15 / 34
【4】ひと休みしましょうじょ?
4-2
しおりを挟む
◇
「荒太が……?」
ご主人サマは呆然と呟くと、そのまま足早に玄関へと向かっていた。
「えっ、ちょちょっと! お兄ちゃん!」
杏子さんが慌てて声をかけるが既に靴を脱ぎ、家に上がってしまっている。
――荒太さんって、あの映画を一緒に作ったって言う?
監督の所にその名前が有った気がする。慌ててお姉ちゃんに続いて私も後を追うと靴は玄関に脱ぎ散らかされていて、廊下の奥からおばさんが何事かと顔を覗かせていた。
「なんでもないからっ!」
廊下を走り抜けながらそう告げるお姉ちゃんだったけど、集まっていた人々までざわめき始めていた。「あの子ったらもう」と愚痴をこぼすおばさんの声。よくよく考えれば自分の妻の一周忌を放ってドタバタと何かしているとなれば、お咎めの一つあってもおかしくはない。それでも大した騒ぎにならないのは、ご主人サマのそう言う所を認めているのか、もしくはそう言った事情を考えて控えてる事を知っているのか――、何にせよ私たち以外にご主人サマの様子を見に来ようとはしなかった。
ようやく部屋に辿り着くと乱暴に荷造りをする姿が飛び込んで来る。
「ちょっと落ち着きなよ!」
杏子さんが肩を掴むけど、ご主人サマは乱暴にそれを振り払うばかりで取り合おうともしない。
部屋に沈黙が訪れ、黙々と鞄に荷物を詰める音だけが響く。
「わ、わたしもっ……!」
――このままだと置いていかれる。
そう思い急いでリュックか出していた漫画や着替えを詰め直し始めるけど、手元が焦って上手く中に仕舞えない。
「あっ……、もうっ……!」
そうこうしてるうちにご主人サマは荷物を持って部屋から出て行ってしまった。
杏子さんも私を気にしつつも、その姿を追いかけて行く。廊下から怒鳴る声が聞こえて来るけど、構わず鞄の中に荷物を詰め込む事に専念する。
「ああっもー! なんでこんなもんまでっ!」
どうでも良いような小物まで詰め込んで来た事を若干後悔しつつ、どうにかこうにかリュックに詰め込む。急いで重くなったそれを背負い追いかけた時にはご主人サマはもう靴を履き、玄関をくぐる所だった。
「お兄ちゃんッ!」
必死な杏子お姉ちゃんの声が響く。流石に悲鳴のようなその声を無視する事が出来無くなったのか、騒いでいた親戚の人達も顔を覗かせ、事の成り行きを見守り始める。
「……なんだ」
足を止め、ジロリと振り返るご主人サマ。
長い髪の隙間から見える細い目が、一瞬、鋭い光を帯びたように感じ、思わず足がすくんだ。
「何処行くつもり……?
「病院に決まってるだろう」
静かに告げられる言葉にぞくっと背筋が凍った。
「ぁ……、あれ……?」
急に冷たくなった指先を見つめるとそれは小刻みに震えていた。
「な、なんで……、」
足も竦んでしまって動けない。自分もご主人サマに何か言いたいのに唇も震えて、言葉が出てこない。
――怖い……怖いっ……!
