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「私の父という人は娘の幸せなんてどうでもよかったのですね。嫌われてる婚約を解消しないなんて。恩返ししたいなら金銭的援助を多くすればよかったのにね」
レオンハルトは燃えてきた暖炉の火をじっと見ていた。
「エーレンフェスト侯爵は父の寿命を縮めてしまったことに責任を感じていた。そしてプライドだけ高い父の気持ちを慮ってくれてた。持参金としてなら受け取るだろうと侯爵本人から聞いたよ」
暖炉の火が踊っているように大きくなった。馬鹿げている。父親の馬鹿な思い入れのためにお金だけ求めている家に嫁がされたのか。かわいそうならユリア。どんな気持ちだったのだろう。
「そして学園では、あなたはマリアという人と婚約者がいながら、不義を働いていたのですね。可愛らしい人でしたから容姿を気に入って、平凡な私など目にも入らなかったのでしょうね。それでもあなた方二人を目にするユリアの気持ち考えたことあります?婚約はあなたから解消すべきでした」
レオンハルトは俯いて苦しげに言葉を漏らす。
「どんな謝罪の言葉も意味を為さないのはわかっている。マリアの『かわいそうにあなたの意思でない婚約で苦しめられているんですね』という言葉にすがりついてしまったんだ。卑屈で愚かな自分を甘やかす言葉に酔っていたんだ。でもマリアの見た目を選んだわけではない。学園ではあなたは優等生で跡取りでもないのに領地経営の講義を取って教授たちに気に入られていた。マリアの甘い言葉に酔ってろくな勉強もしてない自分がより一層愚かに思えてそのままでいいというマリアの言葉に酔っていたんだ」
「その相思相愛のお二人はそのままずっと続いていたような事を兄が言ってましたね。白い結婚に愛人ですか、なかなか下種なお二人ですね。でもマリア嬢はこれで正妻になれますし、よかったですね。早く私と離縁して迎えに行ってあげればどうですか」
レオンハルトがそんな私の言葉を聞いて口角を上げて薄く笑った。
「愛人なんかじゃないと言った私の言葉は信じてもらえないんだね。あの女は学園で私からドレスや宝石を思うように貢がせることができなくて一度でいいからユリアに甘い言葉を囁いてお金を出させろと言ってきたんだ。この女は母と同じ女だとわかって、直ぐ別れを告げたんだ。あの女もこれ以上は無理だと見切りをつけたみたいであっさりと別れてくれた。あなたに謝罪したかったが、マリアと付き合ってるうちにあなたは私を寄せつけなくなっていたんだ」
それは自業自得というものよね。ユリアは領地経営はどんなつもりで学んでいたんだろう。不義を働かれても婚約破棄してくれない父親に対してもどう思っていたのだろう。
レオンハルトは燃えてきた暖炉の火をじっと見ていた。
「エーレンフェスト侯爵は父の寿命を縮めてしまったことに責任を感じていた。そしてプライドだけ高い父の気持ちを慮ってくれてた。持参金としてなら受け取るだろうと侯爵本人から聞いたよ」
暖炉の火が踊っているように大きくなった。馬鹿げている。父親の馬鹿な思い入れのためにお金だけ求めている家に嫁がされたのか。かわいそうならユリア。どんな気持ちだったのだろう。
「そして学園では、あなたはマリアという人と婚約者がいながら、不義を働いていたのですね。可愛らしい人でしたから容姿を気に入って、平凡な私など目にも入らなかったのでしょうね。それでもあなた方二人を目にするユリアの気持ち考えたことあります?婚約はあなたから解消すべきでした」
レオンハルトは俯いて苦しげに言葉を漏らす。
「どんな謝罪の言葉も意味を為さないのはわかっている。マリアの『かわいそうにあなたの意思でない婚約で苦しめられているんですね』という言葉にすがりついてしまったんだ。卑屈で愚かな自分を甘やかす言葉に酔っていたんだ。でもマリアの見た目を選んだわけではない。学園ではあなたは優等生で跡取りでもないのに領地経営の講義を取って教授たちに気に入られていた。マリアの甘い言葉に酔ってろくな勉強もしてない自分がより一層愚かに思えてそのままでいいというマリアの言葉に酔っていたんだ」
「その相思相愛のお二人はそのままずっと続いていたような事を兄が言ってましたね。白い結婚に愛人ですか、なかなか下種なお二人ですね。でもマリア嬢はこれで正妻になれますし、よかったですね。早く私と離縁して迎えに行ってあげればどうですか」
レオンハルトがそんな私の言葉を聞いて口角を上げて薄く笑った。
「愛人なんかじゃないと言った私の言葉は信じてもらえないんだね。あの女は学園で私からドレスや宝石を思うように貢がせることができなくて一度でいいからユリアに甘い言葉を囁いてお金を出させろと言ってきたんだ。この女は母と同じ女だとわかって、直ぐ別れを告げたんだ。あの女もこれ以上は無理だと見切りをつけたみたいであっさりと別れてくれた。あなたに謝罪したかったが、マリアと付き合ってるうちにあなたは私を寄せつけなくなっていたんだ」
それは自業自得というものよね。ユリアは領地経営はどんなつもりで学んでいたんだろう。不義を働かれても婚約破棄してくれない父親に対してもどう思っていたのだろう。
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