207 / 400
第207話妙な違和感
しおりを挟む
そう思ったコンラッドなのだが先程から妙な違和感を感じ、その違和感に気付く。
あんなに猛り狂っていたマンティコアが静かなのである。
不思議に思いマンティコアの方に目を向けるとそこには何かに縛られ身動きが取れなくなっている様な姿が目に入る。
しかしコンラッドの目視からはマンティコアを縛る様な物は映らないのだが、確実に何かがマンティコアの動きを束縛しているのはその表情を見れば分かる。
「もうすぐで【影縫い】の効果がきれる……」
「分かったわ足止めご苦労様。あとは私とセラに任せなさい」
どうやらマンティコアを縛っていたのは成人したばかりぐらいのカラスの濡れ羽色をした髪を持つ美しくも儚げな少女のようである。
その年でこのマンティコアをここまで束縛する彼女の力量にベッテン同様に末恐ろしくも頼もしさを感じるのだが、彼女が言うにはマンティコアを束縛しているスキルの効果がきれるみたいである。
それは即ちあのマンティコアがまた暴れ出すことを意味し、更に先程より五人も増え奇跡の様な回復術により蘇った部下までいる状況では先程以上にやり難く、二度も部下を見捨てる覚悟はコンラッドには出来ない。
部下が蘇った事は感謝するがタイミングが悪過ぎるのも事実なのである。
「クソが…っ」
普段言わないような汚い言葉を今日だけでどれ程口にしたか分からない。
最早それを慎もうとも思わない。
そしてコンラッドは今一度スキル【氷華】を発動させようとするのだが、背後から透き通る様な声が涼やかに辺りに響くのが聞こえるとマンティコアが氷の華に閉じ込められるのが見える。
確かに聞こえたのは聴きなれた、そして言い慣れた言葉であるスキル【氷華】である。
しかし目の前に咲く華は見た事もない程高い透明度を有しており、その透明度から目の前の氷の華には不純物が含まれていない非常に硬度な氷の華だと言う事がわかる。
現に自分の【氷華】ではマンティコアを閉じ込めて五秒と咲かせていられなかったにも関わらず、この華は十秒経っても未だ割れる気配すら見せない。
「光魔術段位五【神の裁き】」
その見事な氷の華にコンラッドのみならず部下達も魅了され、まるで水晶の中にマンティコアが閉じ込められたかの様な幻想的は風景を前に誰もが追撃する事を忘れている中、今度は鈴が軽やかになる様な声が辺りに響くと氷の華、その中心のマンティコアに五本の光の剣が氷もろとも突き刺さり、その衝撃で氷の華が砕け散る。
あんなに猛り狂っていたマンティコアが静かなのである。
不思議に思いマンティコアの方に目を向けるとそこには何かに縛られ身動きが取れなくなっている様な姿が目に入る。
しかしコンラッドの目視からはマンティコアを縛る様な物は映らないのだが、確実に何かがマンティコアの動きを束縛しているのはその表情を見れば分かる。
「もうすぐで【影縫い】の効果がきれる……」
「分かったわ足止めご苦労様。あとは私とセラに任せなさい」
どうやらマンティコアを縛っていたのは成人したばかりぐらいのカラスの濡れ羽色をした髪を持つ美しくも儚げな少女のようである。
その年でこのマンティコアをここまで束縛する彼女の力量にベッテン同様に末恐ろしくも頼もしさを感じるのだが、彼女が言うにはマンティコアを束縛しているスキルの効果がきれるみたいである。
それは即ちあのマンティコアがまた暴れ出すことを意味し、更に先程より五人も増え奇跡の様な回復術により蘇った部下までいる状況では先程以上にやり難く、二度も部下を見捨てる覚悟はコンラッドには出来ない。
部下が蘇った事は感謝するがタイミングが悪過ぎるのも事実なのである。
「クソが…っ」
普段言わないような汚い言葉を今日だけでどれ程口にしたか分からない。
最早それを慎もうとも思わない。
そしてコンラッドは今一度スキル【氷華】を発動させようとするのだが、背後から透き通る様な声が涼やかに辺りに響くのが聞こえるとマンティコアが氷の華に閉じ込められるのが見える。
確かに聞こえたのは聴きなれた、そして言い慣れた言葉であるスキル【氷華】である。
しかし目の前に咲く華は見た事もない程高い透明度を有しており、その透明度から目の前の氷の華には不純物が含まれていない非常に硬度な氷の華だと言う事がわかる。
現に自分の【氷華】ではマンティコアを閉じ込めて五秒と咲かせていられなかったにも関わらず、この華は十秒経っても未だ割れる気配すら見せない。
「光魔術段位五【神の裁き】」
その見事な氷の華にコンラッドのみならず部下達も魅了され、まるで水晶の中にマンティコアが閉じ込められたかの様な幻想的は風景を前に誰もが追撃する事を忘れている中、今度は鈴が軽やかになる様な声が辺りに響くと氷の華、その中心のマンティコアに五本の光の剣が氷もろとも突き刺さり、その衝撃で氷の華が砕け散る。
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
異世界サバイバルゲーム 〜転移先はエアガンが最強魔道具でした〜
九尾の猫
ファンタジー
サバイバルゲームとアウトドアが趣味の主人公が、異世界でサバゲを楽しみます!
って感じで始めたのですが、どうやら王道異世界ファンタジーになりそうです。
ある春の夜、季節外れの霧に包まれた和也は、自分の持ち家と一緒に異世界に転移した。
転移初日からゴブリンの群れが襲来する。
和也はどうやって生き残るのだろうか。
半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜
侑子
恋愛
小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。
父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。
まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。
クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。
その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……?
※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
隠れジョブ【自然の支配者】で脱ボッチな異世界生活
破滅
ファンタジー
総合ランキング3位
ファンタジー2位
HOT1位になりました!
そして、お気に入りが4000を突破致しました!
表紙を書いてくれた方ぴっぴさん↓
https://touch.pixiv.net/member.php?id=1922055
みなさんはボッチの辛さを知っているだろうか、ボッチとは友達のいない社会的に地位の低い存在のことである。
そう、この物語の主人公 神崎 翔は高校生ボッチである。
そんなボッチでクラスに居場所のない主人公はある日「はぁ、こんな毎日ならいっその事異世界にいってしまいたい」と思ったことがキッカケで異世界にクラス転移してしまうのだが…そこで自分に与えられたジョブは【自然の支配者】というものでとてつもないチートだった。
そしてそんなボッチだった主人公の改生活が始まる!
おまけと設定についてはときどき更新するのでたまにチェックしてみてください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる