婚約破棄された公爵令嬢、使い魔を召喚したら魔王様でした

Crosis

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第88話 恋する乙女は無敵だと言う事

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「そんなに殺されたいのか? それを言うならば我の名前はベルゼーブブだ。貴様こそ他人の名前を覚えれていないバカではないか。しかも名前の長さは俺の方が短いという事はお前の方がより一層バカだと言う事であるな」
「あぁ。バカが何か言いながらマウントを取って来ようとして来ておりますわ。マオ、わたくし怖いですっ!」

 まるで理由になっていない、わたくしがバカであるという根拠のない言いがかりをつけてくるベルゼーブブとかいう頭の悪い魔王の誹謗中傷されたため恐怖で怯える可愛らしさを演じながらわたくしはこれ幸いとマオへの胸板へとしな垂れかかる。

「しかし、こんなバカだと惚れる異性もいないのではないか?まぁ、そんな調子では例えそこにいる男性が本当に魔族であり魔王である我と同等の力を持っていたとしても貴様程のバカでは宝の持ち腐れよ。可哀そうに。まぁ、魔族の王というのもこの我がいる時点で嘘である事が確定している上に、その無駄に人間じみた姿から見て魔族でもない事が窺えてくるというものである。師を間違えたバカ娘に、取る弟子を間違えた自称魔王の組み合わせとは、これ程滑稽なものもあるまい。最後に笑わせてもらったぞ」

 そしてベルゼーブブはバカ丸出しでそんな事を気持ちよさそうに言うではないか。可哀そうに。

 あまりにも可哀そうである為この世の断りを教えてあげるのもやぶさかではございませんわ。

「あら? 何も知らないんですのね、お可哀そうに」
「あ?」
「わたくし、ステータスに聖女とございましてよ?」
「それがどうした。聖女なら数百年前に一度殺しておるわ。そう言えばビビると思っていたのだとしたら大間違いであるぞ」
「いいえ、違いましてよ。聖女だからこそ慈悲の心でもってこの世界の真理を教えてあげると申しておりますの」

 そしてわたくしは【浮遊】魔術で宙に浮き上がると、まるで教祖様にでも成ったかのように仰々しく、かつ神々しい動作でゆっくりと両の手を広げて慈悲の心で目の前の哀れで無知な魔王ベルゼーブブを見下ろす。

「それは………」
「それは?」

 何故か魔王ベルゼーブブではなくマオが食いついているのだが気にせず話始める。

「それは、恋する乙女は無敵だと言う事ですわっ」
「何だそりゃ」

 先に倒すのはやはり後ろの魔王でしたわっ!!

「もう茶番には付き合ってられんわ」

 そして魔王ベルゼーブブもわたくしの言葉を聞いているにも関わらず闇魔術で攻撃をしてくる。

 これではまるでわたくし一人がバカみたいではないか。
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