76 / 81
二学期
冬休み
しおりを挟むぶるりと震えた身体は暖を取ろうと熱を求めた。外はまだ薄暗く、冷え込んでいる。
「んっ…」
下に下がった掛け布団を引っ張ろうとして、伸ばした手が取られた。ぐいっと横から身体が引き寄せられた。 秋人が横から覆い被さるように抱きしめると人肌の熱が伝わってくる。
「暖かい…」
そう言うと頭の上からふっと笑ったのが分かった。そして上半身を起こした秋人に唇を奪われる。
「んっ…ふぁ…」
夜あんなに激しく求めあったのに、身体はすぐに火照り出す。舌が絡み合って濃厚なキスに思考がとろりと溶けだした。
体格差もあって、身体を捻ろうとしてもビクともしない。今回もまた秋人に従順な身体だった。手が下に伸びると秋人の指先がとんとんと雪の蕾をノックして柔らかな中心にくっと力を入れるとぬぷりと侵入を許す。
「あっ、…ん、っ」
「まだ柔らかいな」
さっきまで繋がっていたのだから簡単に指が入る。更に拡げようと秋人の手がサイドチェストに伸びると、新たにローションボトルを開けて手に取ると蕾にゆっくりと塗りまた指を沈めていく。
「んっ…あぁっ」
少し前まで秋人を受け入れていた身体はすぐに開かされる。足を横にずらされると起立した熱棒がぐぷりと音を立てて一気に挿入された。
「───ッッ!」
なんでさっきまで身体を合わせていたのにこんな硬いのか不思議なくらい膨れ上がった秋人の熱は雪の身体の中にぐぐぐっと突き進み、中に入ると内壁がそれに合わせて拡がり吸い付くように包み込む。教え込まれたように反応して、身体の中が蠕動し秋人の熱棒から搾り取るように締め付ける。
「はっ、ぁぅ…」
直ぐに快楽を感じ取ってしまう身体は秋人が動く度に反応を見せてしまう。ぎゅっとシーツを握りしめてまだイカないように必死で耐える。
余裕そうに秋人はゆるゆると横から突き上げられるように奥をトントンと刺激する。
奥を刺激されていると身体がびくびくと痙攣を始め、ゾクゾクと訪れる射精感に堪らず喘ぐ。
「も、秋人ッ…」
「雪、感じやすすぎ」
「あぅぅ…」
面白がってそうな言い方に、秋人のせいなのにと振り向くとそのまま唇を奪われた。
舌を絡め取られるように奪われ、そのまま体勢を正常位に戻されると下からの突き上げが激しくなる。
「ふぅッ、…ッぁ…!………ふぁ…っ」
グチュグチュっと激しく交わる音と雪の甘い喘ぎ声が静かだった部屋にこだます。容赦ない刺激に雪はあっさりと達して仰け反るように身体をくねらせ、お腹を白濁で汚した。
快楽に溺れる雪を見て、秋人はああ、堪らないなと思う。
オメガでは無くなった身体だが、全く同じように身体の中が雄を受け入れる為に出来たもののようだ。
早く孕め。そう願いながら顔に優しくキスを落とし、雪の奥に自分の精を放った。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
ちゃんちゃら
三旨加泉
BL
軽い気持ちで普段仲の良い大地と関係を持ってしまった海斗。自分はβだと思っていたが、Ωだと発覚して…?
夫夫としてはゼロからのスタートとなった二人。すれ違いまくる中、二人が出した決断はー。
ビター色の強いオメガバースラブロマンス。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる