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新しい世界
危険な週末3
しおりを挟むシャワールームを出た俺たちはそのままベッドでも身体を重ねていた。
激しいものではなく、ゆっくりとしたスローセックスだ。
気持ちいいところをゆっくり突かれ、甘い刺激が心地よい。
うなじを甘噛みされ、自分の番のようにキスマークを付けようとするので少し可笑しかった。
「もうオメガ性なんてないのに」
「ああ」
もちろん生前の噛み痕も残っていないのにうなじを撫でて愛おしそうにする秋人。
こうやって、何度身体を重ねても、同じ性別だと子供も出来ない。
子宮がなくて、中で精を吐いても留まる場所がない。
それでも秋人はあったであろう場所をぐちゅぐちゅに精でいっぱい満たしてしまうのは無意識なのか本能なのか。
「も、秋人でいっぱいだから…」
外が白んできて、もうこんな時間まで抱き合っていたのかと気づく。
「秋人…ベッド狭いけど、一緒にねよ…」
そこでようやく俺の中からずるりと肉棒が抜けた。
αは精力が強いなんていうけど、こっちの秋人もかなり絶倫だ…。
「雪の部屋のベッド…もっと広いものに変えるか…」
「んっ、…ん?」
俺の部屋は二人部屋で、同居人が居ないので実質一人部屋だが、ベッド自体はシングルベッドで、男二人が寝るにはキツイ。
(ちなみに圭の豪華な部屋はダブルベッドサイズだった)
俺の身長は166㎝のやせ型だが秋人は192㎝もあって鍛えてある身体は三十代といえど若々しい体格だ。
俺以外の皆は秋人の血を濃く受け継いだのか身長が高い。
渚もなんだかんだ可愛らしい顔をしても高校一年で176cmある。
「まぁ三年間の我慢だな…卒業したら広い家に住もう」
人生プラン決めるの早すぎだろと苦笑する。
まだ俺一年生だけど。
秋人が俺の髪を梳きながら、俺は秋人の楽しそうな話を聞きく。
それもすぐに睡魔の限界がきて、急激に瞼が重くなったのを感じた。
「おやすみ雪…」
「おやすみ」
俺達は狭いベッドで寄り添って寝た。
・
・
・
今日が土曜日でよかった。
次に目覚めたのは夕方で、秋人がデリバリーでご飯を用意してくれていた。
身体が学食まで動けそうになかったので、ありがたい。
秋人は普段学園に住んでいるわけではなく、近くに家があるらしい。
そこからお手伝いさんが来てくれていて、俺の荒れたシャワールームなどの部屋を片付けくれていた。
秋人の服も届けられていてよかった。
自分のサイズでは到底入いらないだろう。ちんちくりんな服を着てる秋人も見てみたかったけど。と頭の中で想像して笑った。
「へー…秋人って、この学園以外にも仕事しているんだねー」
「ここは近衛グループの一つだ。学校経営以外にも色んな分野の会社を持っている。雪が三年間過ごすから今はここを中心拠点として動いているだけだ」
(※近衛は秋人の上の名前)
秋人は本当に俺の事中心に動いてくれていてびっくりした。
用意されたごはんを何とか身体だけ起こしベッドで食べながら、秋人は秘書さんと、テーブルでお仕事していて、なんか不思議な空間だった。
お腹が満たされるとまた眠くなって、秋人が休日仕事頑張っている横ですやすやと眠りについた。
次に目が覚めたら秋人も一緒に寝ていたので、今夜もここに泊まるらしい。
「秋人~目覚めちゃった…なんか話してよ…」
「雪…おまえ…今何時だと思ってる…」
ゆさゆさと寝ている秋人を揺さぶってみると、むちゃくちゃ不機嫌な声で返された。
流石にごめんと誤って、シャワーを浴びる事にする。
携帯が光っていたので、確認してみると圭から連絡が入っていた。
「朝起きたらホテルに置き去りにされた女性のような気持ちになりました。悲しいです」
と、冗談なのか本当なのか、圭のメールにクスッとしてしまった。
一応生徒会とは連絡先を交換していたので、勝手に帰ってごめんなさい。とだけ返信して携帯を閉じた。
秋人は寝たままで、構って貰えそうにない。
かと言って、もう深夜2時回っており、出歩くわけにもいかず、キッチンで牛乳を温めて飲み、また睡魔が訪れるまで秋人の背中にくっついて、瞼を閉じた。
日曜日は、体調も良くなり(主に下半身)、秋人の仕事ぶりを見ながら、自分も勉強する事にした。
一度勉強した事ある物は基本的に見直せば習得出来たのは有難い。
応用問題を解きながら、懐かしいなぁなんて思う。
(はっ!そうだ!担任が和真なんだから、分からないフリして聞きに行けば話が出来るんじゃない?)
担任になった和真からは、色々と気に留めて貰っているが、あまり話す機会がなくて残念に思っていた。
また友達になろうなんて言える立場ではないが、少しでも日常的な会話が出来たらいいなーなんて思って、俺は質問出来そうな所をピックアップし始めた。
俺がワクワクしだしたので、秋人から怪しむような目で見られたが、全然変なことではないので問題ないぞ!
圭と途中で抜けた事が噂になってなかったらいいけど…明日から学校に行く不安もあったが、もしかしたら和真とまた話したり出来るようになるかもと思えば学校に行くのが楽しみになった。
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