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20171230の話
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手先が器用なのでバッグを作る。
それが私の仕事。
『家事全般』の能力が高くて本当に良かった。
こんな所に一人暮らしだしコレなかったら飢え死にしてたかも。
しかも気付いたら体が小さくなっていたしね。
気付いたらと言うか、これってVRゲームのはず。
体験会で訪れた広めの何もない個室でつけた、全方位確認することが出来る眼鏡をつけてやるやつ。
自分の視界がそのまま別の景色を映す……はずなんだけど、視界が低い。
確認したときは……なんだこれとしか言えなかった。
目の前に見える花壇の花が自分の腰の高さまである。
つまり、自分はだいたい身長1m無いってことだ。
こんな設定してないぞ!!!ってその時は叫んだものだ。
そんな世界中のVRゲームで何万人、何十万人とキャラクターが作られているこの行動が異世界を増やす行為だと誰が気付くだろう。
実際に自分が分離してしまった事実は、今もゲームの中に残っている方の私にしか理解出来ていない。
ゲームを止めた方の私は気付いていないだろう。
ゲームを止めた瞬間がパラレルワールドの発生起点。
本来はゲームの方の私も気付かず、ここでの生活をしていくだけのはずだった。
パラレルワールドはそんな曖昧な事態から無数に発生しているんだろう。
でもこの体質のせいでゲームをしているんだと意識せざるを得なかった。
してなければやっていられなかった。
だからゲームの外の私との回線が切れてから、中の私自身がこの体質の不便さにログアウトしようと試みて、それが不可能だとわかった時のあの絶望はきっと誰にもわからない。
外の自分はなんて幸せな奴なんだろう。
この体質の自分を無意識に切り捨て、きっとこのゲームには戻らない。
まあ、戻られたらゲームの中の自分を意識した自分が消滅する可能性が高いから複雑な気分。
外の自分と情報の共有化する時点で同化かもしれないけど。
むしろ外の自分もこの3D酔い体質をもっと体験しやがれって感じだね。
そう私は3D酔い体質。
VRゲーム内では機敏な動きをするとてきめんに目の前がグルグル回転を始める。
初めて体験した時は脳卒中でも起こしたかとオロオロしたけど、船酔いの一種だとわかって気持ち的には落ち着いたものだ。
しかしここでの生活を送るのが非常に困難になったのだ。
まず立ち上がるのは平気、でも振り向きはNG
歩くのはなんとか平気、でも走るのはNG
乗り物に乗るだけなら平気、でも風景見たり地図を見るのはNG
ホントにもう……なんだこれ!
ラジオ体操も不可能!
太る要素てんこ盛り!!
街中で人と肩が当たっただけで風景がグルグル回転を始めてその場に引っくり返り、相手にギョッとされた事多数。
ぶつかられてもドンと構えて居られるようになりたい。
しかしおかげさまで治療してくれる教会の神父様と顔馴染みに。
そこから仕事を紹介してもらった。
それが魔法のバッグを作る仕事!
