烏木の使いと守護騎士の誓いを破るなんてとんでもない

時雨

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第45話

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「おい!怪我人はこっちだ!!」
「後方部隊、到着しております!」
「消火は後回しだ!他の船から遠ざけろー!」
 近付けばより騒がしく感じる桟橋を見渡す。
 人垣の向こうに自警団の人と話すローレンツさんと他の騎士に指示を飛ばす団長さんが見えた。

「ワタシはプリンセスのところに行きますね」
 オレと同じように辺りを見回していたジャミエルトさんがそう言うと、怪我人が集められていると思われる小屋の方向へ走り出したのでその背中を見送った。
 人質さえいなければ騎士団が勝つと信じていたが、それでも怪我をする人が全くいないとは思っていない。一見して無事に見えるローレンツさんと団長さんに近付く為に人垣に分け入ると、オレの姿を見た自警団の人々はそれぞれに道を譲ってくれた。

「……イツキさん!!!」
「良かった無事……でっ」
 ローレンツさんに勢いよく両肩を掴まれて、思わず変な声が出た。
「こっちの台詞ですよ!!なんで船から飛び降りるなんて……!一歩間違えば自殺行為ですよ!?」
 頭の先から足の先まで、正面から横から後ろから怪我がないか確認するようにグルグルと身体を引っくり返されながら確認されて、やや目が回る。
「団長!!オスカー団長っ!!」

 ローレンツさんに呼ばれて、船に固定されていた視線をやっとこちらに向けた団長さんは、オレの顔を見た瞬間目を見開いてからくしゃりと破顔して、少年のような笑顔を見せた。
「おいっ!!心配させるな!流石に駄目かと思ったぞ!!」
 そのまま団長さんにバシバシと身体が傾きそうなほど肩を叩かれて、痛いから止めてくれと言おうとしたが団長さんの笑った目尻に光る物が見えて、そこまで心配を掛けてしまったのかと思い甘んじて叩かれるままでいた。
 こんな時に間に入ってくれそうなローレンツさんは、いつの間にか既にオレ達の傍からいなくなっていた。
「お前さんを捜すって、海に潜ると言って聞かないヤツがいて困ってたとこだ」
「それって……」

 この2人が無事ならきっと大丈夫だと思っていた。
 呼びに行ってくれたのだろうローレンツさんに伴われて船の方からこちらに走ってくる人物に向かって、すぐに見付けてもらえるように片手を上げる。

「……ヴィルヘルム!」

 てっきりすぐに名前を呼び返してくれるかと思ったが、走って来た勢いのまま倒れ込むように強く抱き締められた。
 もはや軽い抱擁ではなく、彼の鎧と腕の力で押し潰されそうな抱擁だ。
 無言でオレを抱きすくめるヴィルヘルムの力の強さから、彼にどれだけ心配を掛けたのかが伝わって来るようだった。

 いつまでも何も言わずに拘束を解こうとしないヴィルヘルムに、なるべく穏やかに話し掛けた。
「心配かけて、ごめん……」
「……」
 返事もしてくれないようだ。
 そんな彼の様子に困って周囲に助けを求めようと視線を彷徨わせる。先程まで傍にいた筈のローレンツさんも団長さんも、既に他の騎士や自警団の人々と共に今やるべき仕事をする為に持ち場に戻ってしまったようだ。
「……ごめんなさい」
 もう一度謝ると、少し彼の腕の力が緩んだ。

「……許さない」
 少し掠れたようなヴィルヘルムの声がやっと聞けて、その内容よりも彼の声自体に大きな安心感を覚えた。やっとお互いに無事だった事が実感出来た気がする。
「無茶をするなと、約束したばかりだったろう……」
 どんどん語気が弱くなって、再び強くオレを抱きすくめるヴィルヘルムの姿に更に申し訳ない気持ちになる。
「あの時はああするしかないと思って……」
 泳ぎには自信があったし、自分に出来る事をしたかったんだと伝えると、それでも納得には程遠いようで頭を横に振っている。抱きしめられたままなので、オレの首筋に埋められた頭が揺れる度に彼の柔らかい癖のある金髪がオレの頬や首に肩を撫でる。
 いつもは随分高い位置にある筈のその髪を、無意識に近い程自然な流れでゆっくり手で梳いてみた。思った通りの気持ちの良い指通りで、まるで大型犬を撫でているようだと思った。

