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第18話 コレだから天才は困るんだよ
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前世で部活の顧問になりたくないと言っていた教師の気持ちが今、俺は痛い程理解出来てしまう。
「それで、どんな修行を始めるのですか?」
そして俺はそんな文句を言い続ける心の声を無視してレヴィアと練習用闘技場へと来ていた。
ちなみに他にもある闘技場は他の部活動等に既に奪われており、唯一残っているのが学園の端にあり、草が生え放題、観客席は穴だらけ、地面も穴だらけの闘技場だけであった。
しかしながら借りられただけで運が良いと思う事にする。
競争率が無い不良物件ではあるもののこの俺でも長期間借りられる事が出来たのだから。
それに、メンテナンス等は全て練習と銘打ってレヴィアにやらせれば良い上に、学園の端っこにあるという事は即ち俺の私物化している教室からも近いという事である。
だから、そんなキラキラした目でレヴィアから指示を仰がれたら埃被った俺の良心が痛むからやめて欲しい。
「そうだな、まずはこの闘技場の生い茂った草をどんな方法でも良いから綺麗サッパリ消し去ってくれ。 今回の修行は草の除去だな。 いいか? 草一本生えていない更地にするんだぞ?」
「何だ、そんな事で良いのですか?」
そしてレヴィアはそんな事を言うと風魔法でシュパシュパと雑草をどんどん刈っていくと、小一時間もかからず闘技場の雑草を刈り尽くして俺の元へと戻ってくる。
本当は二時間程サボれるかなーとか思っていた俺の計算が早くも崩れ去ったとも言う。
この事からもレヴィアは俺が思っていた以上に風魔術の扱いに長けているようである。
前世の知識がある俺であるのならばいざ知らず、この世界の知識しかないレヴィアである事を考えれば、彼女は地頭は良く、また常識にとらわれない柔軟な思考の持ち主であろう事が窺えてくる。
だからこそ全色の魔術を扱える事ができるのであろう。
全く、コレだから天才は困るんだよ。
「消し去れと言ったにも関わらず刈り取った後のゴミはどうするんだよ?」
「はっ! す、すみませんっ!師匠っ!」
「まぁ良い。今回は俺が回収しておくから」
「ありがとうございますっ! 師匠っ!」
そして俺はレヴィアが刈り取った雑草を風魔法でダイソンもビックリするほどの勢いでストレージへとぶち込んでいく。
刈り取った雑草は雑草で別途使い道があるのでコレはコレで有難いのでストレージへと回収していくのだが、先ほどから一つ気になる事があるのでレヴィアにその事について聞いてみる事にする。
「それで、一つ気になる事があるのだが、その師匠っていうの何だ?」
「? 師匠は私の師匠だから師匠ですよね?」
そうコテンと可愛く首を傾げて言っている意味が分からないというような表情をするレヴィア。
彼女からすれば俺の事を師匠と呼ぶ事に関しては当たり前なのだろうし、実際に俺の弟子である事は間違いない為、弟子であるレヴィアが俺の事を師匠と呼ぶ事は普通の流れなのかもしれないのだが、俺自身そんな大それた者ではないことは一番分かっているためどうにも『師匠』と呼ばれる事に抵抗がある。
「いや、流石に師匠呼びは恥ずかしいのだが?」
「それで、どんな修行を始めるのですか?」
そして俺はそんな文句を言い続ける心の声を無視してレヴィアと練習用闘技場へと来ていた。
ちなみに他にもある闘技場は他の部活動等に既に奪われており、唯一残っているのが学園の端にあり、草が生え放題、観客席は穴だらけ、地面も穴だらけの闘技場だけであった。
しかしながら借りられただけで運が良いと思う事にする。
競争率が無い不良物件ではあるもののこの俺でも長期間借りられる事が出来たのだから。
それに、メンテナンス等は全て練習と銘打ってレヴィアにやらせれば良い上に、学園の端っこにあるという事は即ち俺の私物化している教室からも近いという事である。
だから、そんなキラキラした目でレヴィアから指示を仰がれたら埃被った俺の良心が痛むからやめて欲しい。
「そうだな、まずはこの闘技場の生い茂った草をどんな方法でも良いから綺麗サッパリ消し去ってくれ。 今回の修行は草の除去だな。 いいか? 草一本生えていない更地にするんだぞ?」
「何だ、そんな事で良いのですか?」
そしてレヴィアはそんな事を言うと風魔法でシュパシュパと雑草をどんどん刈っていくと、小一時間もかからず闘技場の雑草を刈り尽くして俺の元へと戻ってくる。
本当は二時間程サボれるかなーとか思っていた俺の計算が早くも崩れ去ったとも言う。
この事からもレヴィアは俺が思っていた以上に風魔術の扱いに長けているようである。
前世の知識がある俺であるのならばいざ知らず、この世界の知識しかないレヴィアである事を考えれば、彼女は地頭は良く、また常識にとらわれない柔軟な思考の持ち主であろう事が窺えてくる。
だからこそ全色の魔術を扱える事ができるのであろう。
全く、コレだから天才は困るんだよ。
「消し去れと言ったにも関わらず刈り取った後のゴミはどうするんだよ?」
「はっ! す、すみませんっ!師匠っ!」
「まぁ良い。今回は俺が回収しておくから」
「ありがとうございますっ! 師匠っ!」
そして俺はレヴィアが刈り取った雑草を風魔法でダイソンもビックリするほどの勢いでストレージへとぶち込んでいく。
刈り取った雑草は雑草で別途使い道があるのでコレはコレで有難いのでストレージへと回収していくのだが、先ほどから一つ気になる事があるのでレヴィアにその事について聞いてみる事にする。
「それで、一つ気になる事があるのだが、その師匠っていうの何だ?」
「? 師匠は私の師匠だから師匠ですよね?」
そうコテンと可愛く首を傾げて言っている意味が分からないというような表情をするレヴィア。
彼女からすれば俺の事を師匠と呼ぶ事に関しては当たり前なのだろうし、実際に俺の弟子である事は間違いない為、弟子であるレヴィアが俺の事を師匠と呼ぶ事は普通の流れなのかもしれないのだが、俺自身そんな大それた者ではないことは一番分かっているためどうにも『師匠』と呼ばれる事に抵抗がある。
「いや、流石に師匠呼びは恥ずかしいのだが?」
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