烏木の使いと守護騎士の誓いを破るなんてとんでもない

時雨

文字の大きさ
47 / 75

第38話

しおりを挟む



「問題は取引の場所と移動手段ですね」

 話を続けるローレンツさんが大きな地図を机の上に広げた。
 この町と恐らく山奥の教会の場所が目立つ色のインクでマークされている。

「今までもっと山奥で潜伏していた所をここ数日で急にあの廃墟へ移動したそうですから、恐らくこの町の付近が引き渡し現場である事は間違いないと思われます」
 “この町の付近”と言いながらローレンツさんが地図上を指でなぞった範囲は大きく、町の外は野原や山と海や川まで含まれていて全てを見回る事は難しそうだ。

「幸いジャミエルトさんの腕輪があります、動きがあればある程度の範囲ではありますが特定は可能です。ただし後手に回るのは必須ですね……」

「国境沿いまで出て来た所を見るとこの町で“帝国から攫ってきた人間”を王国に、“王国で攫った人間”を帝国に売り払うものかとも思ったが……」
 顎に手をやり思案顔の団長さんに頷いたローレンツさんが話を引き継ぐ。

「今までそのような流れがあった痕跡は掴みましたが、両国から攫った人間を一ヵ所に集める利点がありません……大所帯ではそれだけ見付かる危険が高まります」

 あれだけの人数を一体どこでどうやって誰に売り渡すつもりなのか…、この町に出入りする大型の荷車や倉庫を持った商人や後ろ暗い商売の人間の動きは特に注意をして洗い出しをしたそうだが、有力な情報は集まっていないらしい。
「王国の人も帝国の人も一緒に買うような人間か……」
 国に縛られないような団体でもあるのだろうか?それこそオレが苦手な教会なら、国境など関係なく活動が出来ると聞いているが……。


「ありますヨ、王国も帝国も気にしない買い取り先」

「なんだって?」
「何処だ!?」
 ジャミエルトさんの言葉に急に席を立った団長さんとローレンツさんの勢いに驚いたが、余裕のある笑顔を浮かべたジャミエルトさんには全く驚く様子はない。

「ここは帝国と王国だけの“国境沿い”ではないというコトです」
 そう言って彼の綺麗な指先が指し示したのは、この町の東側……そこに広がる大きな海を渡った先の別の大陸の大きな国だった。
「そうか!シュクルディア共和国か!!くそっ最近は大人しくしてるとばかり思ってたが……」

「団長!共和国からは例年より多くの船が、光の大祭の為に滞在しています!」
 横手に寄せられていた書類の束から数枚取り出したローレンツさんが、その中から2枚の紙を地図の上に置いた。どうやら船舶のリストのようで途中から地図にあるのと同じ国名の書かれた船が、ざっと見ただけで100隻以上ある。

「共和国だけでこの数ですから、他の国との連盟での登録船舶を入れると……総当たりしている時間はないですね」
 連盟での登録の船もピックアップするべく書類を捲るローレンツさんの様子に、せっかく可能性は絞れても確信には遠い事を知る。沢山の人間を目立たずに乗せられる船となるとある程度数を絞れるとの事だが、その確認作業だけでも随分時間が掛かりそうだ。

「連中が目立たず動き出せる夜まではまだ時間がある、俺は直接港で確認してくから何人か寄こしてくれ」
 早速団長さんの指示を後方で控えて聞いていた団員さんが、慌ただしく玄関へ向かった。詰め所へ応援を呼びに行くのだろう。ローレンツさんが船のリストに手早く印をつけて団長さんに渡した。
 俄かにその方向で行こうと椅子から立ち上がりかけた一同に、オレは焦って声を掛けた。

「あの!オレもなにか手伝いが出来ませんか!?」

 団長さんは無言でオレの頭をフードの上から子どもにするように撫でると、ソファーに座るエルミアさんとヴィルヘルムの様子を見に行った。助けを求めるようにローレンツさんを見ると、彼も困った顔をしている。
「イツキさん、良ければアイツの傍にいてやってください」
「でも……」
 ヴィルヘルムの様子を看ていたいのは山々だが、お姉さんであるエルミアさんの治療を受ける今、オレになにか出来る事があるとは思えない。それよりも怪しい船を手分けして見て回れるのであれば手伝いがしたい。もっとも騎士団からしたらほぼ部外者のオレに手伝い等させられない事もよく分かる。

