幸せを噛みしめて

ゆう

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二学期

クリスマス

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 学園近くにある秋人の家に到着すると俺は堅苦しい衣装は早々に脱いだ。


「ふぅ。人が多いと疲れるなぁ…」


 昔から人混みが苦手な俺はふぅ。と深いため息を漏らす。苦手なダンスを終えて、人混みから解放され、じわじわとこれから休みと言う嬉しさを噛み締める。先にシャワーを軽く浴びて、秋人が常備してくれている雪サイズのラフな家着へと着替えた。家着は楽なのに限る。


「雪。なにか食べるか?」

 秋人の元に向かうと、お手伝いさん達が用意してくれていたのかテーブルの上には軽食や飲みの物が置いてあった。

「んー、会場でも美味しいもの食べたし、いらないかな」

「そうか」

 そう言うと秋人は用意されてある料理のテーブルに席を着く。俺は秋人がワインを飲み軽食を食べながらまったりしている横でくつろぎながら会話を楽しんだ。
 話に夢中になると時間を忘れ、俺はうとうとし始める。昨日の疲れもあるし、ダンスの疲れもあった。
 それに身体はまだ高校生で夜更かしなんてあまりしないから、限界を迎えていた。

「雪。眠いならベッドへ行くか?」

「うん…」

 先に寝室に向かって、大きなベッドの片方を占領してダイブする。弾力のあるマットが身体を包む。

(秋人の匂い…落ち着くなぁ…)

 くん。と枕元に顔を埋めれば、直ぐに瞼が重くなった。

 朝目が覚めると綺麗な顔が横にあって、思わずびくりと身体が跳ねた。
 年齢を感じさせない秋人の顔に触れると、秋人の瞼がうっすらと開く。

「おはよう雪…」

「おはよう。今日は仕事?」

 学園は今日から春休みだから理事長業務はないのかもしれないけれど、他の仕事もしている秋人は多忙だ。

「少しな。雪はゆっくりしていろ」

「うん」

 ベッドの中で少し微睡んだ後、俺は朝ごはんを食べる為にキッチンに向かった。起きると既にお手伝いさんが朝ごはんを用意してくれていて、有難いかぎりだ。
 秋人と一緒に朝食を取ると、書斎で仕事をすると言うので俺も一緒に学校の課題をすることにした。
 こう言う時、歳の差を感じるなぁ。焦っているわけじゃないけれど、以前は同じ年だったからね。
 






「さぁ雪、今日はもうゆっくりしようか」

「あれ、もういいの?」

 せっかくのクリスマスだ。と、お昼辺りになるとお手伝いさんなどは皆帰して、家の中は二人きりになった。俺も課題をやめてゆっくりする事にした。
 二人でソファに座って、軽く軽食を食べながらクリスマス特番のテレビでも流しながら寛ぐなんて最上級な贅沢だと思う。
 猫みたいにすりすりと甘えればあやすように顎の下を撫でて、顔を近づけられれば触れるようなキスを落とされる。

「んっ…」


 焦ることは無いゆっくりとした時間が二人の間には流れていた。秋人が俺の髪をすくって頭を撫でられる。目を閉じて秋人の膝の上に頭を乗せてみた。

「硬い…」

「文句言うな」

 くすくすと笑いながら、硬い膝枕で秋人を見上げるのは何だか新鮮だった。


「雪、冷蔵庫にケーキもあるぞ。食べるか?」

「食べる!」

 冷蔵庫に冷やされていたケーキを取り出して切り分ける事にした。流石に二人でワンホールは食べきれないだろうし、秋人はあんまり甘いものを沢山食べる方じゃないから明日またお手伝いさんが来てくれたら食べてもらおう。ケーキを切り分けてリビングに戻ると、秋人が紅茶を淹れてくれた。

「ふふ、秋人が紅茶淹れてくれた」


 昔は家事なんて出来なくて、一人暮らしの家に足を運んでいたのを思い出す。

「色々思い改まっただけだ」

 今もお手伝いさんがいて身の回りはしてくれそうなのに、秋人は随分と変わったようだ。

「ほら」

 秋人がフォークに苺を刺して口元に持ってくる。餌付けされている気持ちになりながらも苺を頬張った。

「甘くて美味しい…」

「幸せそうだな」

 うん。と頷いた。幸せだ。
 ケーキを食べた後も二人で寄り添って過ごした。今度は秋人がソファの上でお姫様抱っこの様に抱き抱えてくれた。膝の上に横抱きのように座り、胸に頭を預けるとドクドクと心臓の音が聞こえて心地よい。頭を撫でる手も優しくてずっとこうしていたいくらいだ。


 その後は……。
 まだ日が暮れる前から俺たちはソファの上で確かめ合うように触れ合っていた。その手が徐々に服の中にはいってきて胸の尖りをくにくにと摘まれれば甘い痺れが走った。

「んっ…」

 もどかしい。じわじわ熱を持ち始める身体。そんな優しい愛撫をしながら秋人はくすりと笑う。

「ね…秋人…もう…」

 自ら秋人の服に手をかけて、脱がし始める。年齢を感じさせない鍛え上げられた身体はきっと誰でもドキッとしてしまうと思う。そして自ら自分の服を脱ぐと嫌でもその違いを実感してしまう。
 秋人からは柔らかな肌が雪らしくていいなんて言われるけれど、やっぱり男らしい身体付きに憧れてしまう。弄られた胸の尖りも紅く主張していて、そこに目線をやると秋人の口の中に吸い付くように含まれる。
 
