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【3】旅行で少女。
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雨は夜には止んでいて、散らかった机の上を片付けていると鈴虫の鳴き声が聞こえ始めた。
片付けを手伝いながら改めて私は思う、ご主人サマにとっての私は何なんだろうと。そして、私にとってのご主人サマは何なんだろうと。ハートフルパートナー、と自分で名乗っておきながら、結局の所何をすべきなのか分かってなかった。それは反省すべき点だろう。お菓子を食べながらテレビを見たり、漫画を読みながらゴロゴロするのは楽しいし、魅力的なんだけど――でも、ちゃんんとご主人サマの為にも何かしてあげたい。
形だけの契約なんかじゃなくて、本来のパートナーとして。お別れするとき、ちゃんと「契約して良かった」と言ってもらえる様に。
「料理とか、覚えてみようかな……」
杏子さんに教わるのも良いかもしれない。
独り言が聞こえたのか「簡単なの教えよっか?」と言ってくれた。ありがたく頂戴する。明日帰るまでに少しだけでも教えてもらおう。
周りを見回せばお手伝いに来ている親戚の人が談笑していたりしていて、まだまだ賑やかな感じだった。明日また東京に戻るってことを思うと少し寂しくも思う。
「おい、ちょっと良いか?」
お皿を台所に置いているとお風呂から上がって来たご主人サマが手招きする。
「なんです?」
「いいからちょっと外来い」
おばさんとお姉ちゃんに目配せすると「行っておいで」と言ってくれたのでひょこひょこその後ろに着いて行く。
ただ呼ばれた、それだけなのに胸が少し高鳴った。これといって何かを期待してる訳じゃないんだろうけど、ただ単純にご主人サマに呼ばれた事が何となく嬉しかった。今までそんな事一度も無かったから――。
廊下を走って、靴は干してあるので玄関においてあったサンダルを拝借する。
扉は開いたままで、外に出ると煙草を吹かしながらご主人サマが待っていた。
「どーしたんですー?」
煙を吸い込む度に赤く光るそれはまるで蛍みたいにも見える。周りに明かりが殆どないから暗闇の中でぽー、ぽーと光ってちょっぽり綺麗だ。横に並んで空を見上げると、あれほど重く伸し掛かっていた雨雲はちぎれちぎれになり、所々から星が顔をのぞかせていた。
「ほーっ、東京からちょっと離れるだけでこんなに違うもんなんですねーっ」
戯けてみせる。
なのにぽー、ぽーっと相変わらずのご主人サマ。
話を切り出し辛いのか、それとも何かを考えてるのか。何の話なんだろうな――? とは思う。雨の中待っていた事だろうか。やっぱり契約破棄したいって話だろうか。そう言われても仕方ないとは思う。良い迷惑だろう。何の責任も無いのに「家においておくと危ない」って理由だけで私をここまで連れて来てくれて、考えればそれこそありがたい話だ。ご両親にもどう説明するかなんて私は何も考えてなかったのに、そんな面倒を差し置いても私を連れて来てくれた。パートナーが聞いて呆れる、本当に何も考えて無かったんだなぁ――。
改めて見上げた星空は少し冷たく見えて、秋の星空って意外とは薄情なんだなって卑屈になる。だからかご主人サマが何を考えてるかを考えても「どーせ分かる分けないか」と拗ねてしまう。――事実、分かる訳ないんだけど。
「で、どーしたんです?」
ならもういっそおちゃらけてみせた方が随分と楽だ。
「呼び出したのはそっちなのに、そっぽ向いたままなのはどうかと思いますよー? それに湯冷めしちゃいます。言いたい事があるならさっさと――、」
「見たらしいな」
「――ぇ……?」
思わず聞き逃しそうになる程、ぼそりとご主人サマは呟いた。
「映画、見たんだろ?」
感情の無い細い目が、ダラリと私を見つめていた。
タバコの煙が、その表情を燻り色を薄くして行く。何の興味も無さそうに投げかけられるその言葉は痛々しくて、触れる事すら躊躇われる程脆くて――、
「……見ました」
思わず俯いてしまう。耐えられなかった、その視線に。逃げてしまった事に自己嫌悪し、それでも尚顔をあげられずに居る。
「っ……」
自然と手に力が入っていた、奥歯を噛み締めていた。
相変わらず感情の無い声で、ご主人サマは続ける。
「……どうだった」
煙と一緒に吐き出し、夜空を仰ぐ。ジッと見つめられる視線をちらちらと見上げ、煙が掻き消されてしまう頃になってようやく息を吸い、お腹に力を入れて答える。
