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卒業後
手当て
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メイローズ先生を部屋に送り届けるのは大変だった。
女性でも意識がないと支えて歩くのも一苦労なんて。
この先お酒を飲む機会があっても飲み過ぎないようにしようと心の中で誓う。
でもアルベール先生はさすが男の人なのか、もたれかかるメイローズ先生を片手で支えながら歩いていた。
細身でそんなに力がありそうにも見えないのに。
その逞しい姿に一人感心してときめいていたのは先生には内緒。
先生は知れば知るほどよくわからなくなる人だ。
後を付いて廊下を進みながらそんなことを思う。
綺麗で優しくて頼りがいのある人だけど、誰にでもそんな顔を見せているわけじゃないことはリシアもわかっている。
「やれやれ、メイローズ先生がこんなにお酒に弱いとは思わなかった」
「弱いんですか?」
リシアの目には結構な量を呑んでいたように見えたのだけれど。
「量ではなくて、外で歩けなくなるくらい飲んでいたからね。
飲酒量をコントロールできなくなる前に止めればよかったよ」
最後の方はリシアやアルベール先生が支えなければ立っていられないほどだった。
そんな様子で学園に戻ってきたことがなかったので驚いたくらいだ。
「そうですね、あんなメイローズ先生初めて見ました」
「まあ、生徒と飲む機会なんてほとんどないからね。
楽しくて少し飲み過ぎてしまったんだろう」
先生はどうなんだろうと思って見上げる。
「ん? どうかした?」
「いえ…」
「さあ、次はリシアの手当てをしないとね」
そうでした、まだ鈍く痛みを訴えている腕を見下ろす。
痣になっていそうで見るのが怖かった。
移動して手当てをしてもらう。
意外と酷い痣ではなくて痛みもすぐに薄れてきた。
とても強く掴まれたのでもっと酷いかと思ったけれど。
不思議に思ったけれど軽い怪我でよかったと胸を撫で下ろす。
そういえば、と思い出したことを聞いてみた。
「先生さっきの人たちに何かしたんですか?」
何かしたようには見えなかったけれど、勝手に倒れたとは思えない。
「何かって?」
「……何かです」
それ以上説明のしようがない。
リシアにも何が起こったのかわからないのに。
「魔道具ですか?」
そんな危ない魔道具があるか知らないけれど他に考え付かない。
精一杯考えて言った答えだったけど笑われただけだった。
「違うよ」
短い言葉で否定した先生は意味ありげな瞳で微笑む。
こういうときの先生は聞いても答えてはくれない。
難解な問題を投げて解こうとするのを楽しんでいるみたいに突き放す。
「さて、私の部屋で少しお茶でも飲んでいく?」
「え、いいんですか?」
先生の部屋には入ったことがないので、ちょっと興味が湧く
「ダメ」
笑って反対の事を言う。
ただの冗談だったのかな。入ってみたかった。
残念な気持ちで肩を落とすと先生が顔を近づける。
「酔った男の部屋になんて行こうとしたらいけないよ」
耳元で囁かれて顔が一気に熱を持った。
冗談めかして笑う先生にからかわれているのがわかる。
「酔ってるんですか?」
見た目からは全然わからない。
「そりゃあね」
お酒を飲んだら酔うのは当たり前だよと笑う。
「すみません、全然わかりません」
リシアの目には普段と変わりなく見える。
メイローズ先生と違って顔色も変わらないし。
「そう?」
おやすみリシアと囁いて指先にくちづけを落とす。
絶句しているうちに先生は自分の部屋に戻っていった。
あれが酔っているということなのかしら?
赤くなっているだろう頬を押さえる。
(酔ってたせい、酔ってたせい!!)
先生の行動は酔ってたせいだと無理矢理納得してリシアは部屋に戻った。
女性でも意識がないと支えて歩くのも一苦労なんて。
この先お酒を飲む機会があっても飲み過ぎないようにしようと心の中で誓う。
でもアルベール先生はさすが男の人なのか、もたれかかるメイローズ先生を片手で支えながら歩いていた。
細身でそんなに力がありそうにも見えないのに。
その逞しい姿に一人感心してときめいていたのは先生には内緒。
先生は知れば知るほどよくわからなくなる人だ。
後を付いて廊下を進みながらそんなことを思う。
綺麗で優しくて頼りがいのある人だけど、誰にでもそんな顔を見せているわけじゃないことはリシアもわかっている。
「やれやれ、メイローズ先生がこんなにお酒に弱いとは思わなかった」
「弱いんですか?」
リシアの目には結構な量を呑んでいたように見えたのだけれど。
「量ではなくて、外で歩けなくなるくらい飲んでいたからね。
飲酒量をコントロールできなくなる前に止めればよかったよ」
最後の方はリシアやアルベール先生が支えなければ立っていられないほどだった。
そんな様子で学園に戻ってきたことがなかったので驚いたくらいだ。
「そうですね、あんなメイローズ先生初めて見ました」
「まあ、生徒と飲む機会なんてほとんどないからね。
楽しくて少し飲み過ぎてしまったんだろう」
先生はどうなんだろうと思って見上げる。
「ん? どうかした?」
「いえ…」
「さあ、次はリシアの手当てをしないとね」
そうでした、まだ鈍く痛みを訴えている腕を見下ろす。
痣になっていそうで見るのが怖かった。
移動して手当てをしてもらう。
意外と酷い痣ではなくて痛みもすぐに薄れてきた。
とても強く掴まれたのでもっと酷いかと思ったけれど。
不思議に思ったけれど軽い怪我でよかったと胸を撫で下ろす。
そういえば、と思い出したことを聞いてみた。
「先生さっきの人たちに何かしたんですか?」
何かしたようには見えなかったけれど、勝手に倒れたとは思えない。
「何かって?」
「……何かです」
それ以上説明のしようがない。
リシアにも何が起こったのかわからないのに。
「魔道具ですか?」
そんな危ない魔道具があるか知らないけれど他に考え付かない。
精一杯考えて言った答えだったけど笑われただけだった。
「違うよ」
短い言葉で否定した先生は意味ありげな瞳で微笑む。
こういうときの先生は聞いても答えてはくれない。
難解な問題を投げて解こうとするのを楽しんでいるみたいに突き放す。
「さて、私の部屋で少しお茶でも飲んでいく?」
「え、いいんですか?」
先生の部屋には入ったことがないので、ちょっと興味が湧く
「ダメ」
笑って反対の事を言う。
ただの冗談だったのかな。入ってみたかった。
残念な気持ちで肩を落とすと先生が顔を近づける。
「酔った男の部屋になんて行こうとしたらいけないよ」
耳元で囁かれて顔が一気に熱を持った。
冗談めかして笑う先生にからかわれているのがわかる。
「酔ってるんですか?」
見た目からは全然わからない。
「そりゃあね」
お酒を飲んだら酔うのは当たり前だよと笑う。
「すみません、全然わかりません」
リシアの目には普段と変わりなく見える。
メイローズ先生と違って顔色も変わらないし。
「そう?」
おやすみリシアと囁いて指先にくちづけを落とす。
絶句しているうちに先生は自分の部屋に戻っていった。
あれが酔っているということなのかしら?
赤くなっているだろう頬を押さえる。
(酔ってたせい、酔ってたせい!!)
先生の行動は酔ってたせいだと無理矢理納得してリシアは部屋に戻った。
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