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一日馬車に揺られて着いたのは緑に囲まれた避暑地別邸だった。
白い壁で統一したお洒落な邸だ。
玄関ポーチ前で馬車から降りようとしたら、レオンハルトがいて手を貸してくれた。
なぜいるの?驚愕で思わずじっと見てしまった。
「邸を整えるために先行してきていたのだよ。」
「仕事はどうされるのですか?」
「こちらでやれるよ。緊急のときだけ戻ればいいし。」
抱き上げられて、邸の中に連れて行かれる。
「おろして下さい!もう歩けます。」
「いやまだ完治ではないから、私達の部屋はこちらだよ。足の怪我に触らないように一階だ。さあこちらだよ。」
部屋に入ると大きく開いたテラス窓が開いて、涼やかな風が入って来ている。内装も白が基調だが、壁紙が薄いピンクの薔薇だ。
過ごしやすそうで気持ちの良い部屋だ。レオンハルトと一緒でなければ。
「使用人の紹介をするよ。あなたの世話をする侍女のリリー、別邸の執事のヨハン、このほかに料理長に侍女が三人いる。みんな地元で雇ったので、この辺りを散策したいならどこがいいか聞くと良いよ。さあ、疲れただろう?リリー 奥様の着替えを頼む。」
それだけ言うとレオンハルトは出て行った。
「奥様のお世話をさせていただきますリリーと申します。執事のヨハンは夫です。」
クローゼットを開けるとずらりと服が並んでいる。下には靴の箱が沢山ある。
「旦那様が全て手配されました。お優しい旦那様ですね。」
そういえば、本邸で私が目が覚めた時に寝ていた私の部屋のクローゼットには服はほとんどかかってなかった。私物も見つけられたのは刺繍されたハンカチだけ。他は見当たらなかった。あの部屋も私の部屋ではなかったのだろうか。だったら持ってきてしまったハンカチは私のものではないかもしれない。あとで名前が無いか開いて見て見よう。
「奥様 旦那様がお茶のお誘いをなさってます。居間へお移り下さい。」
居間へ歩いていく途中に気がついたが、この邸には階段がない。
「リリー この邸は平屋なの?」
「左様でございます。奥様は階段でお怪我されたので、階段のない別邸をお求めになったと聞いております。本当にお優しい旦那様ですね。」
優しいのかそれは?しかし念入りにそこまでする必要はないような気がする。私は記憶がないのだ。自分が落ちた階段をみてもなんとも思わなかったのだ。レオンハルトと言う人はなにを考えているのだろうか。そろそろ探りあいも面倒だ。はっきりとどう言うつもりか聞いてみたい。
白い壁で統一したお洒落な邸だ。
玄関ポーチ前で馬車から降りようとしたら、レオンハルトがいて手を貸してくれた。
なぜいるの?驚愕で思わずじっと見てしまった。
「邸を整えるために先行してきていたのだよ。」
「仕事はどうされるのですか?」
「こちらでやれるよ。緊急のときだけ戻ればいいし。」
抱き上げられて、邸の中に連れて行かれる。
「おろして下さい!もう歩けます。」
「いやまだ完治ではないから、私達の部屋はこちらだよ。足の怪我に触らないように一階だ。さあこちらだよ。」
部屋に入ると大きく開いたテラス窓が開いて、涼やかな風が入って来ている。内装も白が基調だが、壁紙が薄いピンクの薔薇だ。
過ごしやすそうで気持ちの良い部屋だ。レオンハルトと一緒でなければ。
「使用人の紹介をするよ。あなたの世話をする侍女のリリー、別邸の執事のヨハン、このほかに料理長に侍女が三人いる。みんな地元で雇ったので、この辺りを散策したいならどこがいいか聞くと良いよ。さあ、疲れただろう?リリー 奥様の着替えを頼む。」
それだけ言うとレオンハルトは出て行った。
「奥様のお世話をさせていただきますリリーと申します。執事のヨハンは夫です。」
クローゼットを開けるとずらりと服が並んでいる。下には靴の箱が沢山ある。
「旦那様が全て手配されました。お優しい旦那様ですね。」
そういえば、本邸で私が目が覚めた時に寝ていた私の部屋のクローゼットには服はほとんどかかってなかった。私物も見つけられたのは刺繍されたハンカチだけ。他は見当たらなかった。あの部屋も私の部屋ではなかったのだろうか。だったら持ってきてしまったハンカチは私のものではないかもしれない。あとで名前が無いか開いて見て見よう。
「奥様 旦那様がお茶のお誘いをなさってます。居間へお移り下さい。」
居間へ歩いていく途中に気がついたが、この邸には階段がない。
「リリー この邸は平屋なの?」
「左様でございます。奥様は階段でお怪我されたので、階段のない別邸をお求めになったと聞いております。本当にお優しい旦那様ですね。」
優しいのかそれは?しかし念入りにそこまでする必要はないような気がする。私は記憶がないのだ。自分が落ちた階段をみてもなんとも思わなかったのだ。レオンハルトと言う人はなにを考えているのだろうか。そろそろ探りあいも面倒だ。はっきりとどう言うつもりか聞いてみたい。
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