「あ…んっ」
 
 舌で転がされながら強く吸い付かれ思わず声が漏れる。今だけは秋人の愛撫を気持ちいいと感じる身体で嬉しいのだけど。
 だって一つ一つ触れられると全てが気持ちいい。と甘く痺れる快感に身任せて震わせた。
 秋人によって下半身の服を脱がされると蜜で濡れた下半身が露わになる。散々見られてきた身体だけど、この状態を見られるのは流石に恥ずかしい。
 秋人の様子を伺うと嬉しそうにするから余計に恥ずかしくなった。胸から外された唇がお互いの唇に重なって求め合うように何度も重ね合う。

「ん…ふぁ…」

 何度も舌を絡めとられて息も絶え絶えちょっと口を離すと熱を帯びた秋人の瞳と視線がぶつかる。

「雪…甘い…」

 先ほどまで食べていたケーキの味の事だと分かっているのになぜか自分の事のように言われて恥ずかしくなった。

「照れているのか?いつまでも可愛いな雪」

「……っ」

 口の端をチュッと軽くキスされて、秋人の手が撫でるように下部に下がって尻たぶを撫でる。

「雪…ベッドに行こうか」

 こくりと頷くと軽々抱きかかえられ、寝室のベッドへと降ろされた。
 サイドチェストからローションを自ら取り出して自分で自ら閉ざされた蕾に触れる。
 ベッドに横になった秋人に見せつけるように向かい合って足を開き、自ら解していく。

「いい眺めだな」

「んっ…ん」

 だって今日はクリスマスだし。たまには自分から積極的に動いてもいいんじゃないか。
 それくらいの気持ちだが、自ら受け入れる身体を作るだけではなく、自分の姿を眺めている秋人に向かい合うと秋人の熱棒を口の中に含みゆっくりと育て上げていく。
 口でするのが上手い訳じゃないけど、硬く育っていくのを感じでホッとする。これを早く中に入れたいと身体の奥がゾクリと震えた。

「ん…秋人…早くこれちょうだい」

「雪…おいで」

 腰を浮かせて先端を自分の後孔にあてがうとゆっくりと腰を落とす。

「んっはぁ…」

 ぐぷぷっと音を立てて自分でも恐ろしいくらい秋人の熱棒を飲み込んでいく。

「あっ…あっ…ぅん…」

 太くて硬いものが身体を開いて奥へ奥へと進んでいく感覚に中からビリビリと痺れた。全部埋め込まれると、身体が満たされたような充実感にほっと息を吐く。

「秋人っ…全部入ったよ…」

 褒めて。っと顔を上げると愛しい顔がそこにある。形の良い唇にそっと重ねてみる。
小鳥のキスのような啄むキス。秋人がふっと笑みをこぼしたのに思わず見蕩れてしまった。

「雪からこんなにしてもらえるなんて素敵なクリスマスだな」

 結合部からぐちゅりと音を立てて秋人が動いたのが分かった。

「あっ…」

 秋人にまたがっていた身体はベッドに寝かされて雪の両腿を持ち上げられるとぐっと体重をかけられ自分では埋め込む事が出来なかった奥深いところまで突かれて奥がじんじんと痺れだす。

「あ…あぅ…ふ…かぃ…」

 それが苦しいから気持ちいいにすり替わっていく。熱棒が抜けていく感覚そしてまた挿入される感覚。身体がどんどん高まってぶるぶると震えて自分の雄からも透明な蜜がとろとろと零れだす。

「あっあっ秋人っ…んっああっ」

 下から揺すり上げながら前立腺を亀頭でぐりぐりと刺激されればあっさりと白濁をこぼしてしまった。

「や…ぁ…」

 息も絶え絶え淫らに零れる喘ぎ声を気に留めることもなく熱塊が抜き差しされる。パンッパンッと肌と肌がぶつかる音が容赦なく響いて激しい揺さぶりに容赦ない快楽の波が押し寄せた。

「―――!!……ッッ」

「ん。ゆき、まだ気をやるなよっ」

「あンっ!」

 奥を突かれてまた堪らず身体がビクリと震える。小刻みに揺らされて奥をトントンと突かれると内壁が秋人の熱情を欲しがって締め付ける。

「あ、あ、奥ッちょうだい…」

「っ、ああ…」

 一際強く締めるけると、奥深くににびゅる、びゅうっと灼熱が弾けたのが分からった。

「んっぁ…」

 久しぶりの秋人の熱に身体がじんっと甘く痺れた。雪…と名前を呼ばれながら耳元に何度もキスを落とされ髪を撫でられる。
 好き。秋人がもっと欲しい。身体を重ねる事に増す気持ちが底知れなく思わず笑みが零れてしまう。 

「ね、秋人…まだ…」

「そうだな雪。冬休みは始まったばっかりだ。発情期みたいに交わり合おうか」

「……ッ、うん。お手柔らかに……お願いします」

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