「イツキをつれて行くと良い、カレだから気付くコトもあるでしょう」

 思わぬ方向からの援護にジャミエルトさんを見てから、ローレンツさんと団長さんの背中を交互に見た。部屋を出て行き掛けていた団長さんが仕方なさそうに振り返り、ジャミエルトさんを軽く一瞥した後にオレに向き直った。
「……俺達は一度詰め所へ戻って態勢を整える、昼には迎えに来るからな」

 心底仕方ないといった感じのオスカー団長にお礼を言うと、ジャミエルトさんやローレンツさんも一緒に行くようで静かに控えていた騎士団の団員さんも詰め所へ戻るそうだ。
 エルミアさんの様子が気になったが、自分は大丈夫だから休んでほしいと言われて急に身体を重く感じる事に気が付いた。
 オスカー団長にも濡れた服を着替えて休んでおくように言われ、玄関で見送りをしてからエルミアさんに後で交代すると約束してからゆっくりと2階へ上がった。

 まさかジャミエルトさんが味方になってくれるとは思わなかった。
 そもそも彼については謎が多過ぎるが、団長さんやローレンツさんが信用しているのならオレから何も言える事はないだろう。シュテファンさんに鬘や眼鏡を渡したままなので、着慣れた生成りのトレーナーに袖を通しよもぎ色のベストとズボン、共色の帽子をしっかりと被った。
 ジャミエルトさんの言葉に渋々従った団長さんの態度も気になったが、とにかく全身の疲労感がすごい。1日くらいの徹夜なら大した事ないと思っていたが、昨日から緊張続きだった事もあるが特に真夜中の山登りの往復と川下りは体力的にも限界だった。魔法を使った直後は体力とは別の独特の疲労感があったが、今は感じない。そういえば魔法を使えた事も団長さんやローレンツさんに報告する必要があったが、目が覚めてから考える事にする。

 せっかくベッドで眠るなら出掛ける服に着替えるべきではなかったかもしれない。
 倒れ込むようにベッドに沈み込み、窮屈で外した帽子を手に握ったそのままの姿で気が付けば意識を手放していた。





「なぁなぁ、もしさ時間を止めれたらどうする?」

 聞き慣れたそれでいて懐かしい声に自然に口が開いた。

「え?なんで何かアニメでも観た?ゲームか?なんか流行ってたっけ最近……」

 狭い部屋で男子大学生が2人、珍しくお互いにバイトも休みで朝起きてから着替えもせずに怠惰な時間を過ごしていた。
 オレがゼミのレポートのテーマ捜しと言いながらパソコンに向かう隣で、寝転がりながら文庫本を読んでいた耕平がする唐突で取り留めのない“もしも”の質問に首を傾げた。

「いや、出典はなんでも良いけど樹だったらどうする?」
「どうって……うーん何分位止めれるんだ?」
 細かい設定なんかは決めていなかったようで、耕平が考えるように腕を組んでから閃いたように良い笑顔でオレの事を指差した。
「10秒くらい?」
「えっ短っ、なにも出来なくないかそれ?」

「仕方ないな、じゃあ特別に15秒」
「いやそんな“これでどうだ!”みたいに言われても……」
 呆れ半分に笑って耕平を見ると思ったよりも彼が真剣な顔でオレの答えを待っている事に気が付いて、思わず姿勢を正した。正直10秒も15秒もそんなに変わりがない気がするし、こんな質問には何の意味も無い気はするが……。

 壁に掛けている時計の秒針を見るとオレがこうして考えている間に、あっという間に10秒15秒と時間が過ぎてしまった。今時間を止めていたとしても、オレはその15秒を完全に無駄にした事になる。
「うーん咄嗟の時に使えるか分からないし、あんまり役に立つとは思えないかな」
「なんでだよ、ヤバイ奴に会った時に15秒ダッシュしたら100mは逃げれるぞ」
「いや、どんな状況だよ、それ」
 そもそも出会い頭でヤバイと分かる人間から突然逃げ出したら、逆にターゲットとして追い掛けられてしまいそうだ。

「耕平なら何するんだ?15秒で」
 人に聞く位ならまずは自分で良いアイディアが浮かんだのだろうと聞いてみると、更に難しい顔をして唸る。
「自分だってそんなに悩む質問を人にするなよ」
「いや俺はいいんだって、樹が何するかだろ」
 今日の耕平は随分不思議な事を言う、こんな“もしもの話”に正解なんてある訳ないのに。

