33 / 43
ミラ編
エレナの告白
しおりを挟む
「ミラはマリアンヌが修道院に送られた理由を院長様から聞いている?」
「はい。詳細は聞いてませんが、ドルン侯爵の媚薬密輸に関わって、王族を騙った罪だと」
「私は一代限りの騎士爵の家に生まれたの。三姉妹で一番上の姉が嫁に行ったのが、ドルン侯爵に資金を出してもらった商会を経営している男だったの。下の姉は隣国との国境で宿屋をやっていた男に嫁いだのよ。私は地味な結婚した下の姉を馬鹿にして、派手な生活をしている上の姉に頼んで、王宮に侍女として上がったの。そして美しく凛々しい国王陛下に恋をした。その頃王妃様が第二子の王女様を妊娠中で側妃か愛妾を勧める貴族がいっぱいいたわ。でも陛下は王妃様だけだとお断りになった。そんな陛下を陰ながら見て私はますます恋心を募らせたの。そして姉に呼ばれて陛下を好きなら愛妾になればいいと。びっくりしたわ。騎士爵の娘では愛妾すら難しいから。でも姉は媚薬を盛って既成事実さえあれば大丈夫だからって。でもその前に子種を入れておけと言われたの」
「え!それは」
「そう 陛下の髪と目の色の男に抱かれて妊娠して陛下に媚薬を盛って抱かれろと。妊娠さえすれば王族の子を身篭ってると愛妾になれると言われたの」
「そんなこと露見しないわけないわ」
「そう その通りよ。でも当時の私は恋に狂っていたのよ。恋する男に抱かれるためには、好きでもない男に抱かれるなんて、普通ならいやよ」
「…エレナ……」
「とにかく狂っていた私は目を瞑って好きでもない男に妊娠するまで抱かれたの。それはそれで辛かったわ。でも媚薬に狂わされた陛下が王妃様の名前を呼んで私を抱いたとき、私は少しも嬉しくなかった。私は王妃様じゃないエレナなんだと叫びたかった。それから私は姉達の名前は出さずに媚薬は自分で手に入れた。陛下に横恋慕していたと言い張ったの。周りの思惑と違って、陛下は私の顔を見るのすら嫌がられて私は処刑が決まったの。陛下は王妃様しか愛してなかったのよ。間違って抱いた私なんて目にも入れて貰えなかったわ」
エレナが泣き出した。エレナの背を撫でながら、私も妃殿下を愛しているエミール様を想った。
「それから私が妊娠していることがわかって、処刑が延期されたの。月足らずで生まれた事から陛下の子供では無いと疑われたわ。陛下と同じ髪と目の色の男に抱かれたのに生まれたのは私にそっくりの女の子。あまりな皮肉で笑いが止まらなかったわ。それからどうなったかわからないけど、生まれた子供は下の姉に引き取られ、私はお慈悲で修道院に入れられたのよ」
「でもね。マリアンヌのことは一度も忘れたことはなかった。愚かな私の犠牲になったあの子のことを。だからエミール様から話をもらった時エミリアの世話が出来るならって引き受けたの。私も罪人だからマリアンヌと遠くにいくわ」
エレナが私の両腕を掴み真摯な眼差しで言う。
「ミラはエミール様に恋しているのね。伝えなきゃだめよ」
「何言うの!エレナ」
「ここに来てまだ日が浅いけれど見てればわかるわ。見つめる目がものを言ってる」
「エレナ…私ってそんなに物欲しげ?」
「違うわ。人を好きなる心を卑下しないで」
「でもエミール様には忘れられない人がいるわ」
「そうなの?でも私の好きな陛下の愛する方は王妃様だけど、この恋心は私だけのものよ」
エレナと話したことは、衝撃的だった。私はエミール様を追い求めてもいいにだろうか。何かして欲しいのではない。想う、それだけを許してほしい。
「はい。詳細は聞いてませんが、ドルン侯爵の媚薬密輸に関わって、王族を騙った罪だと」