 何度かそうしているとやっと彼の動きが止まり、少し上げた顔と目が合った。
「……もう無茶はしないと誓ってくれるまで、君を離さない」
「離さないって……このまま?ずっと?」
 ”これからも行動を共にする”という意味なのか、まさか”抱き締めたまま”という意味だろうかと聞き返すと、”今の姿勢を維持し続ける”と言われてしまった。
「一生、このままだ」
 至近距離で本当に真面目な顔で言うヴィルヘルムに、思わず少し笑いそうになったが本人は至って真剣のようだ。
「それは、困る……かも」
 オレも困るけど、ヴィルヘルムも同じくらい困るだろう事に本人は気が付いているのだろうか。

「もう危ない事はしない」
 彼の顔を覗き込んで本心からそう言うと、空色の瞳が少し濡れて輝いた。
「……信用出来ない」
「えっ!どうしろと!?」
 誓ってくれと言われたから宣言したのに、あっさりその言葉の信頼性を否定されて焦る。
 言葉以外で、どうやって無茶はしないと信用してもらえば良いのだろう。

「君のこれからの行動で、生涯をかけて私に証明してくれないか」
 やっと笑ったヴィルヘルムの顔に、オレも一緒になって笑いたいのに涙で視界がぼやける。
 この世界で、彼の近くで生きていって良いのだと許されたようで心が軽くなった。
「約束する……」
 頬を伝う涙で自分が泣いていた事に気が付いた。
 本当はヴィルヘルムの姿が見えた瞬間から堪え切れていなかったのかもしれない。優しく涙を拭ってくれたヴィルヘルムの指先を追うように視線を上げると、鼻と鼻とがぶつかる程近くまで来ていた彼の瞳とぶつかった。
 目蓋を閉じるべきだろうか?引き寄せられるように唇と唇が触れそうになった所で、すぐ傍からわざとらしい咳払いが聞こえた。

「ごほっごほん!」
 空咳をするやや呆れたような表情のローレンツさんを見て、急に現実に引き戻された。
 慌ててヴィルヘルムから離れると、やっと周囲から同じくなんともいえない生温かい目で見守られていた事が分かった。こんなに注目を集めているなら、もっと早く止めて欲しかった!!!
「イツキさんも疲れているだろうから、団長から先に引き揚げてくれって御達しだ」
 慌てたオレとは対照的にヴィルヘルムが落ち着いた様子でローレンツさんに返事をして、オレについて来るように促がした。

 桟橋を渡りきると町の中心地へ続く道には軽傷の騎士と救出された子ども達が手当てを受ける為に座らされていて、すっかり暗くなった街道を照らすように大きな松明が沢山焚かれていた。
 子ども達の中にルノの姿がないか見回しながら歩いたが、それらしい姿は見付けられなかった。ジャミエルトさんも捜していた女の子と無事に再会出来たのだろうか。
 ずっと無言でオレの腕を引くヴィルヘルムに、遅れないようにという事だけを考えて歩く。

 夜も更けてきて僅かに欠けた丸い月が2つ、ちょうど頭の上で静かに輝いている。
 昨日も今日も、ここ数日は1日1日をとても長く感じる。
 昼過ぎまで船に向かってボールを投げ込んでいたかと思ったら、まさに人攫い達のアジトである船に乗せられて、夜の海に飛び込んで今ここにいる。とても1日で起きた出来事とは思えなかった。
 濡れたままの服が冷たく肌に張り付くので条件反射のようにくしゃみをしていたら、ヴィルヘルムが自身のマントを外してオレの身体に巻き付けてくれた。

 宿舎に戻ると自警団の人々とエルミアさんが温かく迎えてくれた。
「ヴィル、それにイツキさんも2人が無事で本当に良かった……」
 温めたミルクが入ったコップを差し出してくれながら、穏やかに笑うエルミアさんはあの日路地裏で会った女性と同一人物とはとても思えなかった。
 疲れが見て取れるとはいえ、ヴィルヘルムと同じ鈍い金色の髪は細かな小波の様に彼女の背に流されていて、細面の顔も彼女の弟とよく似た面差しだ。中々お目に掛かれないような美しい女性ではあるが、穏やかな雰囲気も彼に似ていて話してみると安心感が強く緊張はしなかった。
「ありがとうございます、エルミアさんこそ無事で良かった」
「姉さん、休んでいてくれと言っただろう」