「とにかく危なくなったらさ、取り合えず唱えろよ4回出来たら1分だろ」

「いやいやその場合オレのマジックポイントどうなってんだよ」
 無尽蔵か、とツッコミを入れるがいつの間にか手にしていた文庫本も置いた耕平はオレを真っ直ぐに見て言った。
「頼むから、危なくなったらすぐに逃げろよ」
 茶化せるような空気でなくなり無言の圧力に負けたオレが何度か頷くと、やっと耕平が肩の力を抜いたようだ。

「樹、もう後先考えず飛び出すなよ」

 オレがいつ何処で飛び出したっていうんだよと言い返したかったが、確かについ最近そんな事があったような気がする。
 命の危険を感じるような瞬間が。



「イツキ」

 髪を梳くようにして何度も撫でられている気配がする。
 そこまで指通りが良い訳ではないが、長らく染めていない髪は艶だけはある状態だ。

「……うーん」

「イツキ」
 一体ここが何処で今が何時なのか……。
 前後不覚になる程深く眠っていたようで重い瞼を開くとそこには最近見慣れてきた天井と、見慣れない異国風の顔の整った男性の顔が間近に迫っている事に気が付いた。
「うわぁ!」
「やっと起きましたか」
 悠然とベッドに乗り上げてオレを間近で見下ろしていたジャミエルトさんから飛び退くような勢いで起き上がったオレは、勢い余ってベッドから落ちそうになって一人で暴れてしまった。とてもではないが寝起きに見て耐えられるような造形の顔でない、文字通り目が醒め過ぎるほどの美形だ。

「ジャ……ジャミエルトさん!?どっどうして……」
「起こしに来ました、ワタシに起こしてもらう人間はなかなかいませんから、幸運デスネ」
 ニッコリと優雅に笑って足を組むジャミエルトさんに、すっかり毒気を抜かれてしまう。思わず先程まで見ていた気がする夢も、現在の状況も忘れてしまいそうな程に……。

「そうだ!ジャミエルトさんがいるって事は、団長さんやローレンツさんも戻って来たって事ですね」
 急いで下りないとと言うオレの身体を押し止めて、ジャミエルトさんが笑顔のままオレに更ににじり寄って来た。

「間近で見ると本当にキレイな漆黒デスネ」
「はぁ、あ……ありがとうございます?」

 綺麗だと言った目の前の男のエメラルド色の瞳こそ宝石のように煌めいていて、思わず息を呑むほどに美しい。どうにもこの人と話すと調子が狂う、苦手という訳ではないが本心がどこにあるのか分からない。

「イツキはこの国に決めました?」

 彼の少し癖のあるイントネーションとアンバランスで片言な言葉使いに、何を言われたのかしばし考え込む。この国に決めるとは一体なんの事だろう?
「この騒動が片付いたら、イツキはドコに行きますか?」

「ああ、えーとそうですねまずはまだ王都も見ていないので行ってみたいと思っています」
 突然今後の身の振り方について聞かれて、動揺しながらも正直に答えると少し考えた様子の彼がひとつ頷いてオレの肩に手を置いた。

「ワタシの国に来ませんか?この国よりきっと良いトコロですよ」

「え……?ジャミエルトさんの国?」
 隣国のフォンヒューズ帝国の商人である彼が、自国と言うのは間違いなく帝国の事だろう。町の人やこの国の本には隣国の帝国について多くの事は書かれてはいなかったが、面積としてはこの国以上にあると聞いている。

 ヴィルヘルムからもいくつも町を見てから住みたい場所を決めれば良いと言われていたが、それは当然王国の中での話であってそう簡単に他国へ移れるものではないと思っていた。だから無意識の内に“他の国に行く”という選択を自分の中から消していたが、目の前のジャミエルトさんはさも隣町へも行こうという位の軽さで提案してくれていた。正直に言うとどんな場所か色々な町を見て決めたいという希望があるが、それもヴィルヘルムが賛成してくれるような安全な町でないと難しいと思うのでオレだけでは判断出来ない。

「ありがとうございます、でもヴィルヘルムに聞かないと……」
「ワタシはイツキに聞いています、カレは関係ないデスネ」
 自分の事も自分で決められないのかと責めるような彼の口調に、思わず言葉に詰まる。

「考えておいてください、いつでもワタシはイツキを歓迎します」


 その時ちょうど階下からオレ達を呼ぶ声が聞こえた。
 慌てて階段へ向かうと音もなく後をついて来るジャミエルトさんを視界の端で確認しつつ、エルミアさんとヴィルヘルムがいる筈の居間へ足を踏み入れた。


