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第四章
死なせない。死なせられない。
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◆
(スズメ、どこだ・・・・・・!)
ロムは絡む藻を避けながら、暗い水底を漂った。一面深い緑色で覆われ、何も見えない。水は刺すように冷たく、含まれる毒素のせいか強い頭痛と目眩を引き起こす。
それでもロムは必死にスズメを探し続けた。時々息継ぎをしながら何度も何度も水に潜る。
死なせない。死なせられない。
かつてヨルが助けた命で、ロムにとっても歳の離れた弟のような存在。無茶をしないかいつも目を離せなくて、小生意気で、でも愛しい。きっとこういうのを大切な存在というのだろう。
ヨルが死んだあの雨の日、ロムは間に合わなかった。馬鹿正直でお人好しのあの友人を、大切な人を、助けられなかった。もう二度と大切なものを失くせない。失くしたくない。あの日の二の舞は御免だ。手遅れになる前に何としてでも見つけてみせる。
その時だ。
水の中にコマドリの声が木霊した。
『再び滅びゆく大地―――土は砂に、海は荒れ』
美しい歌声。その音色に合わせて奥の方で何かが光った。ロムはまるで導かれるように光に吸い寄せられていく。
『草花は毒に包まれて―――死が迫ってくる―――怒れる大地よ鎮まれ』
どんどん光に近付いていく。カーテンのように広がった藻を手で払い除けると、そこにはスズメの姿があった。
やっと見つけた。
しかし意識は無いようで、ぐったりと川の流れに身を任せている。
ロムは急いでスズメの元に泳ぎ着くと、持っていた皮袋の中の空気をスズメに吸わせて肩を揺さぶった。反応がない。早く水から引き上げなければ。ロムは持っていたナイフでスズメの四肢を拘束している植物の蔓を切り落とすと、その華奢な身体を抱いて上に向かって泳ごうとした。
すると。ゆっくりとスズメの目が開かれた。ああ生きている。良かった。そう思った瞬間だった。スズメに強い力でドンッと身体を押し除けられる。
(何をしているんだ・・・・・・!)
気を抜いていたところを突かれたため、ロムはあっさりスズメから手を離してしまう。再度掴もうと慌てて手を伸ばすが、スズメは微笑んだまま動かない。そうしているうちに沈黙していた植物の蔓が再びスズメに襲い掛かった。
(スズメ・・・・・・!)
蔓はスズメの身体を雁字搦めにしてすっぽりと姿を覆い隠してしまう。そして出来上がっていく巨大な球体。絶対に逃しはしないという意思を持っているかのように振る舞う植物を前にしてロムは拳を握り締めた。
(スズメ、どこだ・・・・・・!)
ロムは絡む藻を避けながら、暗い水底を漂った。一面深い緑色で覆われ、何も見えない。水は刺すように冷たく、含まれる毒素のせいか強い頭痛と目眩を引き起こす。
それでもロムは必死にスズメを探し続けた。時々息継ぎをしながら何度も何度も水に潜る。
死なせない。死なせられない。
かつてヨルが助けた命で、ロムにとっても歳の離れた弟のような存在。無茶をしないかいつも目を離せなくて、小生意気で、でも愛しい。きっとこういうのを大切な存在というのだろう。
ヨルが死んだあの雨の日、ロムは間に合わなかった。馬鹿正直でお人好しのあの友人を、大切な人を、助けられなかった。もう二度と大切なものを失くせない。失くしたくない。あの日の二の舞は御免だ。手遅れになる前に何としてでも見つけてみせる。
その時だ。
水の中にコマドリの声が木霊した。
『再び滅びゆく大地―――土は砂に、海は荒れ』
美しい歌声。その音色に合わせて奥の方で何かが光った。ロムはまるで導かれるように光に吸い寄せられていく。
『草花は毒に包まれて―――死が迫ってくる―――怒れる大地よ鎮まれ』
どんどん光に近付いていく。カーテンのように広がった藻を手で払い除けると、そこにはスズメの姿があった。
やっと見つけた。
しかし意識は無いようで、ぐったりと川の流れに身を任せている。
ロムは急いでスズメの元に泳ぎ着くと、持っていた皮袋の中の空気をスズメに吸わせて肩を揺さぶった。反応がない。早く水から引き上げなければ。ロムは持っていたナイフでスズメの四肢を拘束している植物の蔓を切り落とすと、その華奢な身体を抱いて上に向かって泳ごうとした。
すると。ゆっくりとスズメの目が開かれた。ああ生きている。良かった。そう思った瞬間だった。スズメに強い力でドンッと身体を押し除けられる。
(何をしているんだ・・・・・・!)
気を抜いていたところを突かれたため、ロムはあっさりスズメから手を離してしまう。再度掴もうと慌てて手を伸ばすが、スズメは微笑んだまま動かない。そうしているうちに沈黙していた植物の蔓が再びスズメに襲い掛かった。
(スズメ・・・・・・!)
蔓はスズメの身体を雁字搦めにしてすっぽりと姿を覆い隠してしまう。そして出来上がっていく巨大な球体。絶対に逃しはしないという意思を持っているかのように振る舞う植物を前にしてロムは拳を握り締めた。
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