 オレをソファーに座らせたヴィルヘルムが、気遣わし気に向かいのエルミアさんの隣の椅子に腰を下ろした。並んで話す姉弟は比べて見てもやはりとてもよく似ていた。
「もう随分楽になったのよ、それより子ども達は……」
 無事だったのかと聞く事も怖いようで、その消えていった語尾を補うようにヴィルヘルムが答えた。
「無事だ、全員かは分からないが救える人間は……全てだ」
「そう……そうよね」
 両手で顔を覆ったエルミアさんを慰めるように、ヴィルヘルムが彼女の肩に手を置いた。

 今にも倒れてしまいそうなエルミアさんは、それでもきっと顔を上げた時には自分にもなにか出来る事はないかと言い出しそうで、ヴィルヘルムの様子を見なくても彼女に有無を言わさず休養が必要な事は分かった。
「エルミアさんはヴィルヘルムと一緒に寝室で休んでください」
「でも、イツキさんはどこで休むの?」
 姉弟なら男女でも同じ部屋で休めるだろうが、オレとエルミアさんだけで寝室を使う事は考えられない。顔色の悪い女性を差し置いてベッドで休める筈がない。
 オレの中では姉弟で寝室を使ってもらう以外の選択肢はないので、自分はソファーで横になるつもりだがエルミアさんも譲るつもりがないようで、オレが私がと意味の無い譲り合いを続けていた。

「イツキくんはソファーでも休めるだろう、俺も付いているから安心してくれ」
「団長さん!」
 いつの間にか居間の入り口に佇み、会話に割って入ったオスカー団長にかなり驚いた。エルミアさんも驚いたように団長さんを見詰めているが、オレ達の驚きなど意に介さず流石に疲れた様子の団長さんはソファーに倒れ込むように腰を落ち着けた。
「ほら、ヴィルヘルム頼んだぞ」
 すぐにヴィルヘルムにエルミアさんを連れて寝室へ向かうように指示をして、自警団の人にもお礼を言って帰ってもらうようだ。

 脱衣所に置いていた寝間着に着替えてソファーに戻ると、枕代わりのクッションとマントが置かれていた。先程まで借りていたヴィルヘルムのマントだと思い、乾かそうと手に取ると同じデザインだが触り心地から別物のマントだと分かった。
「良かったら使ってくれ」
 大きく欠伸をした団長さんが椅子を1つ玄関の方向に向けて置き、そのまま座った。

「でも、団長さんは寒くないんですか?」
 家全体が温められているとはいえ、深夜の就寝時は肌寒く感じる。団長さんのマントを借りてしまう事に申し訳なさを感じて聞くと、振り返ったオスカーさんはニヤリと笑った。
「君の今日の働きを考えれば、そんなマントの1枚や2枚進呈しても罰は当たらん」
 いや欲しいとも言ってないのだが……そうではなくて毛布代わりの物を探して来ようかと動き掛けたオレに、団長さんは重ねて言った。
「俺は良いんだ、今日はここで寝ずの番だからなぁ快適だと寝ちまうだろ?」
 悪戯っぽく笑った団長さんにお礼を言って、素直に休ませてもらう事にした。

 借りたマントに包まって2人掛けのソファーに横になってから、散々迷って団長さんの背中に声を掛けた。
「団長さん……オレと一緒に海に落ちた神父は……」
 共に海に落ちたあの男がどうなったのか……覚悟はしていたがその先を知るのが怖い気もしていた。

「……あの男なら海面を漂ってた、溺死だ」
「そう……ですか」
 強く目を瞑ると最後に見たハウザー神父の姿が脳裏に浮かんだ。
「……随分楽な死に方をさせちまったな、俺達が捕まえてりゃ縛り上げて洗い浚い吐かせた上で一番苦しむ方法で処刑されてた」
 驚いて目を開けると、いつの間にかこちらを見ていた団長さんとしっかりと目が合った。
「楽な死に方をさせたんだ、そこは俺が保証する」
 優しい口調と片方の口角だけ上げてただでさえ眠たそうな垂れ目がちな目尻を下げて笑った団長さんの態度に、目頭が熱くなった。
「ありがとう……ございます」
 慌てて腕で目元を覆って、勝手に流れた涙が見付からないようにした。
 きっと団長さんやこの世界の人からしたら、人の死はオレが考えるよりももっと身近だ。こんな事でショックを受けていたら呆れられてしまうかもしれないが、今夜だけは許してほしい。
 悪人だろうとなんだろうと、オレのせいで人が死んだ。

 声を殺して勝手に溢れる涙をそのままにしていると、団長さんが独り言のように小さく”本当に贅沢だ”と呟くのが聞こえた。


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