「よく眠れたか?」

 ソファーに座るでもなく立ったまま腕を組んだ団長さんと、その傍らに立つローレンツさんの姿を認めて自分だけ休んでいた事を申し訳なく思った。
「ありがとうございます、もう大丈夫です動けます」
 元気よく返事をすると団長さんとローレンツさんが微かに笑った。
「頼りにしてるぞ」
「イツキさん、今度こそ私から離れないでくださいよ」
 ローレンツさんに釘を刺され、誤魔化すように笑って改めて頭を下げた。どうやら懲りずにオレと一緒に行動してくれるらしい。

 エルミアさんの様子を見るとオレが眠ってしまう前と変わらない体勢ではあるが、エルミアさんもヴィルヘルムも静かに眠っているようだ。ヴィルヘルムの顔色が遥かに良くなった事を確認してオレは心底安堵した。
「おーし、詳しい話は追々だ」
 2人を起こさないように、いつもより気持ち小さな声で言った団長さんを先頭にして宿舎を後にする。

 冷たい廃墟に置いてきてしまったルノの姿が脳裏に浮かんだ。
 その他の子ども達も、無事に保護されてほしい。

 自分に出来る事はほんの些細な事だけかもしれないが、全力でやろうと気を引き締めた。


しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。

ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。 異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。 二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。 しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。 再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

俺の婚約者は小さな王子さま?!

大和 柊霞
BL
「私の婚約者になってくれますか?」 そう言い放ったのはこの国の王子さま?! パミュロン王国で次期国王候補の第1王子アルミスから婚約を求められたのは、公爵家三男のカイルア。公爵家でありながら、長男のように頭脳明晰でもなければ次男のように多才でもないカイルアは自由気ままに生きてかれこれ22年。 今の暮らしは性に合っているし、何不自由ない!人生は穏やかに過ごすべきだ!と思っていたのに、まさか10歳の王子に婚約を申し込まれてしまったのだ。 「年の差12歳なんてありえない!」 初めはそんな事を考えていたカイルアだったがアルミス王子と過ごすうちに少しづつ考えが変わっていき……。 ※不定期更新です

美人なのに醜いと虐げられる転生公爵令息は、婚約破棄と家を捨てて成り上がることを画策しています。

竜鳴躍
BL
ミスティ=エルフィードには前世の記憶がある。 男しかいないこの世界、横暴な王子の婚約者であることには絶望しかない。 家族も屑ばかりで、母親(男)は美しく生まれた息子に嫉妬して、徹底的にその美を隠し、『醜い』子として育てられた。 前世の記憶があるから、本当は自分が誰よりも美しいことは分かっている。 前世の記憶チートで優秀なことも。 だけど、こんな家も婚約者も捨てたいから、僕は知られないように自分を磨く。 愚かで醜い子として婚約破棄されたいから。

後宮に咲く美しき寵后

不来方しい
BL
フィリの故郷であるルロ国では、真っ白な肌に金色の髪を持つ人間は魔女の生まれ変わりだと伝えられていた。生まれた者は民衆の前で焚刑に処し、こうして人々の安心を得る一方、犠牲を当たり前のように受け入れている国だった。 フィリもまた雪のような肌と金髪を持って生まれ、来るべきときに備え、地下の部屋で閉じ込められて生活をしていた。第四王子として生まれても、処刑への道は免れられなかった。 そんなフィリの元に、縁談の話が舞い込んでくる。 縁談の相手はファルーハ王国の第三王子であるヴァシリス。顔も名前も知らない王子との結婚の話は、同性婚に偏見があるルロ国にとって、フィリはさらに肩身の狭い思いをする。 ファルーハ王国は砂漠地帯にある王国であり、雪国であるルロ国とは真逆だ。縁談などフィリ信じず、ついにそのときが来たと諦めの境地に至った。 情報がほとんどないファルーハ王国へ向かうと、国を上げて祝福する民衆に触れ、処刑場へ向かうものだとばかり思っていたフィリは困惑する。 狼狽するフィリの元へ現れたのは、浅黒い肌と黒髪、サファイア色の瞳を持つヴァシリスだった。彼はまだ成人にはあと二年早い子供であり、未成年と婚姻の儀を行うのかと不意を突かれた。 縁談の持ち込みから婚儀までが早く、しかも相手は未成年。そこには第二王子であるジャミルの思惑が隠されていて──。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

黒獅子の愛でる花

なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。 中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。 深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。 サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。 しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。 毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。  そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。 王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。 王妃は現在、病で療養中だという。 幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。 サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…

《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年

処理中です...