最強の魔術師になれなかった俺、弟子になった天才少女を前世の知識を使って最強にしてみた

Crosis

文字の大きさ
23 / 36

第23話 基礎の基礎の問題

しおりを挟む




「で、本日は何をするのですか?教室で出来る事など限られていると思うのですけど」

 そう言うレヴィアの顔は「早く実技がしたい」という表情をしていた。

 その気持ちは分かるし、俺だってレヴィア程の歳であるのならばそう思っていただろう。

 だからこそ、基礎をしっかりと教える必要があると俺は思う。

 弟子を取った教師の中には生徒がやりたい事をただやらせるだけの者もおり、そういったものは比較的生徒から好かれている傾向があるのだが、逆に生徒の大会成績はそこそこといったレベルである。

 自主性を重んじ伸び伸びやらしていると言えば聞こえは良いし、確かに偶に恐ろしく伸びる子供達がいるのも確かなのだが個ではなく全体の平均値から見るとやはり低めである。

 そして俺はというと、基礎をしっかりと教えるタイプだったりする。

 そもそもの話、俺が教える事ができるのははっきり言って基礎部分だけであり、所謂前世の知識を教えるという事だけである。

 と、いうわけで実技をしたいというレヴィアには申し訳ないのだが今日から普通に黒板を使った授業をしていく。

「そうだな、今日からこの教室で魔術の基礎を叩き込んで行くのでそのつもりで」
「魔術の基礎でしたら全ての属性の基礎は頭に叩き込んでいるので大丈夫だと思いますが?」

 そして想像していた通り生意気な事を言い始めるレヴィア。

 きっと授業でも同じ様な事を言って各属性の先生方を困らしている事だろう。

 その光景が容易に想像できる。

「ほう、言うじゃないか。ならば俺が今から言う基礎を全て答える事が出来ればコレからは外で実技の授業をしよう」
「望む所です」

 フフンと胸を反るレヴィアに俺は魔術の基礎、そのまた基礎の問題を出す。

「では炎属性の基礎から。炎はどの様にして燃えているのか分かるか?」
「そんな事など簡単ですね。魔力を媒介にして与えられた魔力と威力を定められた術式によって炎の威力と持続時間が決まりますっ!」

 そしてレヴィアは自信満々に答えるのだが、やはり良くも悪くもこの世界での思考で模範的な回答を答えて来る。

「確かに正解ではあるな」
「そうでしょうとも。これでも私、勉強もかなり───」
「しかし俺の出した問題では間違いである」
「なっ!? 私の回答の何処が間違っていると言うのですかっ!?」
「まぁ今から何処が間違っているのか教えるから落ち着け」

 そして何処が間違っているのか教えろと迫って来るレヴィアを落ち着かせ着席させると俺はズボンのポケットからタバコを取り出すと指先に魔術で火を出してタバコに火をつけてひと吸いし煙を燻らせる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

「元」面倒くさがりの異世界無双

空里
ファンタジー
死んでもっと努力すればと後悔していた俺は妖精みたいなやつに転生させられた。話しているうちに名前を忘れてしまったことに気付き、その妖精みたいなやつに名付けられた。 「カイ=マールス」と。 よく分からないまま取りあえず強くなれとのことで訓練を始めるのだった。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

処理中です...