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ミラ編
エミールの二度目の恋
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自分は二度と恋などしない。アンジェを忘れることはできないと思っていた。
アンジェはもう二児の母だ。王太子殿下との仲も睦まじく、王太子殿下も貴族がアンジェの妊娠中に勧めた側妃を強い口調で退けたそうだ。平民になった私は彼女を垣間見ることしかできない。それでもよかった。彼女が幸せならそれでよかった。
それなのに最近ミラの視線が気になる。商会に群がる女達と違って、いつも穏やかに見つめてくれる。何をも求めることもないミラとの会話は穏やかな時間をもたらす。
マリアンヌとエミリアとエレナがサナトリウムに旅立って行った。エミリアを養子に出そうと思ったが、エレナがいれば大丈夫だろう。マリアンヌも王太子殿下に関わらなければいい母親なのだ。
今日は新国王戴冠式だ。戴冠式が終わってから大聖堂から王宮までパレードがある。
ミラをパレードに誘ってみた。びっくりしたようだが、花が咲いたように笑って受けてくれた。
パレードでアンジェを見て私はどうするだろう。今思ってる気持ちが本物ならアンジェを見てからミラに打ち明けることができるだろう。
****
マリアンヌとエミリアとエレナがサナトリウムに行ってしまった。最後にエレナに幸せを祈ってると言ってもらった。わたしの幸せはどこにあるのだろう。
三人が行ってしまった寂しい家でエレナと兄が手配してくれた使用人と暮らしている。
エミール様の商会にもまだ週に二回授業に通っている。兄が全て援助してくれるので、働く必要は無いが、エミール様のそばにいたい。ただそれだけだ。
エミール様に戴冠式のパレードに誘われた。妃殿下をその目に焼き付けたいのだろうか。妃殿下を見つめるエミール様を見るのは辛い。でもそばにいたい。誘われて行かないなんてあり得ない。
そして戴冠式の朝が来た。朝から祝砲が打ち上がり王都は地方から出てくる人も多くいてすごい人だ。パレードを見るために街道沿いの店では座席を設え売っている。結構な金額になるが、エミール様は見やすいよい席を買われていた。二階建ての店の窓側の椅子が並べてある。そこにエミール様に導かれて座った。
花びらと紙のテープが舞う。新国王ご夫妻が乗ったオープンの馬車が近づいて来た。周りは近衛が何重にも警護をしている。凄い歓声で大きな声を出さないと声が聞こえない。
馬車が近づいて来た。私が恋焦がれた王太子殿下…いえ国王陛下が見えてきた。変わらず麗しく美しく輝いている。でももうなんの感慨もない。今の私は既に違う恋に気持ちがある。エミール様にも違う恋をして欲しい。妃殿下…いえ王妃様を見つめているエミール様に願いを込める。
その時、上を見つめた王妃様の視線とエミール様の視線があった。薔薇の蕾がほころぶように艶やかに笑いかけられた。間違いなく王妃様はエミール様に笑い掛けられた。小さく手も振られた。王妃様にとってエミール様は過去の恋の人なのだろうか。
エミール様はどう思われた…やはりあの方だけしかいないと思われたのだろうか。エミール様の顔を見るのが怖い。
喧騒はだんだん遠くへ行った。みんな王宮のバルコニー前の国王ご夫妻のご挨拶を見に行くのだろう。周りから人の姿が消えて行った。エミール様はどうされるのだろう。
「ミラ 帰ろうか」
手を差し出された。思わずエミール様を見つめると、穏やかに微笑んで下さった。そして私の手を引いて帰り道を歩いた。何も言われなかったが、手の温かさが心の中まで温めた。
アンジェはもう二児の母だ。王太子殿下との仲も睦まじく、王太子殿下も貴族がアンジェの妊娠中に勧めた側妃を強い口調で退けたそうだ。平民になった私は彼女を垣間見ることしかできない。それでもよかった。彼女が幸せならそれでよかった。
それなのに最近ミラの視線が気になる。商会に群がる女達と違って、いつも穏やかに見つめてくれる。何をも求めることもないミラとの会話は穏やかな時間をもたらす。
マリアンヌとエミリアとエレナがサナトリウムに旅立って行った。エミリアを養子に出そうと思ったが、エレナがいれば大丈夫だろう。マリアンヌも王太子殿下に関わらなければいい母親なのだ。
今日は新国王戴冠式だ。戴冠式が終わってから大聖堂から王宮までパレードがある。
ミラをパレードに誘ってみた。びっくりしたようだが、花が咲いたように笑って受けてくれた。
パレードでアンジェを見て私はどうするだろう。今思ってる気持ちが本物ならアンジェを見てからミラに打ち明けることができるだろう。
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三人が行ってしまった寂しい家でエレナと兄が手配してくれた使用人と暮らしている。
エミール様の商会にもまだ週に二回授業に通っている。兄が全て援助してくれるので、働く必要は無いが、エミール様のそばにいたい。ただそれだけだ。
エミール様に戴冠式のパレードに誘われた。妃殿下をその目に焼き付けたいのだろうか。妃殿下を見つめるエミール様を見るのは辛い。でもそばにいたい。誘われて行かないなんてあり得ない。
そして戴冠式の朝が来た。朝から祝砲が打ち上がり王都は地方から出てくる人も多くいてすごい人だ。パレードを見るために街道沿いの店では座席を設え売っている。結構な金額になるが、エミール様は見やすいよい席を買われていた。二階建ての店の窓側の椅子が並べてある。そこにエミール様に導かれて座った。
花びらと紙のテープが舞う。新国王ご夫妻が乗ったオープンの馬車が近づいて来た。周りは近衛が何重にも警護をしている。凄い歓声で大きな声を出さないと声が聞こえない。
馬車が近づいて来た。私が恋焦がれた王太子殿下…いえ国王陛下が見えてきた。変わらず麗しく美しく輝いている。でももうなんの感慨もない。今の私は既に違う恋に気持ちがある。エミール様にも違う恋をして欲しい。妃殿下…いえ王妃様を見つめているエミール様に願いを込める。
その時、上を見つめた王妃様の視線とエミール様の視線があった。薔薇の蕾がほころぶように艶やかに笑いかけられた。間違いなく王妃様はエミール様に笑い掛けられた。小さく手も振られた。王妃様にとってエミール様は過去の恋の人なのだろうか。
エミール様はどう思われた…やはりあの方だけしかいないと思われたのだろうか。エミール様の顔を見るのが怖い。
喧騒はだんだん遠くへ行った。みんな王宮のバルコニー前の国王ご夫妻のご挨拶を見に行くのだろう。周りから人の姿が消えて行った。エミール様はどうされるのだろう。
「ミラ 帰ろうか」
手を差し出された。思わずエミール様を見つめると、穏やかに微笑んで下さった。そして私の手を引いて帰り道を歩いた。何も言われなかったが、手の温かさが心の中まで温めた。
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