あんな目をした姿を見るのは初めてだった。いままで何をしても叱りはしても、怒りはしなかった。それなのにその目には明らかな殺意にも似た怒りが感じられて……、いまにも泣き出しそうになりながらそれでも足を踏み出そうとして見えない何かに触れて、また涙が溢れて、それ以上動けなくなった。
「いまからじゃ東京まで戻れないよ! 電車無くなってるってば!」
「タクシー捕まえれば良いだろ」
「マキちゃんの事どうするのよ! 一人置いてくつもりッ!?」
杏子さんを見ていた目が、まるで獣のような目が、私を見つめる。
「ぁっ……、」
思わず後ずさってしまった。
あれ程まで大切に思ったのに、何かをしてあげたいと思ったはずなのに――。
「あっ……」
その姿を拒絶するかの様に体は反応し、後ろへと下がる。
少しでも目から、ご主人サマから逃げようとするかの様に。
「…………」
「お兄ちゃんっ……!」
必死に杏子さんが叫び、やがてご主人サマの目から光は抜けてゆき、何も残らなくなった。
どんよりとした暗い瞳だけが私を見つめる。
何を思ってるんだろう、何を考えてるんだろう……。
いつしか恐怖は薄れ、代わりにどうしようもなく切ない気持ちが溢れて来る。
――かわいそうだ。
ただ黒いだけの瞳を前に、そう思った。
いまさっき逃げようとした自分には情けなくなる。いますぐにでも全部投げ出して逃げ出したい位だ。――けど、私の前にあるその目を見ているとそんな事もどうでも良くなって来る。
「っ――――」
思った次の瞬間には抱きついていた。自分よりも一回りも二回りも大きく感じるその体にしがみついていた。
「――落ち着いて、大丈夫、きっと大丈夫だから……落ち着いて下さいっ……」
精一杯抱きしめる。
私の体よりも一回りも、二周りも大きな体はいつもよりも小さく感じて、
「怖くないよ、だいじょうぶだから……」
なんだか、子供みたいだと思った。
翌朝、日も登らないうちにご主人サマが布団から這い出すのを感じて私は目を覚ました。本当に始発で帰るらしく、黙って家を出ようとする姿におばさんは目を擦りながら呆れてた。
「たまには帰って来なさいよ」
そう言われ、小さく頷く様子は昨日よりも落ち着いたように見える。ただ、目の下には隈ができていて憔悴しきっていて、気が抜けない感じはした。
「マキちゃんも、何か困った事が有ったらすぐ連絡してね? 気を使わなくていいから」
目線の高さまで腰を曲げておばさんが微笑む。
「はい、また遊びに来ます」
私も笑顔で答えるけれど、それがもう無い事位分かってる。たった一晩だけだったけど家族って言うものがなんだか羨ましかった。
「おい、行くぞ」
停車しているタクシーにご主人サマが荷物を持ち上げ近づいていく。私もおばさんに一礼してその後を追った。
「妹さんには挨拶しなくて良いんですか?」
車に乗り込み、ドアを閉めてから聞いてみる。
「きっと怒りますよー?」
私も挨拶するかどうか悩んだが、どうやらまだ寝ているらしく部屋は静かなままだった。昨日夜遅くまで他の人と話していたようだからそれでだろう。
「知らん」
素っ気ない態度は相変わらずだ。ただその反面、いつもと変わらない反応は少しほっとする。
「あーぁ、もう少しぐらい素直になれば良いですのにー」
って言ってもご主人サマは何も言わないんですけどねー。
折角だし、自分だけでも最後の別れを済ませようと窓を開けると家の中から飛び出して来る姿が見えた。
「ぁっ――」
「ゲームばっかしてんなよー、バカ兄貴ーっ!」
朝の静かな軒先から元気な声上がる。
「ッの、バカ――」
ご主人サマが小さく舌打ちし「出して下さい」と伝えると、車は静かに動き出す。
後ろを見ると玄関から杏子さんが駆け寄って来て、道の真ん中で大きく手を振っていた。見る見るうちにその姿は小さくなり、やがて道が曲がった事で見えなくなった。
「……仲がいいんですねぇ」
座席に座り直し、流れて行く景色を眺めつつ呟く。
「私、また来たいですっ」
そんな私の戯言に対してご主人サマは何も言わなかった。
でも、ただ嬉しかった。こうして見送られる事が、ご主人サマの隣に座っている事が。