皆が欲しがるから需要はうなぎ登りらしく、人手が欲しかったとか。
手先が器用なのは自覚しているので、この仕事紹介された時は凄い嬉しかった。
材料を深く理解する為だと狩りに同行させられるのは憂鬱だけど、この仕事は好きだ。
今日も私の材料のスライムの皮をなめす作業に余念はない。
水気の多い物でも一滴もこぼす事なく保存し、取り出しの際には全て吐き出す。
さらに外気温に左右されない内部構造。
この特性はスライムによるものだと知る一般人は少ないそうだ。
そして普通はスライムの皮程度は職人が自分で最適な状態に気を配り集めるらしい。
それが出来ない私は、仕事を斡旋している役場に同伴の狩りを依頼する。
大抵は下町の子供達がお小遣い稼ぎに受けてくれる。
初めは一般の狩人さん向けに募集したけど不発で、仕方なく年齢経験不問にして受けてくれたのが子供達だった。
今ではとても助かっている。
普通のスライムを倒すだけなら、切り裂く、殴爆発、蒸発させるなどあるけれど、皮を手に入れるには小ダメージの連打しかない。
突き刺して穴を空けるのもNGなので、同伴の指導は欠かせないのだ。
「倒したーっ!」
「たーっ!」
木の棒で殴り続けたスライムがヘタって子供達が勝ちどきを挙げる。
「みんなお疲れ様。休憩していてね」
「はーい!」
いい返事で子供達がその辺に座り込み水を飲んだりしている。
その間にスライムから皮を剥ぐ。
一応比重の軽い部分からナイフの刃を立てる。
比重の重い部分は皮も丈夫なのでそこが切り口から一番遠くなるようにする。
開き方は人によって違うらしいけど、私の場合は軽い部分を円形に切り出し、後は皮の内側に手を突っ込んでざっと剥離。
体内の核だけは取り出して別に収納。
体内自体も無駄な部分は無い。
実を言えばスライムは核を残して放置すると皮も再生して亜種として再起動する、死なない生物なんだ。
だから核は外す。
狩場で丁寧な仕事とか時間の無駄!
家でやればいい。
「終わったよ~次を探して!」
「はーい」
スライムを自分の魔法のバッグに入れて声をかけると、子供達が立ち上がり草原の草を叩き始める。
隠れているスライムを追い出す追い込み漁の方法だね。
「森まで行かないで。一列になって道の方に進んでね」
「はーい」
「複数出たら分担。人数が片寄らないようにね」
「はーい」
クスクス笑われるけど、基本は大事だよ。
スライムだって生きるのに必死なんだし、気を付けないと毒持ちの亜種に遭遇したりするからね。
スライム牧場とか造る人等がいるらしいけど、私からしたら野生の方が断然丈夫!
自分で狩れないのが悔しい。
バッグを作りながら体力づくりして、いつか自分で狩って見せる!!
私のささやかな目標だ。
「出たぞーっ!」
「おーっ!」
子供達が元気な雄叫びを挙げていた。
初日に最高順位SF5位でした!ご覧に立抱いた皆さんありがとうございます!!
それが私の仕事。
『家事全般』の能力が高くて本当に良かった。
こんな所に一人暮らしだしコレなかったら飢え死にしてたかも。
しかも気付いたら体が小さくなっていたしね。
気付いたらと言うか、これってVRゲームのはず。
体験会で訪れた広めの何もない個室でつけた、全方位確認することが出来る眼鏡をつけてやるやつ。
自分の視界がそのまま別の景色を映す……はずなんだけど、視界が低い。
確認したときは……なんだこれとしか言えなかった。
目の前に見える花壇の花が自分の腰の高さまである。
つまり、自分はだいたい身長1m無いってことだ。
こんな設定してないぞ!!!ってその時は叫んだものだ。
そんな世界中のVRゲームで何万人、何十万人とキャラクターが作られているこの行動が異世界を増やす行為だと誰が気付くだろう。
実際に自分が分離してしまった事実は、今もゲームの中に残っている方の私にしか理解出来ていない。
ゲームを止めた方の私は気付いていないだろう。
ゲームを止めた瞬間がパラレルワールドの発生起点。
本来はゲームの方の私も気付かず、ここでの生活をしていくだけのはずだった。
パラレルワールドはそんな曖昧な事態から無数に発生しているんだろう。
でもこの体質のせいでゲームをしているんだと意識せざるを得なかった。
してなければやっていられなかった。
だからゲームの外の私との回線が切れてから、中の私自身がこの体質の不便さにログアウトしようと試みて、それが不可能だとわかった時のあの絶望はきっと誰にもわからない。
外の自分はなんて幸せな奴なんだろう。
この体質の自分を無意識に切り捨て、きっとこのゲームには戻らない。
まあ、戻られたらゲームの中の自分を意識した自分が消滅する可能性が高いから複雑な気分。
外の自分と情報の共有化する時点で同化かもしれないけど。
むしろ外の自分もこの3D酔い体質をもっと体験しやがれって感じだね。
そう私は3D酔い体質。
VRゲーム内では機敏な動きをするとてきめんに目の前がグルグル回転を始める。
初めて体験した時は脳卒中でも起こしたかとオロオロしたけど、船酔いの一種だとわかって気持ち的には落ち着いたものだ。
しかしここでの生活を送るのが非常に困難になったのだ。
まず立ち上がるのは平気、でも振り向きはNG
歩くのはなんとか平気、でも走るのはNG
乗り物に乗るだけなら平気、でも風景見たり地図を見るのはNG
ホントにもう……なんだこれ!
