幸せを噛みしめて

ゆう

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新しい世界

体育祭とお弁当

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 体育祭当日、快晴。
 そんな俺はのんびりシートを敷いた上で過ごしていた。
 
「う~ん、いい天気過ぎて眠い…」
 
 俺のチームは早々に負けので体育祭は時間を持て余していた。
 それに朝からお弁当作りの為に早起きしたからせいか瞼が重い。

 
「雪、お前の腕大丈夫か?」
 
 俺が選んだ種目はバレーボール。
 それが一番走らなくてもいいと言う単純な理由で。
 でも普段使わない腕でボールを受け止めると、白い腕は真っ赤になっていた。
 
「痛くはないし、時間が経てば戻るよ」
 
 秋人も今日は日中休みを取ったらしい。
 昨日まで仕事に殺されそうになってたのは言うまでもない。
 俺の膝に頭を預けたまま俺の腕をとってみると心配そうに言う。
 普段運動していないから仕方ない。
 鍛えたくても、全然筋肉は付かないし、白い肌が嫌だと日に焼いても数日で元に戻ってしまうので、今はもう諦めた。
 
「直人達の事見に行かなくていいのか?」
 
「それを言うなら秋人だって」
 
 今は人のいない教員棟校舎の裏の芝生の上で、寛いでいる俺たちはお互いに言えることをいう。
 
 お昼はここでみんなとお弁当を食べる事になっているが、お昼までは時間がまだある。
 
「みんなの所は人が多すぎて…、人混み苦手だから…」

「ああそうだったな…」

 皆の活躍の姿が見れないのは残念だが、人酔いして気分が悪くなるよりはいいだろう。試合の周りはファンクラブ達が沢山いて、とてもじゃないが近ずけるような雰囲気じゃなかった。
 決勝戦のバスケの試合だけは見ようと思っているが、決勝戦は午後からだ。
 それまでは、皆がそろうまでここでのんびりすると決めたのだった。
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