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第182話ブラックタイガー
しおりを挟むそう言うとレイチェルは後ろを振り返ると、素知らぬ顔をしてはいるが明らかに尾行している男性の群れができていた。
もはや素知らぬフリをする意味があるのか?と言いたくなる。
「でも何でアクション起こさないんだろうね?」
「あまりに高嶺の花過ぎて、二の脚を踏んでいる間に彼らの間で抜け駆け禁止みたいなルールが出来つつあるんじゃないの?後は人柱が現れるのを待っているとか?」
レイチェルの疑問にそう答えるミセルなのだがまさにその通りだったりする。
一つ付け加えるとすればその均衡ももはやいつ崩れてもおかしくない状況だという事である。
「しかしルシフェル様は私が思うにブラックタイガーに並々ならぬ執着を見せていましたが、何か理由が有るのでしょうか?」
「だってクロ様は甲殻類、特に海老が大好物だと聞いた事があるから…」
ミセルの問いかけにそう言うとルシフェルは「フンス」と鼻息も荒く、いつもどことなく気だるげな感じなのが嘘のようにその目にはやる気に満ち満ちている。
「な……その話は本当ですのっ!?」
「信憑性は有るんですよねっ!?」
そしてルシフェルの言葉にウィンディーネとセラが身を乗り出し聞いてくる。
「うん。昔クロ様がパーティーメンバーと好きな食べ物の話してて甲殻類全般って言ってた。特に海老とも」
そしてこの言葉を聞いたセラとウィンディーネもルシフェルと同様、もしくはそれ以上今回の討伐依頼に並々ならぬ闘志を滲ませ始める。
「ぶ、ブラックタイガーって食用できたっけ……?」
「多分私達には真似出来ない何かで食べれる様にするのではないかと……」
しかしいくら考えても解らないのかミセル達はセラ達の後を追う。
◆
「ねえミセル?」
「何ですか?サラ様」
「何でブラックタイガーを捕まえに行くのに森の中に入って行くのですか?」
ブラックタイガーを討伐する為にあれから三時間ほど討伐箇所に向かい進むのだが、進めば進むほど木々が生い茂り始め辺りは最早森の中である。
始めはそのうち森が切り開け海が広がるのだと思っていたサラなのだが行けども行けども潮の香りはせずただ土と草木の香りがするばかりである。
流石に疑問に思いミセルに聞くのだがミセルからは「何当たり前のこと聞いて来るんだろう?」という顔をされてしまう。
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