魔王のジョブを持っているVRMMOのアバターで異世界へ転移してしまった件

Crosis

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第227話可愛く頬を膨らませる

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 それでもコンラッドは僅かながらに胸が痛むと知りつつも彼女から目を離せないでいる。

 どうやら自分は思っていた以上に彼女に好意を寄せていたみたいだ。

「………ラッド大佐……コンラッド大佐ッ!!」
「な、なんだベッテン」
「……いくならんでも気を抜き過ぎです………」
「………すまん」

 そんなコンラッドをベッテンが呼ぶのだが彼女の目には「フラれてやんの」と明らかに語っているので後で締め上げる事にしよう。

「で、なんだ?」
「先程冒険者風の女性従者達があの男性の事をクロ・フリート様って言っていたのですが……もしかしてあのクロ・フリートでしょうか?」
「あのアーシェ・ヘルミオネを倒したという奴か。 伝達された情報と若干容姿が異なるのだが……ブラッド・デイモンが手も足も出せなかった相手だ。 もしかするとそうかもな」

 彼ほどの実力なら確かにアーシェ・ヘルミオネを倒した人物と同一だと言われても納得できるだろう。

 ベッテン自身、強くなりたいという理由の一つが打倒アーシェ・ヘルミオネである為そのアーシェ・ヘルミオネを倒した可能性が高い人物が目の前にいるこの状況は、彼があのクロ・フリートかどうか確かめたくて仕方がないのかもしれない。

「それに彼は先程ノクタスから近い魔術に優れた都市をブラッドに聞いていた事を考えるとノクタス近辺に居たのだろう。そう考えると間違いなく本物だろうな……」
「…………何かの間違いではと思いたかったのですが……」

彼とアーシェとの闘いは紙一重だったと伝達されている。

ブラッドどころか彼が作り出した化け物にすら歯が立たなかった事を考えるにアーシェもまた彼と同等の実力を持っていたという事だろう。

「私……自分は選ばれた存在で強いんだと自惚れてました」

 そういう彼女の瞳はクロ・フリートと呼ばれている男性を力強く見つめている。

「じゃあ俺はそろそろ帰るわ。じゃないとサラに勘ぐられるしな」

 その後も自身の配下と談笑し、恋のアタックを軽やかにかわし時にあざとくスキンシップなどをした後クロ・フリートは開きっぱなしのデモンズゲートの向こう側へ帰って行く。

 その向こう側からはおそらくベルホルンであろう見覚えのある街明かりが覗いていた。

「さ、サラとは誰ですかっ!?異性ではないっ………もうっ」

 クロが帰る背中に向けてセラの声が響くのだが門が鈍く低い音と共に閉まるとセラは可愛く頬を膨らませる。
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