ラジオ体操も不可能!
太る要素てんこ盛り!!
街中で人と肩が当たっただけで風景がグルグル回転を始めてその場に引っくり返り、相手にギョッとされた事多数。
ぶつかられてもドンと構えて居られるようになりたい。
しかしおかげさまで治療してくれる教会の神父様と顔馴染みに。
そこから仕事を紹介してもらった。
それが魔法のバッグを作る仕事!
皆が欲しがるから需要はうなぎ登りらしく、人手が欲しかったとか。
手先が器用なのは自覚しているので、この仕事紹介された時は凄い嬉しかった。
材料を深く理解する為だと狩りに同行させられるのは憂鬱だけど、この仕事は好きだ。
今日も私の材料のスライムの皮をなめす作業に余念はない。
水気の多い物でも一滴もこぼす事なく保存し、取り出しの際には全て吐き出す。
さらに外気温に左右されない内部構造。
この特性はスライムによるものだと知る一般人は少ないそうだ。
そして普通はスライムの皮程度は職人が自分で最適な状態に気を配り集めるらしい。
それが出来ない私は、仕事を斡旋している役場に同伴の狩りを依頼する。
大抵は下町の子供達がお小遣い稼ぎに受けてくれる。
初めは一般の狩人さん向けに募集したけど不発で、仕方なく年齢経験不問にして受けてくれたのが子供達だった。
今ではとても助かっている。
普通のスライムを倒すだけなら、切り裂く、殴爆発、蒸発させるなどあるけれど、皮を手に入れるには小ダメージの連打しかない。
突き刺して穴を空けるのもNGなので、同伴の指導は欠かせないのだ。
「倒したーっ!」
「たーっ!」
木の棒で殴り続けたスライムがヘタって子供達が勝ちどきを挙げる。
「みんなお疲れ様。休憩していてね」
「はーい!」
いい返事で子供達がその辺に座り込み水を飲んだりしている。
その間にスライムから皮を剥ぐ。
一応比重の軽い部分からナイフの刃を立てる。
比重の重い部分は皮も丈夫なのでそこが切り口から一番遠くなるようにする。
開き方は人によって違うらしいけど、私の場合は軽い部分を円形に切り出し、後は皮の内側に手を突っ込んでざっと剥離。
体内の核だけは取り出して別に収納。
体内自体も無駄な部分は無い。
実を言えばスライムは核を残して放置すると皮も再生して亜種として再起動する、死なない生物なんだ。
だから核は外す。
狩場で丁寧な仕事とか時間の無駄!
家でやればいい。
「終わったよ~次を探して!」
「はーい」
スライムを自分の魔法のバッグに入れて声をかけると、子供達が立ち上がり草原の草を叩き始める。
隠れているスライムを追い出す追い込み漁の方法だね。
「森まで行かないで。一列になって道の方に進んでね」
「はーい」
「複数出たら分担。人数が片寄らないようにね」
「はーい」
クスクス笑われるけど、基本は大事だよ。
スライムだって生きるのに必死なんだし、気を付けないと毒持ちの亜種に遭遇したりするからね。
スライム牧場とか造る人等がいるらしいけど、私からしたら野生の方が断然丈夫!
自分で狩れないのが悔しい。
バッグを作りながら体力づくりして、いつか自分で狩って見せる!!
私のささやかな目標だ。
「出たぞーっ!」
「おーっ!」
子供達が元気な雄叫びを挙げていた。
初日に最高順位SF5位でした!ご覧に立抱いた皆さんありがとうございます!!
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