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第112話好奇心は猫をも殺す
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「サラには悪いことをしたわね」
「むしろ感謝してるのよ?私の言葉なんか聞く耳持たないんですもの。なら実力行使しかないですから。逆にこちらがアーシェの手を煩わせて申し訳ないと思っているくらいよ」
アンナと紅茶を嗜み小一時間、アーシェがクロの自慢に一区切りついて満足したのか若干血色のよくなった顔をこちらに向け、アンナの娘の事を気にかけているのか不安気な顔でアンナに話しかける。
俺には何のことだかさっぱりなのだが話の内容からアーシェがアンナの娘に何か虎馬になるぐらいの事をしでかしたであろう事が伺える。
ちなみにアーシェの話を聞き終えたレニアは今、憧れのアイドルを見つめる瞳で俺を見つめてくるので後でアーシェの洗脳を解く必要がありそうだ。
「話を聞く限りアーシェがサラに何かしでかしたみたいだという事は分かったのだが、このアホは何をやらかしたんだ」
「あら、クロはサラの彼氏なのにあの子から何も聞かされてないのかしら?」
それは単なる好奇心からだった。
ほんのちょっとアーシェとアンナ、そしてその娘の過去が気になっただけなのだ。
しかし、そんなクロの素朴な疑問をアンナは満面な笑みで爆弾をキャッチボールのボールとしてクロに投げて来た。
速球でだ。
好奇心は猫をも殺す。
正にその通りだと思う。
そう思えるほどに、アーシェから発せられる魔力に殺気が込められドス黒い何かを宿し俺にまとわりつかせている。
その爆弾を放ったアンナ本人は目をキラキラさせながら安全圏内にレニアを誘導させ、防御壁を部屋に展開しながらこちらを眺めている。
その顔は昼ドラを見ている主婦のそれである。
「お兄ちゃん、聞いてないんだけど?」
そして次にアーシェから怨嗟の言葉が紡がれる。
多分、この受け答えを間違えたら死ぬヤツだ。
どんなに鈍感なハーレム主人公でもその事実は分かるであろうと思えるほどその短い言葉には殺意が込められている事に、以前戦った時よりも強い恐怖を持って実感する。
「ちょっと待てアーシェ。話し合おう」
「言い訳があるのなら聞くわ」
そして「ただし許すか許さないかは別問題よ」と言葉を繋げるアーシェ。
そのアーシェはかの時の妻の様である。
◇◆◆◇
「で、本当にサラとは何も無いのよね?」
「ああ、一応面識は有るがお前が思っている様な関係では断じて違うと言える」
「むしろ感謝してるのよ?私の言葉なんか聞く耳持たないんですもの。なら実力行使しかないですから。逆にこちらがアーシェの手を煩わせて申し訳ないと思っているくらいよ」
アンナと紅茶を嗜み小一時間、アーシェがクロの自慢に一区切りついて満足したのか若干血色のよくなった顔をこちらに向け、アンナの娘の事を気にかけているのか不安気な顔でアンナに話しかける。
俺には何のことだかさっぱりなのだが話の内容からアーシェがアンナの娘に何か虎馬になるぐらいの事をしでかしたであろう事が伺える。
ちなみにアーシェの話を聞き終えたレニアは今、憧れのアイドルを見つめる瞳で俺を見つめてくるので後でアーシェの洗脳を解く必要がありそうだ。
「話を聞く限りアーシェがサラに何かしでかしたみたいだという事は分かったのだが、このアホは何をやらかしたんだ」
「あら、クロはサラの彼氏なのにあの子から何も聞かされてないのかしら?」
それは単なる好奇心からだった。
ほんのちょっとアーシェとアンナ、そしてその娘の過去が気になっただけなのだ。
しかし、そんなクロの素朴な疑問をアンナは満面な笑みで爆弾をキャッチボールのボールとしてクロに投げて来た。
速球でだ。
好奇心は猫をも殺す。
正にその通りだと思う。
そう思えるほどに、アーシェから発せられる魔力に殺気が込められドス黒い何かを宿し俺にまとわりつかせている。
その爆弾を放ったアンナ本人は目をキラキラさせながら安全圏内にレニアを誘導させ、防御壁を部屋に展開しながらこちらを眺めている。
その顔は昼ドラを見ている主婦のそれである。
「お兄ちゃん、聞いてないんだけど?」
そして次にアーシェから怨嗟の言葉が紡がれる。
多分、この受け答えを間違えたら死ぬヤツだ。
どんなに鈍感なハーレム主人公でもその事実は分かるであろうと思えるほどその短い言葉には殺意が込められている事に、以前戦った時よりも強い恐怖を持って実感する。
「ちょっと待てアーシェ。話し合おう」
「言い訳があるのなら聞くわ」
そして「ただし許すか許さないかは別問題よ」と言葉を繋げるアーシェ。
そのアーシェはかの時の妻の様である。
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「で、本当にサラとは何も無いのよね?」
「ああ、一応面識は有るがお前が思っている様な関係では断じて違うと言える」
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