幸せを噛みしめて

ゆう

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新しい世界

生徒会

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「と、言うわけなんだけど、雪ちゃんもお手伝いとして働いてもらってもいい?」
 
 
 俺は目の前の光景に驚き、渚の言葉は右から左へと抜けていった。
 生徒会室には息子たちの面影を残す彼らが全員集合していたのだから。
 入学式で在校生代表として長男似の彼が話しているのは見たが、生徒会長だったとは。
 ひらひらと俺に手を振る圭。
 相変わらず表情を変えない祐希。
 どこか上の空の修斗。
 
「渚、俺はお前の事を小さい時から知っているから推薦したが、その人は編入生だろう?手伝いといってもこの学校の事何もしらないのであれば足を引っ張るだけなのでは?」
 
 そう言ったのはもちろん生徒会長の直人。
 めちゃくちゃ正論です。その通り。さすがは長男だった男だ。
 
「じゃあ俺と一緒に一週間お試しってのは?できなかったら諦めるからー」
 
(俺の主張は言えなさそうなこの雰囲気…渚…なんて事してくれるんだ)
 まったく…と直人は渚の事をかなり信頼しているのだろう、ため息をつきつつ一週間経って使えなかったら切るといって渚の意見が通った。
 
「入学早々、一年生交流会とか体育祭とか、色々ありすぎなんだよねー。じゃ、一週間よろしくね雪ちゃん」
 
 その渚の笑顔は悪魔の笑顔のように見えたのは俺だけだろうか。
 
「よ、よろしく」
 
 上手く笑顔を返せたかは分からないが、渚は嬉しそうだったので、まぁいいかと思った。
 
「では改めまして、生徒会長の一条直人イチジョウナオトです。渚の頼みですが、特別扱いはしません。一週間より早く根をあげないでくださいね」
 
「あ、はい。中山雪です。よろしくお願いします…」
 
 αのような圧倒的オーラに身体がびくりと反応する。
(絶対逆らったらいけないやつだ)
 
「んー、じゃあ改めて自己紹介しとくー?生徒会副会長の西園寺圭サイオンジケイ。よろしくね~雪ちゃん♪圭って呼んでいいよ」
 
「あ、はい…圭先輩…」
 
 圭…お前、副会長だったのか、やるときはやる子だもんね。
 遊んでばかりじゃないって信じてるぞ。
 
「二年、生徒会会計の九条祐希クジョウユウキです」
 
「よろ…しくお願いします…」
 
 相変わらず表情は変わらないけど、今絶対迷惑ごと増やすなって顔だったな。
 
「書紀やってる二年の広幡修斗ヒロハタシュウト……よろしく」
 
 相変わらずどこか上の空というか興味なさそうな修斗。
 修斗が生き生きしてる時は動物たちと触れ合ってる時だけって知ってるんだぞ母は。
 
 
「最後は俺だね!徳大寺渚トクダイジナギサだよ~、同じ一年だし渚ってよんでね」
 
「あ、ああ…」
 
 そんな感じで俺の慌ただしい一週間が始まった。
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