魔王のジョブを持っているVRMMOのアバターで異世界へ転移してしまった件

Crosis

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第11話ギルド

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 ちなみに俺からは年齢は二十歳で種族は自分自身分からず東の方から来た事、既婚者である事や日本の近代化の部分は隠し、今までの生活を当たり障りなく答えた。

「魔獣がいなく治安も良く夜道を女性が一人で歩いても安全な国……そんな国もあるのだな」

 まるでお伽噺にある世界のようだとメアは言った。

 それでもやはり闇はあり、落ちる穴は身近にある事をクロは知っている。 



 翌日クロはメアに連れられノクタスの街中央にあるギルドに向かっていた。家を出てまず思った事はここが異世界である可能性が限り無く高いという事である。

 道路はあるがコンクリートではなく地面がむき出しになっており人々は徒歩で移動している。車などエンジンが付いた乗り物はなく代わりにリアカーみたいな手押し車や馬車などがちらほら視界にはいる。

そのどれもゴム製のタイヤではなく木製のタイヤを使っている。

 服装はメア同様麻でできた服が多くたまに甲冑を着ていたりと武装している人も見える。

 もちろん電信柱なんてものもないのだが、森が近くにあるからか緑を残した町並みは日本とまた違った美しさがあった。

 そういうクロの服装も周りの人のように麻でできた服を着ている。ボストンのお下がりである。


「ここがギルド本部だ。ここでハンター登録したあと私とパーティー登録をしよう!是非しよう!」
「分かったからそんなに引っ張るなよ」

 そう言ってもなおギルド本部に引っ張ろうとするメア。何故か顔があからんでいる。

「だってクロがギルド登録するのだぞ! じ……実は両親の結婚するきっかけを小さい頃から聞かされてな、結婚する相手は自分とパーティー登録している異性が……その……いいなーと…………す、すまん。柄にもない事を言ってしまった。忘れてくれ」

 感情剥き出しで矢継ぎ早に喋り始めるメアなのだが後半になるにつれ最初の勢いがなくなってくる。

 じゃじゃ馬娘でも女は女なんだな、とクロは落ち込んでいるメアの頭をポンポンと軽く叩く。

「まあ、良いんじゃないのか? そういうの可愛いと思うぞ?」
「なっ……ちょっ……からかうんじゃない!」



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