それからまた電車に乗り換え、東京へと向かう。東京に近づくに連れご主人サマの口数は減っていき、私が何を言っても「ああ」だとか「おう」としか答えてくれなくなった。窓から遠くを見つめて上の空。車内サービスでお姉さんが回って来たから「お弁当買って良い?」と訪ねると「ああ」、「今晩はステーキが食べたいな」と言えば「おう」、「明日から見たい映画が始まるんだけど!」と言えば「わかった」。
何でもかんでも約束を取り付けられるのはいいけど、何処まで覚えているかなんて定かじゃない。いっその事録音してみようか、と思ったけれどご主人サマの携帯電話の電池は目の前で音を立てて切れ、私自身にはそんな機能備わっていなかった。
「ぬぅ……」
歯がゆい気持ちを堪えつつ、静かにお弁当の端に盛りつけられていたぶどうを摘む。
「どうすればいいんでしょうねぇ……」
そんな風に呟いてみても全く反応を示さないご主人サマが徐々に心配になって来た。様子がおかしいのは分かってる。けどなんて表現したら良いのか分からない。心ここにあらず、と言うべきか……。まるで抜け殻になったかのような様子でボーッと窓の外を眺めていて、時折苦いものでも噛んだような表情を見せる。
原因は例の「朽木荒太さん」って人なんだろうけど、生憎その人に付いての話は全く聞き出せなかった。
杏子さんが言うには「高校時代からの悪友」だそうだけど、それがどう関係してるのかは分からないしその事をご主人サマに聞く事だけは避ける様に釘を刺されてしまった。
「んぅ……、杇木さんってどういう方なんんです?」
駄目元で聞いてみる。
「――バカだよ」
「――――ぇ?」
また気の無い返事が返ってくるのかと思いきや、以外とちゃんとした言葉が返って来る。
「根っからのバカで、大バカ者だ」
「…………」
それ以上、私は何も聞けなかった。
――笠井ミサトさん……、朽木荒太さん。そして……、ご主人サマ。
あの映画を撮った3人に何かあったんだろうか……?
流れていく景色は紅葉に染まり、綺麗だったのだけど……来る時よりも随分と長く感じた。
◇
「荒太が……?」
ご主人サマは呆然と呟くと、そのまま足早に玄関へと向かっていた。
「えっ、ちょちょっと! お兄ちゃん!」
杏子さんが慌てて声をかけるが既に靴を脱ぎ、家に上がってしまっている。
――荒太さんって、あの映画を一緒に作ったって言う?
監督の所にその名前が有った気がする。慌ててお姉ちゃんに続いて私も後を追うと靴は玄関に脱ぎ散らかされていて、廊下の奥からおばさんが何事かと顔を覗かせていた。
「なんでもないからっ!」
廊下を走り抜けながらそう告げるお姉ちゃんだったけど、集まっていた人々までざわめき始めていた。「あの子ったらもう」と愚痴をこぼすおばさんの声。よくよく考えれば自分の妻の一周忌を放ってドタバタと何かしているとなれば、お咎めの一つあってもおかしくはない。それでも大した騒ぎにならないのは、ご主人サマのそう言う所を認めているのか、もしくはそう言った事情を考えて控えてる事を知っているのか――、何にせよ私たち以外にご主人サマの様子を見に来ようとはしなかった。
ようやく部屋に辿り着くと乱暴に荷造りをする姿が飛び込んで来る。
「ちょっと落ち着きなよ!」
杏子さんが肩を掴むけど、ご主人サマは乱暴にそれを振り払うばかりで取り合おうともしない。
部屋に沈黙が訪れ、黙々と鞄に荷物を詰める音だけが響く。
「わ、わたしもっ……!」
――このままだと置いていかれる。
そう思い急いでリュックか出していた漫画や着替えを詰め直し始めるけど、手元が焦って上手く中に仕舞えない。
「あっ……、もうっ……!」
そうこうしてるうちにご主人サマは荷物を持って部屋から出て行ってしまった。
杏子さんも私を気にしつつも、その姿を追いかけて行く。廊下から怒鳴る声が聞こえて来るけど、構わず鞄の中に荷物を詰め込む事に専念する。
「ああっもー! なんでこんなもんまでっ!」
どうでも良いような小物まで詰め込んで来た事を若干後悔しつつ、どうにかこうにかリュックに詰め込む。急いで重くなったそれを背負い追いかけた時にはご主人サマはもう靴を履き、玄関をくぐる所だった。
「お兄ちゃんッ!」
必死な杏子お姉ちゃんの声が響く。流石に悲鳴のようなその声を無視する事が出来無くなったのか、騒いでいた親戚の人達も顔を覗かせ、事の成り行きを見守り始める。
「……なんだ」
足を止め、ジロリと振り返るご主人サマ。
長い髪の隙間から見える細い目が、一瞬、鋭い光を帯びたように感じ、思わず足がすくんだ。
「何処行くつもり……?
