92 / 97
第92話反面教師
しおりを挟む
そんなこんなで今日は荷物を元夫に手伝ってもらい、布団など重たい物や大きい物等は元夫の車で、衣服や食器比較的軽い物や小さいものはリュックに詰め込んで私が自転車で運び、私のリュックに入らなかった物はキャリーケースに詰め込み元夫の車の中で空いたスペースへと詰め込んでいく。
その間の仕分け作業は高城も手伝ってくれて非常に助かった。
そして夕方で荷物の移動は一通り終わり(と言っても一回で終わったのだが)夕方、両親も加わり家電量販店へと来ていた。
お目当ての冷蔵庫を買う為である。
初め、両親から買ってやると言われた時はこれ以上迷惑はかけられないとかなり遠慮したのだが、娘と孫の為に何かする事は迷惑とは言わないと押し切られた形である。
もしかしたら両親は両親で、私と縁を切った事は後悔していなくとも結果的に孫娘とも縁を切ってしまった事に少なからず罪悪感を感じており、多少なりとも罪滅ぼしではないものの、何か貢献してやりたいが直接言うのは縁を切ると言った手前恥ずかしくて言えずこの様な方法を取っているのかもしれない。
しかしその部分を刺激するとプライドの高い父親はへそを曲げてしまうかもしれないので聞く事は無いし、真相は分からずじまいなのだが私はそれで良いと思う。
そして一人暮らし用の小さな冷蔵庫を買ってもらい父親の所有している軽トラに積んで私と真奈美の新しい部屋へと運んで、今日一日は終わりであり、明日からは新しい一日の始まりだ。
離婚して新天地を探さなければならない時は押しつぶされそうな程の様々な負の感情を抱えていたのだが、今の私はほんの少しの寂しさと、ほんの少しの興奮をしていたのであった。
◆
あの事件から二か月がたった。
周りのみんなは私の事を思ってかあの事件の事は話題にしないような雰囲気を未だに感じているのだが、別にトラウマでも無いのでどんどん話してくれて構わないと思っているし、むしろ地雷社員には事件を起こしてくれて感謝している部分も確かにある。
あの地雷社員は、見方を変えれば私の別の結末だったのかもしれないという反面教師としての面ではかなり説得力のある光景であったとおもうし、実際私も地雷社員の様になっていた可能性はかなり高かったであろう。
その事を身をもってと言えば少し違うのだが、私の脳裏に深く刻みつけてくれた件については少なからず感謝していたりする。
「ままーっ!! はやくっ!!」
「はいはい、今行きますよーっ!!」
そんな事を思いながら今私は元夫の手を引っ張るようにしてぐんぐん進んでいく真奈美に急かされて小走りで水族館の入り口へと向かっていく。
その間の仕分け作業は高城も手伝ってくれて非常に助かった。
そして夕方で荷物の移動は一通り終わり(と言っても一回で終わったのだが)夕方、両親も加わり家電量販店へと来ていた。
お目当ての冷蔵庫を買う為である。
初め、両親から買ってやると言われた時はこれ以上迷惑はかけられないとかなり遠慮したのだが、娘と孫の為に何かする事は迷惑とは言わないと押し切られた形である。
もしかしたら両親は両親で、私と縁を切った事は後悔していなくとも結果的に孫娘とも縁を切ってしまった事に少なからず罪悪感を感じており、多少なりとも罪滅ぼしではないものの、何か貢献してやりたいが直接言うのは縁を切ると言った手前恥ずかしくて言えずこの様な方法を取っているのかもしれない。
しかしその部分を刺激するとプライドの高い父親はへそを曲げてしまうかもしれないので聞く事は無いし、真相は分からずじまいなのだが私はそれで良いと思う。
そして一人暮らし用の小さな冷蔵庫を買ってもらい父親の所有している軽トラに積んで私と真奈美の新しい部屋へと運んで、今日一日は終わりであり、明日からは新しい一日の始まりだ。
離婚して新天地を探さなければならない時は押しつぶされそうな程の様々な負の感情を抱えていたのだが、今の私はほんの少しの寂しさと、ほんの少しの興奮をしていたのであった。
◆
あの事件から二か月がたった。
周りのみんなは私の事を思ってかあの事件の事は話題にしないような雰囲気を未だに感じているのだが、別にトラウマでも無いのでどんどん話してくれて構わないと思っているし、むしろ地雷社員には事件を起こしてくれて感謝している部分も確かにある。
あの地雷社員は、見方を変えれば私の別の結末だったのかもしれないという反面教師としての面ではかなり説得力のある光景であったとおもうし、実際私も地雷社員の様になっていた可能性はかなり高かったであろう。
その事を身をもってと言えば少し違うのだが、私の脳裏に深く刻みつけてくれた件については少なからず感謝していたりする。
「ままーっ!! はやくっ!!」
「はいはい、今行きますよーっ!!」
そんな事を思いながら今私は元夫の手を引っ張るようにしてぐんぐん進んでいく真奈美に急かされて小走りで水族館の入り口へと向かっていく。
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる