幸せを噛みしめて

ゆう

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始まりは

高校生になってから8

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「ぁ…あ…やだ、こわい…」

 優しく、時には少し乱暴に俺の身体に秋人の印がつけられていく。
 頬に首筋に胸に、お腹に。
 どんどん上から下に熱が帯びていく。
 発情期の時は何も考えられないのに。
 それが今はしっかり理性が残っている。
 優しく俺の性器を撫でで、もう片方の手でゆっくり後孔が開かれる。

じれったい。
でも怖い。

 ゆっくりと開いたそこに、秋人の熱棒があてがわれる。

「…──、っあああ」

 足を大きく広げさせられ、俺との繋がりが見えるように挿入されていく。
 こんなに生々しく感覚を感じるのは初めてだった。
 
「あっ、あっ、や、そこ…」
 
「っ、ゆき、ゆき…」

 ゆっくり挿入しながら何度も名前を呼んで、顔にキスが落とされる。
 激しくない優しいセックスの仕方が俺にはどうしていいか分からなった。
 熱棒が奥を進む度、ぞくぞくと刺激が身体を駆け抜ける。
 奥にもっと奥に欲しいと身体が訴えた。
 
 くちゅりと俺の奥まで熱棒が届くと、そこからゆっくり律動が始まる。
 ぐちゅぐちゅっと次第に多きな音が零れだし、奥から快楽が引き出される。
 
「んっ、っ…、やだぁ…ッ」
 
「やだ、って気持ち良くない?」
 

 やだなんて嘘。
 本当はもっと、もっと欲しい。
 ふるふると首を振るうと、ふっと秋人は優しく微笑んだ。
 理性が残ってる中では恥ずかしくて言えないけど、優しく抱かれるのが気持ちよくてこんなにも幸せだって思えた。
 

「…ゆき、ゆきだけがおれの番だから…」

 じわりとうなじにある番の跡に熱が灯るのが分かった。
 
 なんてΩは単純な生き物なんだ。
 その言葉が嬉しくて、じわりと目頭が熱くなった。
 俺だけの、俺だけの番でいて…。
素直になれない言葉が何度も喘ぎ声として零れた。

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