魔王のジョブを持っているVRMMOのアバターで異世界へ転移してしまった件

Crosis

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第381話闘技場

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 魔術自体は低コストと言うのもあり恐ろしい魔術である事には違いないのだがスキルメインの相手にはリスクの割に意味がなく、更に試合を完全に終わらせるほど驚異的な効果をもたらす訳でもない上に同じ発動条件で闇の魔術段位四【鬼ごっこ】があり『発動から三十秒間敵から一度も接触されなければ無条件で試合に勝利する』などと言った試合を決めるフィニッシャー的な魔術が何種類かある為ゲーム内においてそこまで重要視されていない魔術である。

 しかしこのコーネリア聖教王にとってはそうでは無いらしく、コーネリア聖教王からすれば余りにも凶悪すぎる未知なる魔術に現在自分が立っている場所を忘れ部下に対して叱責するかの如く魔術をかけた椿の食いかかるのだが、敵である椿にそんな態度が許される訳もなくコーネリア聖教王は椿の膝蹴りで鳩尾を貫かれ、強引に口を閉ざされてしまう。

「椿様、闘技場発動可能準備出来ました」

 そして、その間に五名のメイドが【不可視の壁】を展開し、コーネリアとクロをその壁で閉じ込めた所で椿に報告する。

「ご苦労様です。では……空間魔術【闘技場】」

 そして椿は閉鎖された空間で発動出来る魔術【闘技場】を発動し、PvP の状況を作り出すと褒められる事を待つ忠犬の様な眼差しをクロに向けて来る。

「クロ様とこの無礼者が気兼ねなく集中して戦える準備を致しました」
「わざわざ俺の為にありがとう椿」
「い、いえ」

 多分椿はクロが「俺が直々に相手をしてあげよう」という言葉を受け止め、クロが指示を飛ばす前に実行に移りわざわざ一騎打ち出来る状況を作り出してくれたのだろう。

 であるならば素直に褒め頭を撫でてやると消え入りそうな声で返事をした椿は顔を真っ赤にしながら俯いてしまうもその口元は抑えきれない感情によってにやけてしまっているのが分かる。

 もし犬の様に尻尾があったのならはち切れない程の勢いで振っていた事だろう。

 普段は凛としている椿の可愛い一面を堪能した後クロはコーネリアがいる闘技場へと向かう。

「待たせたな」
「………何をした?」
「何をしたって……簡単に言うと俺とお前で一騎打ち出来る様にしてもらっただけだ。当然お前の配下は一緒に共闘出来ない様になっているのと直前までのバフやデバフなど全てその効果を消され、体力魔力共に最大値まで回復しているはずだ」
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