スキル、弾丸生産? 〜メカチートな落第騎士は、最強である事をひた隠す〜

水先 冬菜

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記憶を失って…………

私の使命

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「それは本当ですか!?」


 少女の答えに、食い入るように、私は少女に詰め寄った。

 そんな私に少女は…………。


『ええ、よく知っていますよ。


 あなたの正体も、あなたの使命も、ね…………』


 色々と言い含んだその言葉に私は目をキラキラさせる。


「なら、私が一体、何者なのか教えてください!」


『…………これはこれで、都合が良さそうですね…………』


 ん……?


 よく聞こえなかったけど、少女はニコリと私に笑い掛けて来る。


『良いですよ。

 一から順に話してあげます』


 少女が内心、ほくそ笑んでいるとも知らず、私は少女の話に聞き入った。


------------------------------------------

「つまり、私はそのエーテル達のボス的存在である《ディスピア》を倒す使命を帯びた防人なんですね!」


『ええ、その通りです』


 彼女の話では、私は今目の前にいる少女《深雪》さんは、私が防人として、契約している人工知能インテリジェント・アームが変身した姿。


 私は彼女と共に人知れず、異世界からの侵略者《エーテル》のボス。


 『ディスピア』と戦うために、育てられた防人で、先の戦いで、で、頭に受けて、記憶を失ってしまったそうだ。


 実際は、その深雪に女へと改造されて、思わず逃げてしまった私が----------------美冬達から逃走している途中の不注意で、偶然あった岩に頭をぶつけたがために、記憶を失ったのだが…………。


 今、目の前にいる《深雪》は、私の過去をしらっと、でっち上げて説明した。


 そんな事とは露知らず、私はその話を信じ切ってしまっていた。


『そして、ここからが大事な話なのですが…………。
 
 あなたはこれから、この学園に通う事になりますが、出来るだけ、力を見せびらかす事は控えてください』


「それは、要するに…………力を隠して過ごせ…………って、事ですか……?」


『そうです。

 いつ如何なる時も、あのディスピアが狙って来る可能性があります。


 あなたには、私の力によって、創造主たる《ミク》様の神眼を持っていますが…………。


 狡猾で、卑劣なディスピアの事です。


 もしあなたの力が露見したら、あなただけではなく、あなたの周りにいる者達にも危険が及ぶでしょう。


 そうしないためにも、普段は非力である事を演じ、裏では防人達を助けて行く。


 それが一番ベストな方法です。


 そのために、今、あなたに必要なものをお渡ししますね』


 深雪の手から複数の光が私の両手の中へと向かい、形を為して行く。


「あの…………これは…………」


 私の両手には、黒衣のコートが握られている。


『そのコートは《認識阻害》と《服装変化》・《瞬間転移》の三つのスキルが掛けられています。


 そのコートを着れば、どんな服装であろうと戦闘服へと瞬時に変化して、あなたの身を守る防具になり----------------いつ如何なる場所へでも、瞬間移動が出来ます。


 しかも、《認識阻害》により、あなたの素顔などが誰の記憶に残らないため、あなたの力がバレてしまう危険性も減ります。

 もし戦闘する事になった場合、私に声を掛けてくれれば、右手にあるその紋章から召喚致しますので、いつでも言ってくださいね』


 つまり、これを着れば、私は力を隠し続けながら、皆を陰ながら助けられるって事なのね。


 それは非常に助かる!


『それでは、今日はもうお疲れでしょうし…………。


 力の使い方に関しては、また後日、お話致しましょう』


「はい。

 今日は色々とありがとうございました」


『いえ、私はあなたのパートナーなのですから…………。

 何かあれば、いつでも私にご相談ください』


 そう言って、彼女はそのコートと共に、右手の紋章の中に吸い込まれるようにして、消えていった。


 


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