「すごく……、すごく素敵な映画でしたっ」
精一杯笑ってみせたつもりだった。
嘘なんかじゃない、本当に良い映画だと思ったんだ。
映し出される物は全部キラキラしてて、透き通るような美しさが有って――凄い、って思ったんだ。
――なのに、上手く言葉に出来なかった。
嘘をつく事しか出来なかった。
「…………」
空虚な目が私を見つめていた。
何の色も見えない、淀んだ灰色の目が。
ご主人サマは何も言わず、ただジッと私の事を見つめ、私も負けじと見つめ返す。必死に嘘じゃないと伝え続ける。上手く言葉に出来無いけど、上手くこの感情を貴方に伝える事は出来無いけど――、本当に凄いって思ったんです、と。
「……そうか」
しばらくしてそう呟くと再びタバコを吹かして「そうりゃそうだ」とまたぼんやり空を見上げた。
やっぱり何も分からなかった。彼が何を考えているのか、何を抱えているのか何一つ分からないし、自分の気持ちすら形にする事すら出来無い。それでもご主人サマは多分だけど、本当に何となくだけど――。少なくとも「帰れ」とは言わなかった。傍に居ても良いんだと、言ってくれてるような気がした。
だけどいまはそれでも良い。私の身長がご主人サマのそれに届かないように、背伸びしたって仕方ない。
何をしてあげれるのか分からない。何を出来るのかも分からない。もう時間も残されていない。でも――今はただ傍に居られるだけでいい。その限られた時間の中で出来る限りの事をしてあげよう。
――あと一週間かぁ。
随分と長いようで短い契約期間だなぁとは思う。でも、上等だ。まだまだ折り返し地点、ここからは本番ですっ――!
ご主人サマに倣って夜空を仰ぐと沈んだ気持ちは雲とともに、何処かに流れていってしまったようだった。秋の星々が煌めき、輝いていた。
「いいお天気ですねっ」
ふざけてみせる、戯けてみせる。
それで少しでもご主人サマの気持ちが和らぐとしたら私は――、
「――お、お兄ちゃん!!」
突然杏子さんが慌てて玄関から飛び出して来ると、電話の子機をご主人サマに突きつけた。
「朽木さんがっ……! 朽木さんが意識を取り戻したって!」
一瞬、ご主人サマの表情が固まった。
恐る恐る子機を受け取り、それでもまだ言葉に詰まっているようだった。
「荒太が目を覚ました……?」
口にくわえていた煙草は水溜りに落ち、音を立てて消えた。
片付けを手伝いながら改めて私は思う、ご主人サマにとっての私は何なんだろうと。そして、私にとってのご主人サマは何なんだろうと。ハートフルパートナー、と自分で名乗っておきながら、結局の所何をすべきなのか分かってなかった。それは反省すべき点だろう。お菓子を食べながらテレビを見たり、漫画を読みながらゴロゴロするのは楽しいし、魅力的なんだけど――でも、ちゃんんとご主人サマの為にも何かしてあげたい。
形だけの契約なんかじゃなくて、本来のパートナーとして。お別れするとき、ちゃんと「契約して良かった」と言ってもらえる様に。
「料理とか、覚えてみようかな……」
杏子さんに教わるのも良いかもしれない。
独り言が聞こえたのか「簡単なの教えよっか?」と言ってくれた。ありがたく頂戴する。明日帰るまでに少しだけでも教えてもらおう。
周りを見回せばお手伝いに来ている親戚の人が談笑していたりしていて、まだまだ賑やかな感じだった。明日また東京に戻るってことを思うと少し寂しくも思う。
「おい、ちょっと良いか?」
お皿を台所に置いているとお風呂から上がって来たご主人サマが手招きする。
「なんです?」
「いいからちょっと外来い」
おばさんとお姉ちゃんに目配せすると「行っておいで」と言ってくれたのでひょこひょこその後ろに着いて行く。
ただ呼ばれた、それだけなのに胸が少し高鳴った。これといって何かを期待してる訳じゃないんだろうけど、ただ単純にご主人サマに呼ばれた事が何となく嬉しかった。今までそんな事一度も無かったから――。
廊下を走って、靴は干してあるので玄関においてあったサンダルを拝借する。
扉は開いたままで、外に出ると煙草を吹かしながらご主人サマが待っていた。
「どーしたんですー?」
煙を吸い込む度に赤く光るそれはまるで蛍みたいにも見える。周りに明かりが殆どないから暗闇の中でぽー、ぽーと光ってちょっぽり綺麗だ。横に並んで空を見上げると、あれほど重く伸し掛かっていた雨雲はちぎれちぎれになり、所々から星が顔をのぞかせていた。