「病院に決まってるだろう」
静かに告げられる言葉にぞくっと背筋が凍った。
「ぁ……、あれ……?」
急に冷たくなった指先を見つめるとそれは小刻みに震えていた。
「な、なんで……、」
足も竦んでしまって動けない。自分もご主人サマに何か言いたいのに唇も震えて、言葉が出てこない。
――怖い……怖いっ……!
あんな目をした姿を見るのは初めてだった。いままで何をしても叱りはしても、怒りはしなかった。それなのにその目には明らかな殺意にも似た怒りが感じられて……、いまにも泣き出しそうになりながらそれでも足を踏み出そうとして見えない何かに触れて、また涙が溢れて、それ以上動けなくなった。
「いまからじゃ東京まで戻れないよ! 電車無くなってるってば!」
「タクシー捕まえれば良いだろ」
「マキちゃんの事どうするのよ! 一人置いてくつもりッ!?」
杏子さんを見ていた目が、まるで獣のような目が、私を見つめる。
「ぁっ……、」
思わず後ずさってしまった。
あれ程まで大切に思ったのに、何かをしてあげたいと思ったはずなのに――。
「あっ……」
その姿を拒絶するかの様に体は反応し、後ろへと下がる。
少しでも目から、ご主人サマから逃げようとするかの様に。
「…………」
「お兄ちゃんっ……!」
必死に杏子さんが叫び、やがてご主人サマの目から光は抜けてゆき、何も残らなくなった。
どんよりとした暗い瞳だけが私を見つめる。
何を思ってるんだろう、何を考えてるんだろう……。
いつしか恐怖は薄れ、代わりにどうしようもなく切ない気持ちが溢れて来る。
――かわいそうだ。
ただ黒いだけの瞳を前に、そう思った。
いまさっき逃げようとした自分には情けなくなる。いますぐにでも全部投げ出して逃げ出したい位だ。――けど、私の前にあるその目を見ているとそんな事もどうでも良くなって来る。
「っ――――」
思った次の瞬間には抱きついていた。自分よりも一回りも二回りも大きく感じるその体にしがみついていた。
「――落ち着いて、大丈夫、きっと大丈夫だから……落ち着いて下さいっ……」
精一杯抱きしめる。
私の体よりも一回りも、二周りも大きな体はいつもよりも小さく感じて、
「怖くないよ、だいじょうぶだから……」
なんだか、子供みたいだと思った。
翌朝、日も登らないうちにご主人サマが布団から這い出すのを感じて私は目を覚ました。本当に始発で帰るらしく、黙って家を出ようとする姿におばさんは目を擦りながら呆れてた。
「たまには帰って来なさいよ」
そう言われ、小さく頷く様子は昨日よりも落ち着いたように見える。ただ、目の下には隈ができていて憔悴しきっていて、気が抜けない感じはした。
「マキちゃんも、何か困った事が有ったらすぐ連絡してね? 気を使わなくていいから」
目線の高さまで腰を曲げておばさんが微笑む。
「はい、また遊びに来ます」
私も笑顔で答えるけれど、それがもう無い事位分かってる。たった一晩だけだったけど家族って言うものがなんだか羨ましかった。
「おい、行くぞ」
停車しているタクシーにご主人サマが荷物を持ち上げ近づいていく。私もおばさんに一礼してその後を追った。
「妹さんには挨拶しなくて良いんですか?」
車に乗り込み、ドアを閉めてから聞いてみる。
「きっと怒りますよー?」
私も挨拶するかどうか悩んだが、どうやらまだ寝ているらしく部屋は静かなままだった。昨日夜遅くまで他の人と話していたようだからそれでだろう。
