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第一章 キリエ争奪戦
眠りから目覚めて
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目を覚ますと--------私は知らない場所にいた。
どうやら、視界に映る状況からして、私はテントの中で寝ていたらしい。
何だか、妙に頭がクラクラする…………。
そういえば、何でこんなところにいるんだっけ……?
おぼろげながら、記憶を思い返そうとして--------ふと、ある事を思い出す。
そうだ!
私は今、聖戦に出場していて…………。
それで、あの時…………!
「うっ…………!」
お腹の辺りに痛みを感じて、思わず顔が歪んだ。
思わずお腹の辺りに触れて、ある事に気づく。
この手触りは包帯……?
あれ……? 私、手にも包帯も巻いていたかしら……?
どうやら、私が寝ている内に治療を受けたようだ。
あまり状況がうまく飲み込めてはいないが、周りの状況を確認すべく、恐る恐る起き上がると、私はあるものを見つけて戦慄した。
それは見るからに怪しいげな奴が焚き火の前で鎮座しながら、こちらに背を向けて、何やら作業をしているようだった。
もしかしなくても、私の治療をしたのは間違いなく、目の前にいる人物だろう…………。
だが、今は聖戦の只中…………。
相手の素性が分からない以上、下手に信用するのは危険だ。
治療を受けておきながら、恩を仇で返すようで、申し訳ないけれど…………。
迂闊にも、私の近くに神託が置いてあった。
私はこっそりと神託のアイテムボックスからナイフを一振り取り出し、怪しい人物の背後に近寄り、覆い被さると、首筋にナイフを突きつけた。
そして、名前と私の処遇を問うと、体の感触からして、彼女が…………何事もないかのように手にした薪をくべた。
少しイラッとしながらも、再度問うと、彼女はキリエと名乗り、偶然にも私を見つけて治療したという。
キリエ!?
じゃあ、彼女が…………。
そんな風に一瞬だけ動揺した隙を彼女は見逃さず、次に目を開けた時には私は痛みに悶えながら、彼女にナイフを奪われ、逆にナイフを突き付けられていた。
どうやら、私はこれまでのようだ。
そう思ったが、何故か彼女はナイフを捨て、再び私の治療を行うと意識が朦朧としている私を再びテントまで運んで行った。
そして--------
「休んでなさい」
--------と、母親が我が子を諭すような、優しい口調で語り掛けて、私の頭を撫でてくれた。
何が何だかいまいち状況が理解出来なかったが、何故か彼女と接していると、心が暖かくなって、キュッと胸が苦しくなった。
何だか、一度経験した事があるかのような奇妙な既視感を覚えて--------ふと、彼女の背中に、ある人の面影が浮かび上がった。
そうだ。
彼女は彼に似ているんだ。
私の大切で、大好きな許嫁。
嫌々言いながらも、必ず私の側にいてくれて…………。
私が何か悩んでいたら、すぐに見抜いては心配してくれる。
いつも素っ気ない癖に、困った時には真摯に優しく手を差し伸べてくれる。
そんな彼のような…………。
大きく、安心出来る。
そんな彼の大きな後ろ姿に…………。
まるで、彼が側でいてくれているかのような、穏やかな気持ちを抱き--------私はソッと意識を手放した。
無事に帰れたら、彼にうんと甘えよう…………。
そう心に決めて…………。
どうやら、視界に映る状況からして、私はテントの中で寝ていたらしい。
何だか、妙に頭がクラクラする…………。
そういえば、何でこんなところにいるんだっけ……?
おぼろげながら、記憶を思い返そうとして--------ふと、ある事を思い出す。
そうだ!
私は今、聖戦に出場していて…………。
それで、あの時…………!
「うっ…………!」
お腹の辺りに痛みを感じて、思わず顔が歪んだ。
思わずお腹の辺りに触れて、ある事に気づく。
この手触りは包帯……?
あれ……? 私、手にも包帯も巻いていたかしら……?
どうやら、私が寝ている内に治療を受けたようだ。
あまり状況がうまく飲み込めてはいないが、周りの状況を確認すべく、恐る恐る起き上がると、私はあるものを見つけて戦慄した。
それは見るからに怪しいげな奴が焚き火の前で鎮座しながら、こちらに背を向けて、何やら作業をしているようだった。
もしかしなくても、私の治療をしたのは間違いなく、目の前にいる人物だろう…………。
だが、今は聖戦の只中…………。
相手の素性が分からない以上、下手に信用するのは危険だ。
治療を受けておきながら、恩を仇で返すようで、申し訳ないけれど…………。
迂闊にも、私の近くに神託が置いてあった。
私はこっそりと神託のアイテムボックスからナイフを一振り取り出し、怪しい人物の背後に近寄り、覆い被さると、首筋にナイフを突きつけた。
そして、名前と私の処遇を問うと、体の感触からして、彼女が…………何事もないかのように手にした薪をくべた。
少しイラッとしながらも、再度問うと、彼女はキリエと名乗り、偶然にも私を見つけて治療したという。
キリエ!?
じゃあ、彼女が…………。
そんな風に一瞬だけ動揺した隙を彼女は見逃さず、次に目を開けた時には私は痛みに悶えながら、彼女にナイフを奪われ、逆にナイフを突き付けられていた。
どうやら、私はこれまでのようだ。
そう思ったが、何故か彼女はナイフを捨て、再び私の治療を行うと意識が朦朧としている私を再びテントまで運んで行った。
そして--------
「休んでなさい」
--------と、母親が我が子を諭すような、優しい口調で語り掛けて、私の頭を撫でてくれた。
何が何だかいまいち状況が理解出来なかったが、何故か彼女と接していると、心が暖かくなって、キュッと胸が苦しくなった。
何だか、一度経験した事があるかのような奇妙な既視感を覚えて--------ふと、彼女の背中に、ある人の面影が浮かび上がった。
そうだ。
彼女は彼に似ているんだ。
私の大切で、大好きな許嫁。
嫌々言いながらも、必ず私の側にいてくれて…………。
私が何か悩んでいたら、すぐに見抜いては心配してくれる。
いつも素っ気ない癖に、困った時には真摯に優しく手を差し伸べてくれる。
そんな彼のような…………。
大きく、安心出来る。
そんな彼の大きな後ろ姿に…………。
まるで、彼が側でいてくれているかのような、穏やかな気持ちを抱き--------私はソッと意識を手放した。
無事に帰れたら、彼にうんと甘えよう…………。
そう心に決めて…………。
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