「ほーっ、東京からちょっと離れるだけでこんなに違うもんなんですねーっ」
戯けてみせる。
なのにぽー、ぽーっと相変わらずのご主人サマ。
話を切り出し辛いのか、それとも何かを考えてるのか。何の話なんだろうな――? とは思う。雨の中待っていた事だろうか。やっぱり契約破棄したいって話だろうか。そう言われても仕方ないとは思う。良い迷惑だろう。何の責任も無いのに「家においておくと危ない」って理由だけで私をここまで連れて来てくれて、考えればそれこそありがたい話だ。ご両親にもどう説明するかなんて私は何も考えてなかったのに、そんな面倒を差し置いても私を連れて来てくれた。パートナーが聞いて呆れる、本当に何も考えて無かったんだなぁ――。
改めて見上げた星空は少し冷たく見えて、秋の星空って意外とは薄情なんだなって卑屈になる。だからかご主人サマが何を考えてるかを考えても「どーせ分かる分けないか」と拗ねてしまう。――事実、分かる訳ないんだけど。
「で、どーしたんです?」
ならもういっそおちゃらけてみせた方が随分と楽だ。
「呼び出したのはそっちなのに、そっぽ向いたままなのはどうかと思いますよー? それに湯冷めしちゃいます。言いたい事があるならさっさと――、」
「見たらしいな」
「――ぇ……?」
思わず聞き逃しそうになる程、ぼそりとご主人サマは呟いた。
「映画、見たんだろ?」
感情の無い細い目が、ダラリと私を見つめていた。
タバコの煙が、その表情を燻り色を薄くして行く。何の興味も無さそうに投げかけられるその言葉は痛々しくて、触れる事すら躊躇われる程脆くて――、
「……見ました」
思わず俯いてしまう。耐えられなかった、その視線に。逃げてしまった事に自己嫌悪し、それでも尚顔をあげられずに居る。
「っ……」
自然と手に力が入っていた、奥歯を噛み締めていた。
相変わらず感情の無い声で、ご主人サマは続ける。
「……どうだった」
煙と一緒に吐き出し、夜空を仰ぐ。ジッと見つめられる視線をちらちらと見上げ、煙が掻き消されてしまう頃になってようやく息を吸い、お腹に力を入れて答える。
「すごく……、すごく素敵な映画でしたっ」
精一杯笑ってみせたつもりだった。
嘘なんかじゃない、本当に良い映画だと思ったんだ。
映し出される物は全部キラキラしてて、透き通るような美しさが有って――凄い、って思ったんだ。
――なのに、上手く言葉に出来なかった。
嘘をつく事しか出来なかった。
「…………」
空虚な目が私を見つめていた。
何の色も見えない、淀んだ灰色の目が。
ご主人サマは何も言わず、ただジッと私の事を見つめ、私も負けじと見つめ返す。必死に嘘じゃないと伝え続ける。上手く言葉に出来無いけど、上手くこの感情を貴方に伝える事は出来無いけど――、本当に凄いって思ったんです、と。
「……そうか」
しばらくしてそう呟くと再びタバコを吹かして「そうりゃそうだ」とまたぼんやり空を見上げた。
やっぱり何も分からなかった。彼が何を考えているのか、何を抱えているのか何一つ分からないし、自分の気持ちすら形にする事すら出来無い。それでもご主人サマは多分だけど、本当に何となくだけど――。少なくとも「帰れ」とは言わなかった。傍に居ても良いんだと、言ってくれてるような気がした。
だけどいまはそれでも良い。私の身長がご主人サマのそれに届かないように、背伸びしたって仕方ない。
何をしてあげれるのか分からない。何を出来るのかも分からない。もう時間も残されていない。でも――今はただ傍に居られるだけでいい。その限られた時間の中で出来る限りの事をしてあげよう。
――あと一週間かぁ。
随分と長いようで短い契約期間だなぁとは思う。でも、上等だ。まだまだ折り返し地点、ここからは本番ですっ――!
ご主人サマに倣って夜空を仰ぐと沈んだ気持ちは雲とともに、何処かに流れていってしまったようだった。秋の星々が煌めき、輝いていた。
「いいお天気ですねっ」
ふざけてみせる、戯けてみせる。
それで少しでもご主人サマの気持ちが和らぐとしたら私は――、
「――お、お兄ちゃん!!」
突然杏子さんが慌てて玄関から飛び出して来ると、電話の子機をご主人サマに突きつけた。
「朽木さんがっ……! 朽木さんが意識を取り戻したって!」
一瞬、ご主人サマの表情が固まった。
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