「私は一代限りの騎士爵の家に生まれたの。三姉妹で一番上の姉が嫁に行ったのが、ドルン侯爵に資金を出してもらった商会を経営している男だったの。下の姉は隣国との国境で宿屋をやっていた男に嫁いだのよ。私は地味な結婚した下の姉を馬鹿にして、派手な生活をしている上の姉に頼んで、王宮に侍女として上がったの。そして美しく凛々しい国王陛下に恋をした。その頃王妃様が第二子の王女様を妊娠中で側妃か愛妾を勧める貴族がいっぱいいたわ。でも陛下は王妃様だけだとお断りになった。そんな陛下を陰ながら見て私はますます恋心を募らせたの。そして姉に呼ばれて陛下を好きなら愛妾になればいいと。びっくりしたわ。騎士爵の娘では愛妾すら難しいから。でも姉は媚薬を盛って既成事実さえあれば大丈夫だからって。でもその前に子種を入れておけと言われたの」
「え!それは」
「そう 陛下の髪と目の色の男に抱かれて妊娠して陛下に媚薬を盛って抱かれろと。妊娠さえすれば王族の子を身篭ってると愛妾になれると言われたの」
「そんなこと露見しないわけないわ」
「そう その通りよ。でも当時の私は恋に狂っていたのよ。恋する男に抱かれるためには、好きでもない男に抱かれるなんて、普通ならいやよ」
「…エレナ……」
「とにかく狂っていた私は目を瞑って好きでもない男に妊娠するまで抱かれたの。それはそれで辛かったわ。でも媚薬に狂わされた陛下が王妃様の名前を呼んで私を抱いたとき、私は少しも嬉しくなかった。私は王妃様じゃないエレナなんだと叫びたかった。それから私は姉達の名前は出さずに媚薬は自分で手に入れた。陛下に横恋慕していたと言い張ったの。周りの思惑と違って、陛下は私の顔を見るのすら嫌がられて私は処刑が決まったの。陛下は王妃様しか愛してなかったのよ。間違って抱いた私なんて目にも入れて貰えなかったわ」
エレナが泣き出した。エレナの背を撫でながら、私も妃殿下を愛しているエミール様を想った。
「それから私が妊娠していることがわかって、処刑が延期されたの。月足らずで生まれた事から陛下の子供では無いと疑われたわ。陛下と同じ髪と目の色の男に抱かれたのに生まれたのは私にそっくりの女の子。あまりな皮肉で笑いが止まらなかったわ。それからどうなったかわからないけど、生まれた子供は下の姉に引き取られ、私はお慈悲で修道院に入れられたのよ」
「でもね。マリアンヌのことは一度も忘れたことはなかった。愚かな私の犠牲になったあの子のことを。だからエミール様から話をもらった時エミリアの世話が出来るならって引き受けたの。私も罪人だからマリアンヌと遠くにいくわ」
エレナが私の両腕を掴み真摯な眼差しで言う。
「ミラはエミール様に恋しているのね。伝えなきゃだめよ」
「何言うの!エレナ」
「ここに来てまだ日が浅いけれど見てればわかるわ。見つめる目がものを言ってる」
「エレナ…私ってそんなに物欲しげ?」
「違うわ。人を好きなる心を卑下しないで」
「でもエミール様には忘れられない人がいるわ」
「そうなの?でも私の好きな陛下の愛する方は王妃様だけど、この恋心は私だけのものよ」
エレナと話したことは、衝撃的だった。私はエミール様を追い求めてもいいにだろうか。何かして欲しいのではない。想う、それだけを許してほしい。
151
あなたにおすすめの小説
差し出された毒杯
しろねこ。
恋愛
深い森の中。
一人のお姫様が王妃より毒杯を授けられる。
「あなたのその表情が見たかった」
毒を飲んだことにより、少女の顔は苦悶に満ちた表情となる。
王妃は少女の美しさが妬ましかった。
そこで命を落としたとされる少女を助けるは一人の王子。
スラリとした体型の美しい王子、ではなく、体格の良い少し脳筋気味な王子。
お供をするは、吊り目で小柄な見た目も中身も猫のように気まぐれな従者。
か○みよ、○がみ…ではないけれど、毒と美しさに翻弄される女性と立ち向かうお姫様なお話。
ハピエン大好き、自己満、ご都合主義な作者による作品です。
同名キャラで複数の作品を書いています。
立場やシチュエーションがちょっと違ったり、サブキャラがメインとなるストーリーをなどを書いています。
ところどころリンクもしています。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿しています!
【完結】婚約破棄された令嬢の毒はいかがでしょうか
まさかの
恋愛
皇太子の未来の王妃だったカナリアは突如として、父親の罪によって婚約破棄をされてしまった。
己の命が助かる方法は、友好国の悪評のある第二王子と婚約すること。
カナリアはその提案をのんだが、最初の夜会で毒を盛られてしまった。
誰も味方がいない状況で心がすり減っていくが、婚約者のシリウスだけは他の者たちとは違った。
ある時、シリウスの悪評の原因に気付いたカナリアの手でシリウスは穏やかな性格を取り戻したのだった。
シリウスはカナリアへ愛を囁き、カナリアもまた少しずつ彼の愛を受け入れていく。
そんな時に、義姉のヒルダがカナリアへ多くの嫌がらせを行い、女の戦いが始まる。
嫁いできただけの女と甘く見ている者たちに分からせよう。
カナリア・ノートメアシュトラーセがどんな女かを──。
小説家になろう、エブリスタ、アルファポリス、カクヨムで投稿しています。
東雲の空を行け ~皇妃候補から外れた公爵令嬢の再生~
くる ひなた
恋愛
「あなたは皇妃となり、国母となるのよ」
幼い頃からそう母に言い聞かされて育ったロートリアス公爵家の令嬢ソフィリアは、自分こそが同い年の皇帝ルドヴィークの妻になるのだと信じて疑わなかった。父は長く皇帝家に仕える忠臣中の忠臣。皇帝の母の覚えもめでたく、彼女は名実ともに皇妃最有力候補だったのだ。
ところがその驕りによって、とある少女に対して暴挙に及んだことを理由に、ソフィリアは皇妃候補から外れることになる。
それから八年。母が敷いた軌道から外れて人生を見つめ直したソフィリアは、豪奢なドレスから質素な文官の制服に着替え、皇妃ではなく補佐官として皇帝ルドヴィークの側にいた。
上司と部下として、友人として、さらには密かな思いを互いに抱き始めた頃、隣国から退っ引きならない事情を抱えた公爵令嬢がやってくる。
「ルドヴィーク様、私と結婚してくださいませ」
彼女が執拗にルドヴィークに求婚し始めたことで、ソフィリアも彼との関係に変化を強いられることになっていく……
『蔦王』より八年後を舞台に、元悪役令嬢ソフィリアと、皇帝家の三男坊である皇帝ルドヴィークの恋の行方を描きます。
その結婚、承服致しかねます
チャイムン
恋愛
結婚が五か月後に迫ったアイラは、婚約者のグレイグ・ウォーラー伯爵令息から一方的に婚約解消を求められた。
理由はグレイグが「真実の愛をみつけた」から。
グレイグは彼の妹の侍女フィルとの結婚を望んでいた。
誰もがゲレイグとフィルの結婚に難色を示す。
アイラの未来は、フィルの気持ちは…
幼なじみが誕生日に貰ったと自慢するプレゼントは、婚約者のいる子息からのもので、私だけでなく多くの令嬢が見覚えあるものでした
珠宮さくら
恋愛
アニル国で生まれ育ったテベンティラ・ミシュラは婚約者がいなかったが、まだいないことに焦ってはいなかった。
そんな時に誕生日プレゼントだとブレスレットを貰ったことを嬉しそうに語る幼なじみに驚いてしまったのは、付けているブレスレットに見覚えがあったからだったが、幼なじみにその辺のことを誤解されていくとは思いもしなかった。
それに幼なじみの本性をテベンティラは知らなさすぎたようだ。
愛する人は、貴方だけ
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
下町で暮らすケイトは母と二人暮らし。ところが母は病に倒れ、ついに亡くなってしまう。亡くなる直前に母はケイトの父親がアークライト公爵だと告白した。
天涯孤独になったケイトの元にアークライト公爵家から使者がやって来て、ケイトは公爵家に引き取られた。
公爵家には三歳年上のブライアンがいた。跡継ぎがいないため遠縁から引き取られたというブライアン。彼はケイトに冷たい態度を取る。
平民上がりゆえに令嬢たちからは無視されているがケイトは気にしない。最初は冷たかったブライアン、第二王子アーサー、公爵令嬢ミレーヌ、幼馴染カイルとの交友を深めていく。
やがて戦争の足音が聞こえ、若者の青春を奪っていく。ケイトも無関係ではいられなかった……。
嫌われ者の王弟殿下には、私がお似合いなのでしょう? 彼が王になったからといって今更離婚しろなんて言わないでください。
木山楽斗
恋愛
冷遇されていたフェルリナは、妹の策略によって嫌われ者の王弟殿下ロナードと結婚することになった。
色々と問題があると噂だったロナードとの婚約に不安を感じていたフェルリナだったが、彼は多少面倒臭がり屋ではあったが、悪い人ではなかっため、なんとか事なきを得た。
それから穏やかな生活を送っていた二人だったが、ある時ロナードの兄である国王が死去したという事実を知らされる。
王位を継承できるのは、ロナードだけであったため、彼はほぼなし崩し的に国王となり、フェルリナはその妻となることになったのだ。
しかし、フェルリナの妹はそれを快く思わなかった。
ロナードと婚約破棄しろ。そう主張する妹を、フェルリナはロナードの助けも借りつつ切り捨てるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる