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新しい世界
危険な週末2
しおりを挟む「雪、早くこっちにおいで」
「…はい」
秋人の目を反らすことが出来ない。
靴を脱いで、一歩ずつ秋人に近づく。
目の前に立つと、ぐっと腕を掴まれ、身体を寄せられる。
首筋に顔を埋められぞくりとした。
「こんなに他の男の匂いをさせて、雪は初日に言った事覚えてないのかな?」
「…っ」
秋人の言う事が正論すぎて返す言葉が見つからない。
暴力的ではない言葉なのに俺の身体は震えた。
秋人に身体を抱きかかえられると、そのままシャワールームに連れていかれた。
せっかく秋人が用意してくれたシャツとズボンは見るも無残に引きちぎられ、裸になった俺は抱えられたままシャワールームに押し込まれた。
ザァァとシャワーヘッドから勢いよく水飛沫をたてて俺の身体を濡らす。
ボディソープをスポンジにつけると秋人が俺の身体をゴシゴシと強く洗い始める。
「ひ、痛っ、秋人ッ自分で…ぅ、洗えるからっ」
俺の言葉は水に流されたように聞いてもらえず、手を止めてもらえない。
本当に汚いものを洗い落とすかのような洗い方だった。
白い肌は赤く染まり、圭の痕跡を消していった。
「ここも赤くなってる…雪…使ったの?」
するりと手で双丘の間の蕾を撫でられる。
まだそこはローションでぬるりとしていた。
否定しても、肯定しても怒られる事が分かっている俺は何も言えなくなり身体を固くした。
返事がない俺に、さらに気を悪くしたのか、秋人の指が遠慮なくぐちゅりと侵入してきた。
「ッッ…!」
「ああ…、こんなに柔らかくなって…ねぇ雪。自分の息子と同じ顔をした男とセックスしたの?気持ちよかった?」
その言葉に胸がズキリと痛み俺の目から涙が零れた。
今更後悔しても遅いのに、あの瞬間の身体は確かに圭を欲したのだ。
「…ごめんなさい…ごめんなさい…」
許されないと分かっていても何度も同じ言葉を紡いだ。
「…雪、雪の番は誰?」
「秋人…秋人だけ…」
「他は見るな雪…」
「はい」
震える唇を秋人の指が撫でた。
秋人の表情もどこか泣きそうに見えたのは、シャワーで濡れているせいか、それとも…。
俺の世界は今秋人一色だ。
俺の番は一人、秋人だけ。
そう刷り込まれたように頭の中は秋人でいっぱいだった。
今世は一人で自由に生きたいという希望は、今はもう秋人によってかき消されていた。
「う、んッ、んんッはぁ…はっ」
唇が重なり、秋人の温度を感じているはずなのに水で流されていくような錯覚に陥り、首に回した腕で動かないよう固定して何度も口づけを要求する。
俺の中に埋められた肉棒が挿入を繰り返すたび水と一緒に入ってきてまるで洗浄されているようだった。
(秋人が望む綺麗な身体になれてる?)
(綺麗な身体になればまた秋人が優しく抱いてくれる?)
俺の頭の中はそんな事だらけだった。
秋人の手だけで支えられている身体は、いわゆる駅弁スタイルになっていて、宙ぶらりんになってしまった足は力を入れる事が出来ず、行き場を彷徨う。
奥を貫かれるたび、押し寄せる快感をどこに向けていいのか分からず、身体の奥に熱がたまっていく。
自分の前の性器を触っていないにも拘わらずイキそうな感覚に陥る。
怖くて与えられる快楽から逃れたくても力を入れれない体勢の俺はそのまま受け入れるしかなかった。
「ぁ、だめ。これ以上…あぁっ…なんか、くッ……!」
最奥を突かれるとドクリと達したような気がした。
でもいつもの射精の感覚とは違って、おしっこをするような、でも匂いはなく目の前の秋人を汚した。
それもすぐシャワーの水で流されていく。
「はぁ…はぁ…んっ…」
「雪潮吹いちゃったの?」
達した余韻に酔いしれていると、秋人が耳元でそう言った。
(潮ってなんだっけ…)
頭の中は気持ちよさでいっぱいだった。
がくがく震える身体をしっかりと支えたまま、まだ達したばかりの敏感な中の最奥をぐりぐりと大きく張った亀頭で押すと、痙攣するように中で何度も達した。
キツイ締め付けの中、ようやく秋人の精も出されて、上書きしてもらえたとほっとした。
「あきひとの…もっとほしい…」
強請るように言うと、フッと秋人が笑った気がした。
「雪、発情期みたいな身体になっているぞ」
そう言われても、本当の発情期の時はわけが分からなくなっていて、自分の身体がどうなっているか分からない。
でも秋人がそういうならそうなのだろう。
俺の事を全部知っている秋人がこの身体もそうさせたのだから、俺の欲求を聞いてもらえるまで責任をとってもらうしかない。
「このままベッド行こうか」
「おれの…からだきれいになった?」
「ああ」
ああよかった。
綺麗に洗い終わったら、大きなタオルに包まれた。
秋人の表情も穏やかな表情に変わっており、嬉しくてまた涙が零れた。
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