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その晩はそのまま就寝した。いろいろとノンナに聞きたいが、まだ身体が休息を求めているようですぐ眠くなってしまう。
そしてまた夢を見た。なぜこんなに明瞭な夢を見るのだろうか? これは全てユリアの記憶の底に沈んでいる場面なのだろうか?
その晩見た場面は貴族らしい正装したレオンハルトが見知らぬ正装した貴族令嬢をエスコートして、舞踏会に出る場面だ。その貴族令嬢は熱の篭った視線をレオンハルトに向けていた。ユリアはなぜこの場面を見たのだろう? 領地に籠もっていたのでは無かったのか? 起きたらノンナに聞いてみようと思う。夢の中でそんなことを考えていたら意識が浮上した。
顔が冷たいと思ったら、顔が濡れていた。泣いていたようだ。悲しいと思っていた。また裏切られていた。ユリアはそう思ったようだ。それが昔の女が乱入したことで、今の女のことが有耶無耶になったのか。
また愛人を作ったからユリアは全財産をレオンハルトに譲って消えようとして王都に出てきたのか。なんと馬鹿な事。例え愛人がいてもユリアは妻なのだから、別れるにしてもきちんと慰謝料を貰い自分の権利を手放さずに、受け入れてくれるエーレンフェスト家で事業をすれば良い。
たったこれだけの正論を見つけられないぐらいユリアはレオンハルトを愛しているのか? 幼い頃から暴言を吐かれ、学園では恋人を作られ婚約者として蔑ろにされ、結婚しても妻として扱われない。それなのにレオンハルトにユリアが惹かれるのはなぜなんだろう?今の私はユリアに引き摺られながらも客観的にこの状況を見つめる事もできる。
「おはようございます。身支度のお手伝いをさせていただきます」
ノンナが入ってノックをして、ワゴンを押しながら入って来た。服に着替え髪をといてもらいながらノンナに尋ねる。
「ねえ ノンナ ユリアが離縁を決心したのはレオンハルトに愛人ができたせい?」
「お! お嬢様。思い出されたのですか?」
ノンナが興奮して、髪を思わず引っ張った。ユリアは思わず頭を押さえた。
「申し訳ありません! でもお嬢様。記憶が戻ったのですか?」
「夢でレオンハルトが舞踏会でどこかの貴族令嬢をエスコートしてるのをみたの。それは実際あったことなの?」
「お嬢様。朝食が終わったらお時間くださいませ。あった事を説明します」
リリーの給仕で朝食を済ませたところで、執事がやって来て、レオンハルトから夕食に間に合うように戻るので、待っていてくれと伝言があったと報告して来た。昔はどこで何をしていても連絡などなかった。どうしたのだろうと思った。え……私……昔のこと覚えている。
レオンハルトと同じ学園でも一度も話しかけられる事もなく、エスコートされることもなく終わった学園生活だった。そう見向きもされない学園生活だった。しかも卒業パーティーでも彼からは、ドレスも届かなくて連絡もなかった。卒業パーティーは兄に無理を言ってエスコートをしてもらった。
それでも私は初恋のレオンハルトが好きだった。未練がましいが彼が婚約破棄しないのなら、結婚したかった。
レオンハルトが困らないように、公爵家を立て直したいと思って、一生懸命勉強もした。
それから……それから……どうしたっけ。それ以上は思い出せない。それにしてもレオンハルトから連絡もらっただけで、思い出せるユリア。なんて健気で悲しい人なんだろう。
そしてまた夢を見た。なぜこんなに明瞭な夢を見るのだろうか? これは全てユリアの記憶の底に沈んでいる場面なのだろうか?
その晩見た場面は貴族らしい正装したレオンハルトが見知らぬ正装した貴族令嬢をエスコートして、舞踏会に出る場面だ。その貴族令嬢は熱の篭った視線をレオンハルトに向けていた。ユリアはなぜこの場面を見たのだろう? 領地に籠もっていたのでは無かったのか? 起きたらノンナに聞いてみようと思う。夢の中でそんなことを考えていたら意識が浮上した。
顔が冷たいと思ったら、顔が濡れていた。泣いていたようだ。悲しいと思っていた。また裏切られていた。ユリアはそう思ったようだ。それが昔の女が乱入したことで、今の女のことが有耶無耶になったのか。
また愛人を作ったからユリアは全財産をレオンハルトに譲って消えようとして王都に出てきたのか。なんと馬鹿な事。例え愛人がいてもユリアは妻なのだから、別れるにしてもきちんと慰謝料を貰い自分の権利を手放さずに、受け入れてくれるエーレンフェスト家で事業をすれば良い。
たったこれだけの正論を見つけられないぐらいユリアはレオンハルトを愛しているのか? 幼い頃から暴言を吐かれ、学園では恋人を作られ婚約者として蔑ろにされ、結婚しても妻として扱われない。それなのにレオンハルトにユリアが惹かれるのはなぜなんだろう?今の私はユリアに引き摺られながらも客観的にこの状況を見つめる事もできる。
「おはようございます。身支度のお手伝いをさせていただきます」
ノンナが入ってノックをして、ワゴンを押しながら入って来た。服に着替え髪をといてもらいながらノンナに尋ねる。
「ねえ ノンナ ユリアが離縁を決心したのはレオンハルトに愛人ができたせい?」
「お! お嬢様。思い出されたのですか?」
ノンナが興奮して、髪を思わず引っ張った。ユリアは思わず頭を押さえた。
「申し訳ありません! でもお嬢様。記憶が戻ったのですか?」
「夢でレオンハルトが舞踏会でどこかの貴族令嬢をエスコートしてるのをみたの。それは実際あったことなの?」
「お嬢様。朝食が終わったらお時間くださいませ。あった事を説明します」
リリーの給仕で朝食を済ませたところで、執事がやって来て、レオンハルトから夕食に間に合うように戻るので、待っていてくれと伝言があったと報告して来た。昔はどこで何をしていても連絡などなかった。どうしたのだろうと思った。え……私……昔のこと覚えている。
レオンハルトと同じ学園でも一度も話しかけられる事もなく、エスコートされることもなく終わった学園生活だった。そう見向きもされない学園生活だった。しかも卒業パーティーでも彼からは、ドレスも届かなくて連絡もなかった。卒業パーティーは兄に無理を言ってエスコートをしてもらった。
それでも私は初恋のレオンハルトが好きだった。未練がましいが彼が婚約破棄しないのなら、結婚したかった。
レオンハルトが困らないように、公爵家を立て直したいと思って、一生懸命勉強もした。
それから……それから……どうしたっけ。それ以上は思い出せない。それにしてもレオンハルトから連絡もらっただけで、思い出せるユリア。なんて健気で悲しい人なんだろう。
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