「知らん」
素っ気ない態度は相変わらずだ。ただその反面、いつもと変わらない反応は少しほっとする。
「あーぁ、もう少しぐらい素直になれば良いですのにー」
って言ってもご主人サマは何も言わないんですけどねー。
折角だし、自分だけでも最後の別れを済ませようと窓を開けると家の中から飛び出して来る姿が見えた。
「ぁっ――」
「ゲームばっかしてんなよー、バカ兄貴ーっ!」
朝の静かな軒先から元気な声上がる。
「ッの、バカ――」
ご主人サマが小さく舌打ちし「出して下さい」と伝えると、車は静かに動き出す。
後ろを見ると玄関から杏子さんが駆け寄って来て、道の真ん中で大きく手を振っていた。見る見るうちにその姿は小さくなり、やがて道が曲がった事で見えなくなった。
「……仲がいいんですねぇ」
座席に座り直し、流れて行く景色を眺めつつ呟く。
「私、また来たいですっ」
そんな私の戯言に対してご主人サマは何も言わなかった。
でも、ただ嬉しかった。こうして見送られる事が、ご主人サマの隣に座っている事が。
それからまた電車に乗り換え、東京へと向かう。東京に近づくに連れご主人サマの口数は減っていき、私が何を言っても「ああ」だとか「おう」としか答えてくれなくなった。窓から遠くを見つめて上の空。車内サービスでお姉さんが回って来たから「お弁当買って良い?」と訪ねると「ああ」、「今晩はステーキが食べたいな」と言えば「おう」、「明日から見たい映画が始まるんだけど!」と言えば「わかった」。
何でもかんでも約束を取り付けられるのはいいけど、何処まで覚えているかなんて定かじゃない。いっその事録音してみようか、と思ったけれどご主人サマの携帯電話の電池は目の前で音を立てて切れ、私自身にはそんな機能備わっていなかった。
「ぬぅ……」
歯がゆい気持ちを堪えつつ、静かにお弁当の端に盛りつけられていたぶどうを摘む。
「どうすればいいんでしょうねぇ……」
そんな風に呟いてみても全く反応を示さないご主人サマが徐々に心配になって来た。様子がおかしいのは分かってる。けどなんて表現したら良いのか分からない。心ここにあらず、と言うべきか……。まるで抜け殻になったかのような様子でボーッと窓の外を眺めていて、時折苦いものでも噛んだような表情を見せる。
原因は例の「朽木荒太さん」って人なんだろうけど、生憎その人に付いての話は全く聞き出せなかった。
杏子さんが言うには「高校時代からの悪友」だそうだけど、それがどう関係してるのかは分からないしその事をご主人サマに聞く事だけは避ける様に釘を刺されてしまった。
「んぅ……、杇木さんってどういう方なんんです?」
駄目元で聞いてみる。
「――バカだよ」
「――――ぇ?」
また気の無い返事が返ってくるのかと思いきや、以外とちゃんとした言葉が返って来る。
「根っからのバカで、大バカ者だ」
「…………」
それ以上、私は何も聞けなかった。
――笠井ミサトさん……、朽木荒太さん。そして……、ご主人サマ。
あの映画を撮った3人に何かあったんだろうか……?
流れていく景色は紅葉に染まり、綺麗だったのだけど……来る時よりも随分と長く感じた。
◇
0
あなたにおすすめの小説
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる