 色々と思い付くまま書き留めていると、ふとここ数日考えないようにしていても頭から離れない親友に宛てた手紙について思い至った。
 返事は初めから期待していなかった、期待していなかった筈なのにヴィルヘルムのお姉さんから返事が届いた時、無事で良かったなという気持ちと共に本当に相手に届いているならオレにも返事が届くかなと期待してしまっている自分に気が付いた。

 もし届いているならオレが元気でいる事が耕平に伝わっただろうし、夢で見たようにあいつがオレの為に泣いているなら少しは慰めになった筈だ。それだけで良かったのに返事まで欲しいなんて贅沢だよなと思いながら、もしこの世界に神様のような精霊が本当にいるなら国どころか世界も跨ぐ事になるけどオレの手紙も届けて返事を貰って来てくれたら、他には何もいらないなと思った。

 満腹感からか次第に眠気が強くなってきて、筆を握ったままいつの間にか眠りについていた。


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