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ミラ編
エレナとの再会
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その日はなんだかそわそわして来客を待った。私の会いたい人…昔は王太子殿下だった。あの方の面影を追い求め、交わした言葉を反芻して噛み締めた。でも今……私の会いたい人は。
「ミラ!馬車だよ!エミール様!」
エミリアの甲高い声が響く。門のところで朝から待っていたのだ。慌てて門まで出迎えるとエミール様と一緒に入ってきた女性を見て、涙が溢れた。
「エレナ…エレナ」
思わず抱きついた。
「お嬢様 お会いしたかった。十年ぶりですね。お元気そうで嬉しいです。でもあんなにお綺麗だった髪が短くなってしまって」
私を抱きしめ返してくれたのは、母代わりで幼い頃から私を育ててくれたエレナだ。
「修道女してたのでしょうがないわ」
「ミラ嬢 ホーク伯爵からエレナをあなたに付けたいと言われたので連れてきました。医師も口の固い人をホーク伯爵から紹介していただきました。マリアンヌの診察をしてもらうので、エミリアを近づけないようにしてもらえますか」
エミール様が兄の紹介してくれたお医者様を連れてこられた。なんだか不安げなマリアンヌと別室に三人で入って行った。
「エミリア この人は私のお母さんみたいな人よ」
「エミリア エレナです。仲良くしてね」
「島にもエレナがいたよ」
エレナは子供の相手がとても上手だ。あっという間にエミリアと仲良くなっていた。
私はお医者様とエミール様に差し上げるお茶の用意をしていた。
「違う!違う!」
マリアンヌが悲鳴のような声を上げて部屋から飛び出してきた。そのマリアンヌを抱きとめて寝室に連れて行き、なだめていたらマリアンヌが寝息を立て始めた。
居間に戻るとエレナがお医者様とエミール様にお茶を出してくれていた。
「ミラ お母さんどうしたの?」
エミリアが抱きついてきた。私を見上げる目に不安がある。
「大丈夫よ。ちょっと大きな声を出しただけ」
「エミリア お母さんは大丈夫だから、台所でクッキー作らない?」
エレナが声をかけるとパッと表情を明るくして、エレナと二人で台所に向かった。エミリアが出て行くのを確認してからエミール様が口を開いた。
「すまない。今後もし王太子殿下のお姿を見てマリアンヌが逆上するといけないと思って殿下の絵姿を見せてこの人は王太子殿下だからと言い含めようとしたら。いきなり叫び出してしまって」
そこには王太子殿下と妃殿下の御婚姻の記念で配られた絵姿があった。懐かしい慕わしい殿下。島ではずっと交わした会話を反芻していたのに今は仲睦まじげに妃殿下と寄り添った絵姿を見てもなんとも思わなかった。
「マリアンヌはあくまで殿下がエミールだと言うんだ。エミリアの父親だと。ここで言うのは見逃せるけれど万が一外で言って死んだ事になってるのに身元がばれたらただではすまない。エミリアの将来も危ない」
私は自分の指先をギュッと握って不安をなだめる。
「どうしたらいいのでしょうか」
それまで黙っていた医師が口を開いた。
「過去のことがかなり錯乱しているようです。王太子殿下に関わる事なので、救護院に収容した方がいいと思うのですが、お子さんもいらっしゃるし、ここで見張りをつけて回復を待つのがいいかと」
「そうですね。隔離をして誰に見られるかわからない。ミラ嬢、お手間ですがこの家でマリアンヌの世話をお願いできますか?お金のことは心配しないで下さい」
エミール様に言われてまだエミール様のおそばにいられると嬉しかった。
「ミラ!馬車だよ!エミール様!」
エミリアの甲高い声が響く。門のところで朝から待っていたのだ。慌てて門まで出迎えるとエミール様と一緒に入ってきた女性を見て、涙が溢れた。
「エレナ…エレナ」
思わず抱きついた。
「お嬢様 お会いしたかった。十年ぶりですね。お元気そうで嬉しいです。でもあんなにお綺麗だった髪が短くなってしまって」
私を抱きしめ返してくれたのは、母代わりで幼い頃から私を育ててくれたエレナだ。
「修道女してたのでしょうがないわ」
「ミラ嬢 ホーク伯爵からエレナをあなたに付けたいと言われたので連れてきました。医師も口の固い人をホーク伯爵から紹介していただきました。マリアンヌの診察をしてもらうので、エミリアを近づけないようにしてもらえますか」
エミール様が兄の紹介してくれたお医者様を連れてこられた。なんだか不安げなマリアンヌと別室に三人で入って行った。
「エミリア この人は私のお母さんみたいな人よ」
「エミリア エレナです。仲良くしてね」
「島にもエレナがいたよ」
エレナは子供の相手がとても上手だ。あっという間にエミリアと仲良くなっていた。
私はお医者様とエミール様に差し上げるお茶の用意をしていた。
「違う!違う!」
マリアンヌが悲鳴のような声を上げて部屋から飛び出してきた。そのマリアンヌを抱きとめて寝室に連れて行き、なだめていたらマリアンヌが寝息を立て始めた。
居間に戻るとエレナがお医者様とエミール様にお茶を出してくれていた。
「ミラ お母さんどうしたの?」
エミリアが抱きついてきた。私を見上げる目に不安がある。
「大丈夫よ。ちょっと大きな声を出しただけ」
「エミリア お母さんは大丈夫だから、台所でクッキー作らない?」
エレナが声をかけるとパッと表情を明るくして、エレナと二人で台所に向かった。エミリアが出て行くのを確認してからエミール様が口を開いた。
「すまない。今後もし王太子殿下のお姿を見てマリアンヌが逆上するといけないと思って殿下の絵姿を見せてこの人は王太子殿下だからと言い含めようとしたら。いきなり叫び出してしまって」
そこには王太子殿下と妃殿下の御婚姻の記念で配られた絵姿があった。懐かしい慕わしい殿下。島ではずっと交わした会話を反芻していたのに今は仲睦まじげに妃殿下と寄り添った絵姿を見てもなんとも思わなかった。
「マリアンヌはあくまで殿下がエミールだと言うんだ。エミリアの父親だと。ここで言うのは見逃せるけれど万が一外で言って死んだ事になってるのに身元がばれたらただではすまない。エミリアの将来も危ない」
私は自分の指先をギュッと握って不安をなだめる。
「どうしたらいいのでしょうか」
それまで黙っていた医師が口を開いた。
「過去のことがかなり錯乱しているようです。王太子殿下に関わる事なので、救護院に収容した方がいいと思うのですが、お子さんもいらっしゃるし、ここで見張りをつけて回復を待つのがいいかと」
「そうですね。隔離をして誰に見られるかわからない。ミラ嬢、お手間ですがこの家でマリアンヌの世話をお願いできますか?お金のことは心配しないで下さい」
エミール様に言われてまだエミール様のおそばにいられると嬉しかった。
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